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「基本的な間違いがなければ力強く門を叩け 松下幸之助」
経団連で行われた「民主党と政策を語る会」でのことです。大橋政治対策委員長が「企業献金を三年後にゼロにするというが、経団連は社会貢献の一つとして政治献金を推進している。個人献金が根付かない日本で、政党助成金だけに政治活動を頼るというのはいびつな姿だ」という趣旨の発言されました。
経団連との会合が開催された六月一日、その日に、民主党は「三年後の企業・団体献金禁止」を明記した政治資金改正法案を提出していました。
さて、企業団体献金全面禁止で政治は可能なのでしょうか。答えは「イエス」
ただし、イギリスのように「お金をかけない政治」を制度化する必要があります。
イギリスでは、下院議員総選挙における費用は選挙区にもよりますが平均して、一六〇万円以上使ってはいけないことになっており、これを厳格に守らなくてはなりません。
日本と比較すると選挙区がせまく(有権者約10万人)と、日本の平均小選挙区40万人の四分の一ぐらいですが、四倍しても六四〇万円程度です。日本では法定費用でも約2500万円。選挙前の準備期間をいれるとこの2倍から4倍はゆうにかかります。
イギリス基準で考えて、160万円の4倍、640万円しか使えないとなれば、献金への考え方もだいぶ変わります。経験的に考えて、これぐらいなら個人献金でも集まるように思えます。
小選挙区の先輩であるイギリスの選挙は首相候補、政党、マニフェストによる政策の三つで争われます。政党は、政策を訴えるために大キャンペーンを行いますが、政治家個人の負担は少なく、政治献金を膨大に集める必要はありません。
企業団体献金を禁止すれば、政治がイギリス型に変わってくるように思えます。さらにいうなら、社会貢献として二九億も出している経団連企業の予算を、他のNPO法人にまわせば随分たすかるNPOが出てくるように思えます。
「企業献金は見返りをなにも考えずに政治献金をすれば、株主に対して背任になる。何かを考えれば贈収賄になる」といわれます。一社で数千万円も企業団体献金をしているというのは無理があるというのが率直な感想です。
経団連の会員企業の献金総額は平成一九年度で二九億九千万円。そのうち自民党が二九億一千万円で、98%を占めています。これはあくまで献金だけで、パーティ券は別です。
会の終了後、「本当に企業団体献金禁止の方向に進むのですか」と大橋政治対策委員長に聞かれた私は明快に答えました。「そうなると思います。総選挙の争点にもなりますし、大きな方向性は間違っていませんから」。
ただし、政党助成金だけに頼るのもいびつな姿です。個人献金を出したくなるような政治になるよう努力していただきたいとも思います。
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