島さとし(嶋聡)の「大風呂敷のススメ」

松下幸之助に学び、ソフトバンク社長室長3000日の後、多摩大学客員教授を務める元衆議院議員「島さとし」のブログです。

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 12月21日の日本経済新聞「永田町インサイド」、「野党落選組 それぞれの道」を読んでいる。私も8年前、ソフトバンクに転身したとき、多くのメディアでとりあげられたからだ。
 政界を引退ではないが本格的な政治活動はいったん休止し、実業界に身をおきながら、国政復帰のチャンスをねらう人として、中塚一宏元金融担当相のことが掲載されている。

 中塚さんとは議員時代、私が財務金融委員会の筆頭理事だったとき、理事を務めてくださったり、昨年から細川護熙、小泉純一郎元首相がたちあげた自然エネルギー推進会議を一緒に手伝わせていただいたりしている縁でこのところ話す機会が多い。中塚さんから「ビジネス界にいかれた先輩として色々話を聞かせてください」と言われた。謙虚な方である。

 私は、2005年9月11日、郵政解散総選挙で3期9年つとめた衆議院議員の議席を失った後、11月1日からソフトバンク社長室長に転じた。当時、47歳。民主党三代代表の補佐役や、次の内閣総務大臣もつとめており、将来有望な政治家(?)と思われていたので、多くの人が驚いた。

 ただ、私にとってこの行動は1998年に、イギリス保守党の下院議員にあったときから予定の行動であった。
「落ちたらどうするのか。君は保守党だから、自分の会社があって落ちても大丈夫なのか?」
私のこの質問に、彼はあっさり答えた。
「私の父は普通の会社員だ。私もビジネスマンだった。選挙におちたら、ビジネスにもどればいいだけだ。下院議員としての経験はビジネスにも役にたつ」

 なるほどと思った。小選挙区選挙はそのときの「風」で落ちるときは落ちるし、当選するときは当選する選挙である。比例復活の制度がないイギリスではよりたいへんであるし、そのときに政治家がどうするかの経験は日本よりも先輩なのだ。政治家10年をやって、政権交代が果たせなかったら、ビジネス界に転進しようと考えた。

 政界の経験をビジネスに活かし、企業の飛躍的成長に貢献する。政界とビジネス界の交流が欧米のように進めば、日本経済復活にお役に立てると思ったからだ。

 「政界からビジネス界に転進するトップランナーになりたい」と孫社長にお願いし、ソフトバンク社長室長になった経緯は「政治とケータイ」(朝日新書)などに書いた。
 
 私が入社したときのソフトバンクは売上高1.1兆円。前年まで営業利益は赤字であった。それから八年三千日、2013年度のソフトバンクの売上高は6.7兆円と約6倍になり、営業利益は1兆円を超した。

 営業利益一兆円を超したのを機に、私はソフトバンク社長室長を卒業し、ソフトバンク顧問、ソフトバンクモバイル等特別顧問になった。少しは、ソフトバンクの飛躍のお役に貢献できたし、「政界からビジネス界の転進」としてのモデルパターンを創れたのではないかと思っている。

 政界約10年、ビジネス界も来年11月で10年。まだ、50代。次の十年は何をすべきかを今、真剣に熟考中である。

 
 

千九百七十四年、総選挙で敗れた保守党は、教育文部科学相の経験しかないマーガレット・サッチャーを七十五年二月の大会で、党首に選んだ。労働党に対して、二度続けて総選挙に敗れていた保守党は、「女性党首」という奇策に出た。いわば、「やけのやんぱち」で女性に頼ったのである。
 
一九九四年、労働党はサッチャー、メージャーと十数年にわたって保守党に敗北し続けていた。もはや、イギリスでは政権交代はなく、二大政党制ではないとさえ言われていた。そんなとき、党首ジョン・スミスが急死した。ここで、労働党は学生時代にはロック・バンドのボーカリストをしていたという四一歳のトニー・ブレアを党首にするという、これまた「奇策」に出た。おそらく、これも「やけのやんぱち」だったろう。
 
私が入社してすぐ、ソフトバンクは携帯電話事業に参入した。そのころは、NTTドコモさんのシェアが55%、KDDIさんが25%。買収したばかり、ソフトバンクモバイルのは3番手の16%だった。NTTさんははるかに見上げる存在だった。
 
当時、NTTさんのCMには一番人気のあるSMAP,KDDIさんは次に人気がある「嵐」が出演していた。芸能界には一業種一社にしかCMに出演しないというルールがあるらしい。どうしても、三番手のソフトバンクモバイルには三番手のタレントになってしまう。

