島さとし(嶋聡)の「大風呂敷のススメ」

松下幸之助に学び、ソフトバンク社長室長3000日の後、多摩大学客員教授を務める元衆議院議員「島さとし」のブログです。

政党の品格

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民主党代表選挙候補者の共同記者会見を見た。岡田氏、細野氏、長妻氏など議員時代から、さらにソフトバンクに入ってからも親しくさせていただいている人たちでどなたもすばらしいと思う。

しかし、共同記者会見の最初「代表になったら民主党をどう再建し、どんな民主党にしたいですか」の質問に皆が「徹底的に議論して、決まったら従う政党」と言っているのはいただけない。党内ガバナンスなど、国民にはどうでもいい。

野党には権力も予算もない。野党が提示できるのは、「何かやってくれそう」という期待しかないのだ。注文をつけたい。民主党代表はもっと「大風呂敷」な民主党像を語って欲しい。

私がソフトバンクに転じた直後の二千六年三月、ソフトバンクはボーダフォンを買収し、携帯電話事業に参入した。当時の携帯電話シェアはNTTドコモ55%、ボーダフォンは16%。ドコモは、トリプルスコア以上のはるかに高い存在であった。

 五月、孫社長は販売店代表者の会合で大風呂敷な目標を掲げた。
「十年以内にドコモさんを抜きます」
 
これをソフトバンクの幹部社員でさえ、「また、孫社長の大風呂敷が始まった」と思ったという。だがw私は違った。「本気で孫社長は天下取りを考えている」とワクワクしたことを覚えている。

 民主党の代表なら「次回、総選挙で奇跡の政権交代を果たし、世界の野党のモデルになるような政党にする」ぐらいの大風呂敷を語って欲しい。
 細野さんが、「明るい政党」にしたいと言ったが、それをもっと大風呂敷にしたほうが、皆、ワクワクするはずだ。

 目標を大風呂敷に設定するのは政治的にも賢明なやり方である。

「これは賢い射手がとるやり方である。目標があまりに遠距離であれば、目標よりずっと高いところに狙いをおく・・狙いを高く定めれば、自分の限界を超えた的に近づくことができる」(マキャヴェリ 『君主論』)

 まずは、大風呂敷な目標を設定する。そして、足し算でなく、引き算、逆算方式で目標に近づいていく。そのときには「ワープ」も必要となる。

 ソフトバンクのお客様数は順調に伸びていた。だが、ドコモを抜くには時間が足らないとして、米国第三位の携帯電話会社、スプリント買収という「ワープ」作戦を実行する。
 二千十二年七月、米国スプリント買収成功。お客様はアメリカ約六千万、日本三千九百万、合計約一億となった。NTTドコモの約六千万を抜いたのである。
 
 「抜いたといっても、スプリント買収という飛び道具じゃないか。そんなのでいいのか」との評に孫社長は答えた。「そんなのでいいんだ」

 背が低かったら、高くなる靴を履け。屋根に届かなかったらはしごをもってこい。あらゆる手段を使って大風呂敷な目標を達成するのが重要という。こんな、すさまじい執念を持ったリーダーを擁していたことが、ソフトバンク飛躍の原因だと思う。
 
 十年計画で政権交代などという悠長な目標設定では、日本の民主主義が持たない。野党第一党の民主党リーダーは「次の総選挙で政権交代」という大風呂敷な目標を掲げて欲しい。
 
 民主党の議席が衆議院73では・・・と思うかもしれない。

 ならば、「高い靴」や「はしご」を考えるべきだ。二千五年、郵政解散総選挙で113議席となった民主党は二千九年総選挙で政権交代を果たした。惨敗し119議席になった自民党は、二千十二年に政権復帰を果たしたのである。つまり、衆議院で野党勢力を百十台にするM&Aをしかけるというのが次の代表の「ワープ作戦」である。

 衆参同時選挙も・・と噂されている。とすると後一年半。維新との完全なM&A、合併には三人とも慎重だったのでイタリアが行った「オリーブの木」連合を参考にしてもいい。これは、経営で言えばアライアンスである。 M&Aもアライアンスも、瞬発力が必要でトップしかできないことである。

「人の上に立つ者が尊敬を得るには…大事業を行い、
前任者とは違う器であるということを、人々に示すことである」 『君主論』
党内ガバナンス確立のためにも、大事業=大風呂敷を語ることは有効である。

民主党代表候補よ、大風呂敷を語れ!

 

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