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不正会計問題で決算を延期していた東芝が、8月31日の決算を再延期した。内部通報が相次いでいて監査法人が慎重を期したからだという。
後漢の楊震は「ここには二人だけしかいないから」と不正を働こうとした人に「天知る、地知る、我知る、人知る」と言った。松下幸之助は一歩進み「他人が知っているということよりも、まず自らの心に問うて、やましいところがないか、公明正大であるかということが大切である」と述べた。
東芝の不正会計を生んだ問題は経営トップが義を忘れ、利に走り、「目先の数字」のみを厳しく追求したこと。パソコン、テレビ、白色LEDなど国際競争力を失った現場の責任者が事業縮小だけは避けたいと不正会計で下駄を履かせたところにあるとされる。孟子の「上下こもごも利をとれば、国危うし」の典型である、
さらに問題は二千六年に「これからは原発」との判断でウェスチングハウスを54億ドル、6600億円で買収したことがある。これには原子力発電のブランド力などののれん代が数千億円入っている。だが、3.11以後、原発の将来性に疑念が出てきた。のれん代は、今のところ「原発に将来性がある」としてそのままだが、これも疑念がある。
社外監査役を入れたりして改革を進めている東芝であるが、経営トップに要求されるのは「公明正大」ということである。それなくしては、市場の信用も、再建も難しくなる。140年の歴史を持つ東芝は土光敏夫さんなど尊敬できる経営者も多く輩出している。「利を見ては義を思う」(孔子)を再び思い出して、再建に当たって欲しい。 |
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