 孫社長は二千六年、「十年以内にNTTさんを抜きます」という目標を掲げていた。それにはいつまでも三番手のイメージではいけない。しかし、既成概念のタレント起用だと、どうしても三番手のタレントしか来ない。
 
そこで「やけのやんぱち」で、「犬と外人」に頼ったのである。
 おかげさまで、お父さん犬こと白戸次郎は国民的アイドル(?)となり、ソフトバンク飛躍の原動力となったのはご存知の通りである。
 
さて、野党第一党の民主党である。海江田万里前代表の落選という危機にあたり、とるべき方策は「やけのやんぱち」の代表選出しかない。
 
党員、サポーター23万人が投票し、一月十八日に決定との事だが、この仕組みは「やけのやんぱち」の選択がしにくい方式である。党勢低迷の民主党である。党員、サポーターは実は、組合員などの組織加入が多い。結局、無難な候補のほうが優勢になるのだ。
 「やけのやんぱち」の決断ができるかどうか。民主党の決断を見守りたい。

 安倍首相が衆議院の予算委員会で「朝日新聞の捏造」だとか、「朝日新聞は安倍政権を倒すのが社是」だとか言ったとかが論争になっています。

 私は予算委員会の理事をしていましたが、正式な議事録をきちんとみるまで「信じられない」という気持ちです。そもそも、私の頃は予算委員が質問で特定企業の名を出すこさえ、理事会での慎重さが求められました。一国の総理が、しかも、マスコミの一社に対し、敵対的な発言をするなどということは私が予算委員会の理事をしていた8年前にはあってはならないことでした。

 私が理事だったら「憶測による問題発言だ。さらに、首相は『言論、出版その他一切の表現の自由』を保障した憲法21条をどう考えているのか」と委員長席につめよるところです。国会の議論は変わってしまったように思えます。

 19世紀後半、イギリス憲正論を書いたバジョットは「議員の大多数はその国の一般的知的水準を代表している」「その知的水準はその時代の社会の水準とまさに同程度のものである」と述べます。
 
 ただ、バジョットはこの事態に悲観的ではありません。国民教育により知的水準はあがるとみており、その国民教育の場となるのが他ならぬ議会だと考えたからです。

 「イギリスは『陛下の野党』という言葉を最初に発明したと言われている。また、イギリスは政治の批判を政治そのものにするとともに政治体制の一部にした最初の国家である。このような批判する野党の存在は、議院内閣制の所産である。偉大な討論の場となり、また民衆教育および政治論争の一大機関となるのである」日本野党にもこのような論戦を期待します。

 国会の議論の中で、もっとも重視されるのが総理の発言です。首相は本来、全国会議員の最大の教師であり、国民の最高の教師でなくてはなりません。首相は、権威と才能によって討論に高い格調を持たせたり、ときにはユーモアを持たせたりして、国会を通して国民に語るべきです。

 総理の発言は「名言」であるべきです。残念ながら、安倍総理の発言は「迷言」だと思います。

 最後に、第29代犬養毅内閣総理大臣のマスコミに対する「名言」を引用します。全国護憲記者大会での新聞記者たちに語った言葉です。

「政党には党勢拡張、政権獲得などという一種の病気がつきまとう。そのためにあるいは不正手段に出たり、あるいは敵に向かって進む勇気を失ったりすることがある。
 これを監視し、激励するのが言論に従事する人々の責任でなければならぬ」

 安倍総理にも「名言」を語ってほしいと思います。



 


 
 
 

 政治家たちが公職選挙法の裏をかいて活動をする醜い姿が次々と明らかになっている。

 代表的な例として小渕議員を見る。観劇会の収支が大幅に食い違っていることに端を発し、小渕優子議員の地元でジャガイモ、顔写真入のワイン、カレンダーと次々と有権者に様々な物品が送られていた可能性が出てきた。

 おそらく官邸はここまで把握しており、早い時期の幕引きを図ったのだろう。国会で、次々と追及されていたら小渕議員をかばうような発言をしていたコメンテーターたちも手のひらを返すことが考えられるからだ。

 公職選挙法は公職たる国会議員、地方議員らを選出するルールを決めている。政治資金の出入を公開する政治資金規正法ともに「政治家の基本法」である。小渕優子議員の問題はこの基本法の「裏をかく」ことをよしとする政治文化を暗黙のうちに認めていたことにある。将来の首相候補ととまでいわれた政治家のなすべきことではない。

