|
孫社長の後継者候補である、ニケシュ・アローラ氏が。600億円、0.6%のソフトバンク株を購入というニュースを聞いて、思いだす松下塾長の言葉がある。
「自分も株主になれば、いわばその会社の真の主人公ですからね。そういう目で会社を見、自分の仕事を見るということにもなりましょう。・・株主として会社を向上発展させる。会社としてもきわめて好ましいことですし、そしてそのことはひいては国家社会全体にプラスになるでしょうね」
ニケシュ・アローラ氏は契約の一時金が入っているとはいえ、165億円の高額報酬で知られる。NHKの報道番組に出演したとき、「報酬だけもらって、もっと高い報酬が提示されたら、会社を変わるのでは」との質問が出た。「それは、信頼関係です」と答えた。これで、長期的にニケシュ・アローラ氏がソフトバンクの経営に長期に関与することが示されたと思う。
アメリカを中心に、世界のCEO,COOの報酬は高額になり、経済格差を拡大させる原因であるとの批判もある。
だが、CEOたちへの評価も厳しい。報酬は、毎年、自社の株価と連動して決定されている。株価が判断基準なのだ。 当然、実績が悪く時価総額が下がると、報酬額の引き下げ、あるいは解任というペナルティが課される。たいへんな実績主義なのである。日本でもいずれ同じことになるだろう。 自社株を買うという今回のニケシュ氏の決断は、ある意味、みずからの意志で「株価が判断基準」という厳しい評価の中においたことになる。ニケシュCOOの頑張りに期待したい。 |
全体表示
[ リスト | 詳細 ]
|
9月の自民党総裁選における安倍総理の無投票再選の可能性高しとの報道が流れているのを見て、思い出す松下幸之助塾長の言葉がある。「謙虚である・・指導者は地位が高くなればなるほど謙虚でありたい」
安倍総理の70年談話は当初の予想より穏健なものであった。中国は「実際の行動で信頼を得るように促す」としたが、中国経済の不振もあり、日本との関係を悪化させたくないとして様子見。韓国は「我々にとって残念な課題が残っていても新しい未来に向かって共に進む」とした。
安倍政権の支持率低下に対処するための「政治的妥協」の産物と言われるが、国民の声に謙虚に耳を傾けた結果、アジア各国との関係もすこし融解したのではないかとおもう。 安倍総理の在職日数は祖父の岸信介内閣の1241日を抜いて歴代9位となった。長期政権である。それもあってか、国会審議を見ていると「謙虚」さが足りないのではないかと思うことが多く危うさを感じる。
加賀百万石の祖、前田利家のところにあるとき、福島正則から鯉を2匹送ってきた。利家の家来が礼状を書かせたところ、利家のほうがはるかに先輩である胡あり、形式的なものを出した。
それを見た利家は「このような手紙はできるだけ先方を敬い、 丁重に書くものだ。特に目下の人への手紙は丁重に書けば書くほど先方は嬉しく思うものだ。目下だからと言って、見下した書き方をすれば、いかにも自分とお前は位が違うといわんばかりで、そんなことは愚か者のすることだ」と言って、書き直させたという。この謙虚な態度が、加賀百万石の太守となり、明治維新まで続いた原因だと思う。 そうえいば、孫正義社長も社長室長である私を呼ぶときは、最後まで「嶋さん」と「さん」づけであった。何かを依頼するときも非常に丁寧な言い方あった。
日々の経営でも、社長、上司は部下、目下の人に接するときに謙虚さを忘れないようにしたい。そうすれば、「あの人は丁寧だ。偉い人だ」と人々も心から敬服し、衆知も集まってくる。これが「長期政権」の鍵であると思うのだが、いかがだろうか。 |
|
桜島が警戒レベル4というニュースを見て思い出す松下幸之助塾長の言葉がある。「天地自然の理・・指導者は天地自然の理を知り、これに従うことが大切である」
東日本大震災は貞観地震(869年)から1000年ぶりの大地震だった。日本は1000年ぶりの火山大変動期に入ったという学者もいる。こんなときに桜島から50キロの川内原発を再稼動させるのは、天地自然の理にかなっているのだろうか。
