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「景気がいいとか悪いとかは、政府の予算の組み方でもそれによって影響を受ける。だから『この組み方だったら景気がよくなる』とか『悪くなる』とか考える」。
政経塾が開塾したばかりのころの昭和55年5月10日の松下幸之助塾長の言葉である。
国会では予算委員会が開かれ、補正予算が審議されている。私も予算委員会のメンバーとして、小泉純一郎首相と議論したことを思い出している。NHKでも放送されたのだが国会中継の平均視聴率は2%ということなので、見られた方は少ないだろう。
松下幸之助塾長が存命だったら今回の補正予算をどのように評価しただろうか。本当にこれで景気がよくなるのだろうか。
有効需要が不足しているのだから、公共事業で穴を掘ってその穴を埋めても経済回復に役に立つと主張するのがケインズ政策と言われている。
しかし、「ハーベイロードの前提」のあるケインズ政策はそんな単純なものではない。政府支出は「ワイズスペンディング」、賢い支出でなければならないというのが、ケインズの主張である。
今回の予算委員会でも菅直人代表代行が「賢い支出になっているかどうか」を聞いていた。予算委員会がスキャンダル暴露合戦でなく、政策議論になっているのは予算委員会の品格をあげていると思う。
賢い支出とは「日本経済にシュンペーターがいうイノベーション(技術革新)を起こし、日本を経済発展させ、持続的な成長率を上げる支出」であるべきと考える。
東大、吉川教授のいうように「ケインズ+シュンペーター」の政策が必要なのである。
政治と経営の二つを知った私は「あるべき論」だけでなく具体的な提案をするように心がけている。
今回のように定額給付金を二兆円もばらまくなら、そのお金で将来のブロードバンド革命をおこす光ファイバー整備をというのが私の主張である。
詳しくは以下の記事をご覧いただきたいと思う。
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/Interview/20090203/324149/
「景気がいいとか悪いとかいうことは、社会の経済情勢にもよるけれど、それに関連して大事なものは政治のあり方です。政治によって好景気をつくったり、不景気をつくったりということはある程度できるわけです」
松下塾長、5月10日の同じ講義での発言である。
政治と経営を少しは知った私としては、松下塾長のこの言葉が腹に落ちるようになった。今の政治のあり方で、ほんとうに景気が回復するかどうか。
日本が心配である。
追伸・・東洋大学政治科学受講生の皆様へ
すでにお知らせしてありますが、来週は海外出張のため、休講にさせていただきます。
次回は、この論の「ケインズ政策」と「シュンペーターのイノベーション」について詳しく講義いたします。
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