 公職選挙法は政治家や候補者が選挙区の人に寄付することを禁じている。お金や物など「財産上の利益」を代金や会費を受け取らずに贈れば「寄付」とみなされる。
 
 「財産上の利益」とな何か。花輪や香典、お歳暮、運動会・盆踊りなどの差し入れなどと条文や総務省のホームページでは示している。ちなみに総務省の見解を集めた「選挙関係実例判例集」では名入りの「うちわ」や「カレンダー」を選挙区内で贈ることはできないとしている。(1975年)

 松島議員のうちわは完全にアウトである。金額の多寡は関係ない。

 保守系候補者を中心に名入りカレンダーも野放し状態である。小渕氏だけでなく、秋田県の自民党衆議院議員三人もカレンダーを配っているが「会費制の会合で配布したもので問題ない」としている。これには裏がある。1万部刷ったら、1000部は会合で配布して法を繰りぬけ、残りの9000部はタダで配るのだ。

 小渕氏のジャガイモはどうか。これも法を抜け、裏をかく道はある。「献金者に献金額の範囲を超えない形でジャガイモを贈っている」といえば直ちに違法とされない。これも大量に仕入れ、一部を献金者にして残ったものを配布する。「腐らせるのももったいないから」との言い訳もできる。ワインも同じと思われる。ただ、こちらは「選挙区外の人に配布して、残ったものを・・」と弁明するであろう。

 わが師である松下幸之助は「政治家は尊敬されるべきである」と常々言っていた。これは政治家は尊敬されるべく厳しく自己自身を律すべきということを塾生に教えていたと思う。政治家が自己自身を正すことが根本で、それによって人心風俗が正されるというのである。

 うちわ、観劇会、カレンダー、ジャガイモ、ワイン。松島議員、小渕議員の今回の行為は政治家の基本法である「公職選挙法」の裏をかこうとした行為である。これでは国民が法律の裏をかいて恥じなくなってしまう。尊敬できない今の政治家たちの最大の問題は、ここにある。

 







 

小渕優子経済産業大臣が明治座で2010年、11年と1000人規模以上の観劇ツァーをした。収入はそれぞれ372万円と369万円の合計742万円。支払ったのは3284万円で2600万円近くが補填されている。

選挙区の有権者に安価で観劇をさせたならば、利益供与となり公職選挙法199条違反の可能性が高い。さらに、選挙が近く集票目的であったなら、あきらかに買収となる。2012年の観劇が記載されていなかったのはそれを慮ってのことではないだろうか。

小渕大臣には、道義的責任、監督責任、政治的責任が発生する。「知らない」ですまされるわけがない。

保守政治家の主催するイベントは、似たようなものである。私が議員時代、保守政治家が数十台のバスを仕立て旅行に行っていた。私の事務所もバス旅行を企画したがなかなか参加者が集まらない。車社会で、会社などでもバス旅行は不人気なのになぜバス数十台も人が集まるのか不思議だった。

保守政治家のバス旅行の内容を聞いて驚いた。バスではビールも酒も飲み放題。残った缶ビールはお土産として配られる。現地についたら宴会の料理は豪華。さらに、お土産つきであった。「会費よりずっとお得」というのが参加者を集める秘書たちの「セールストーク」であったそうだ。

小渕優子経済産業大臣が地盤とする群馬県はかつて福田赳夫元、中曽根康弘、小渕恵三と総理になる三人が争った選挙区だった。その選挙戦のはげしさから「上州戦争」と呼ばれた。

当時のこととて、事務所で食事を出すのも野放し状態。それぞれの供応を「福田料亭」「中曽根レストラン」、「小渕飯場」と呼んだ。明治生まれの福田氏は懐石料理を、大正生まれの中曽根氏はしゃれた西洋料理を出して支持者の拡大をはかった。小渕氏はお金がなく、おにぎりくらいしか出せなかったので「飯場」と呼ばれたのだ。

福田料亭、中曽根レストランの時代を今、我々は「そんな時代もあったのか」とあきれてみている。だが、形を変えた供応は今もある。「観劇ツァー」に似た政治家主催の「バス旅行」をはじめ、有権者への「利益供与」イベントを開いているのは小渕大臣だけではない。

  政治は「信なくば立たず」である。小渕大臣だけにとどまらず、他に同種の行為がないか政権運営にあたる与党自らが徹底して調べるべきである。そして、「そんな時代もあったのか」とあきれて見られるような政治にすべきであろう。
 

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