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八月六日、午後二時三五分の列車で大連から鉄道で、瀋陽にむかった。いわゆる旧満州鉄道である。
ガイドさんは駅で別れ、私一人。中国語の会話集だけが頼りである。はたして、無事つけるのかと何となく不安を感じる。
「瀋陽では、迎えのガイドさんが来ています。ホームで待ち合わせですからよろしくお願いします」
とガイドの王さんは明るく帰って行った。
四人席に向かい合わせで座る。後の三人は中国人。周囲を見ると瀋陽まで四時間も座っていると何となく仲良くなって話をしだすのだが、中国語が出来ない悲しさ、一人で「坂の上の雲」を読んでいた。
海洋国家であるイギリスは船による海路で海を制し大帝国を築きあげた。おくれた大陸国家ロシアは、ヨーロッパからシベリアを横断し、旅順・ウラジオストックにまでつながる鉄道で世界を制はしようとした。そんな「坂の上の雲」の解説をなるほどと思って読んでいた。
ふと、隣の若い女性をみる。「地球金融」と書かれた本を読んでいる。若い女性なのに「軟席」と呼ばれるグリーン車にのっているので、「あなたはバンカーか」と英語で話しかけた。そうしたら「私がMBAをとるために大学院に学んでいる。金融が専門です」とわかりやすい英語で返ってきた。北京大学の大学院生で、実家の瀋陽に帰るのだという。
これで、不安は解消。楽しい列車の旅となった。それにしてもやはり「言葉」は重要である。中国語を五〇歳になって勉強するのは難しいだろうが・・
瀋陽には七時頃についた。旧満州の野に沈む夕日がとても大きく見えた。それに感動している私を見て学生さんは不思議そうだった。
写真は瀋陽駅。昔は奉天駅と言った。東京駅をモデルにしたそうである。学生さんがガイドさんを一緒に探してくれた。無事、ガイドさんにも巡り会えた。明日、七日は「僚陽の会戦」の激戦地、「首山」に向かう。
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実際に大きな夕日というものを肉眼で見たことがありませんので、絵の構図としてデフォルメされているものと考えておりましたが、大陸の平原では本当に大きく見えるものなのですね。東京ミッドタウンから乃木坂の旧乃木邸まで足を延ばしたことはありますが、さすがに大陸の壮大なドラマまで想像が及びませんでした。
2009/8/12(水) 午前 0:17 [ Luna C'est La Vie ]