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大飯原発の再稼動認めずという判決が福井地裁で出された。
判決は優先すべきは「生存にかかわる人格権」であり、発電の一手段でしかない原発はそれよりも優先度を低く置くべきだとする。
電気代と住民の安全を同列に考えるべきではないと指摘し、安全性を確保できなければ原発を運転すべきでないと判断した。
私は国会議員9年を経験し、ビジネス界に入った。その間、八年。経団連の常任幹事会に孫社長の代理として出席していた。
常任幹事会といっても200名以上は毎回出席する昼食会形式。前には会長以下、日本の主要企業の代表が副会長として10名程度並ぶ。
政府への政策提言などが副会長会議で原案が決められ、常任幹事会で承認される。意見は求められるが、シャンシャン総会で終わることが多い。
経団連は「電力コスト」が高くなって経営が困るからとの理由で「原発再稼動が最優先課題」が基本方針である。2012年、大飯原発をどうするかの議論華やかなりし時、原発再稼動を求める提言案が常任幹事会に提出された。
私は沈黙を破って挙手し「原発再稼動が最優先課題とは思わない」と発言した。利よりも義を重んじるのが、経団連の本来の姿ではないのかとも言った。
残念ながら再稼動推進の提言は、いつもより大きい拍手で承認されてしまった。
マイケル・サンデルハーバード大学教授は「正義とは何か」でこう語っている。
「善き社会をつくるうえで考えなければならないのは、経済効率とGDPを最大化にすることだけだ」という観念に我々ははまり込んでいた。
・・しかし、今、「何かが欠けている」という意識が芽生えつつある」
大井原発の判決に戻る。
「関電は、原発の稼動が電力供給の安定性につながるというが、極めて多数の人の生存そのものに関わる権利と電気代の高いの低いの問題とを並べた議論の当否を判断すること自体、法的には許されないと考える」
経団連での私の発言に対し、ソフトバンクの営業部門に圧力があったこともあった。なるほど、こうやって意見を封殺するのだなといういい経験になった(笑)
その後も、エネルギー問題の提言が出るたびに私は原発再稼動推進に反対の意見を発表した。
何度目かの発言のときである。ドンキホーテのように発言しても拍手多数で原発推進の提言が承認されてしまい、経団連を足早に去ろうとしたとき、話しかけてきた人がいた。
「嶋さんですね。私は○○です。私は嶋さんの言われることに賛成です」
徐々に経団連も変わるのではないかと思わせる出来事であった。至誠は天に通ずとの思いで今後も発言して行きたい。
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