百年前の大正三年(1914年)、桜島は写真のように大噴火をした。この大正大噴火で大隅半島が陸続きになった。先日、川内原発が再稼動したが、このような大噴火が起きれば、軽石が海をおおい、原子炉に必要な冷却水の取水もできなくなる可能性もあるという。
桜島が落ち着くことを祈りながらも、最悪に備える準備も同時に必要であると思う。 日本国内には火山が110ある。国土は世界の0.25%なのに、世界の7%が集中している。それゆえに、温泉も豊富で人々は健康のためにあるいは観光資源として利用してきた。しかし、おおいなる被害をもたらしたことも事実である。この火山国でふるさとを失わせるような原子力発電を続けることが自然の理にかなっているとは思えない。
「私はできるだけ早く原発ゼロをめざす、原発ミニマム論者です」
孫正義 写真は「桜島大正大噴火」(鹿児島県立博物館蔵)と2015年8月15日の桜島 |
|
戦後70周年の本日に当たり思い出す松下幸之助塾長の言葉がある。「調和共栄・・指導者は人間みな兄弟の思いをもたなくてはならない」
「四方の海 みなはらからと思ふ世に など波風のたちさわぐらむ」明治天皇の有名な御製である。天皇がこれを詠まれたのは明治37年、日露戦争のときと知って松下塾長は言った。
「明治天皇のお気持ちとしてはやむにやまれぬ理由で敵味方に分かれて一戦を交えているとはいえ、本当はお互いに人間として調和共栄していこうとの思いを現されたものと思う」 安全保障法制の議論で中国脅威論が強調される。だが、実際の安全保障政策では中国へのそなえは多くない。集団的自衛権行使の方便として中国脅威論を唱え、それが東アジアに緊張をもたらしている。
中国のGDPは10年に日本経済を追い抜き、昨年は2倍となり、再来年には3倍となる。本来は相互依存を強め、互いにどうメリットを享受するかに知恵を絞るときである。財界は沈黙を決め込まず、一歩先の世界認識を示すときである。 安倍第一次政権の二千六年頃も東アジアは緊張していた。その頃の孫社長の言葉である。
「政治的にはいろいろたいへんなのでしょうが、日本の姿、日本人の生活をたくさんのアジアの国の人々がインターネットを通して見られるようにしたい。顔を見て、生活を見て親近感を覚えている国にミサイルを撃ち込もうなんて考えないでしょう」 平和戦略としての「相互依存」を進めて行きたい。9月には中国で講演をさせていただく。
|
|
「ソフトバンクグループが、傘下の米携帯電話大手スプリントの株式を108億円を投じて追加取得。出資比率は79.99%になった。
スプリントは業界4位に転落するなど業績が低迷。市場ではソフトバンクがスプリントを売却する可能性もと。だが、ソフトバンクの孫正義社長は『解決策が見えた』と述べ、業績立て直しを目指すことを宣言している」というニュースが流れた。 この話を聞いて松下塾長の「指導者は大事にいたれば度胸をすえてそれにあたることである」という言葉と「カメ割り柴田、鬼柴田」とよばれた織田信長の武将、柴田勝家の逸話を思い出した。
柴田勝家が近江の佐々木承偵と戦ったとき、城を囲まれ、水の手を断たれるという苦境に陥った。城兵の士気は衰え、落城目前の状況であった。
そのときに、佐々木勢から使者が来た。城内の様子を探る目的もあった。勝つ家は、残り少ない水を惜しげもなく使って見せた。使者は、水源は他にもあると思ったらしい。 その後、勝家は残り少ない水ガメを運ばせ、全員にのどをうるわせた後、水カメを打ち割り「武士たるもの座して死を待つより、うって出て立派に死のう」と翌朝未明に斬って出た。その決死の勢いに佐々木氏は総崩れ、大勝利をおさめた。以来、「カメ割り柴田」と呼ばれたという。
孫社長自身が言うように、数ヶ月前までは「スプリント売却」という道も模索していた。しかし、誰も買ってくれないとわかり「腹が座った」のだろう。追い込まれ、覚悟を決めてからが強いというのが、孫社長であ。
今回の追加出資は「覚悟を決めた」ことを内外に知らせたのだと思う。なにか「理外の理」が生まれる予感がする。 |



