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普天間問題、福島消費者担当大臣の罷免による社民党連立離脱で、メディアには「首相責任論」の言葉が踊っている。ブレが出やすい電話による緊急世論調査では朝日19%とNHK21%と支持率はさらに下がったので、今週の永田町はにぎやかになることだろう。
私はそれでも「鳩山政権を支持する」し、鳩山首相は躊躇する事なく次期総選挙まで首相の任を全うすべきであると思う。それは巷間言われているように私が元側近であるというからでない。有権者が総選挙を通じて307議席を民主党に与え、政権交代をなしえたという鳩山政権の歴史的意義が損なわれてしまうからである。
首相が代わるのはあくまで総選挙をであり、選んだら次の総選挙まで4年間はしばらくやらせてみるというのが成熟した民主主義の姿である。イギリスなどとくにそうで、首相は基本的に総選挙で敗北しない限り、その座にすわる。この慣習が中期的な視野にたった改革を可能にし、イギリスを復活させたのである。
イギリスには首相の任期途中に代表選挙などない。マスコミや野党も有権者がマンデートを与えたからには多少のことに目をつむって長い目で任せてみようと考える。
支持率が低いので首相を変えるなどというのは自民党という永久与党が短命政権をたらい回しにするという発想である。渡辺副議長がその趣旨の発言をしているというのを聞いて、失礼ながらまさに古いタイプの政治家の発言であると感じた。ブレが多い支持率が低くなるというので首相が変えられたら、それこそ短期では痛みを伴うが中長期的には日本にとっていいという不人気な政策はいっさい採用されなくなる。
だいたい、電話緊急世論調査というのは小泉内閣の頃から始まったにすぎない。わりと手軽な方法なので緊急に調査ができる。支持率が低い事が報道されると支持すると答えにくくなり、不支持がどんどん増える。福田(19%)。麻生(13%)となった。逆に高い支持にどんどんなったのが小泉内閣であった。小泉内閣の功罪は冷静に考えたい。
もちろん、政権を担う官邸側にも調整力の弱さは即座に反省し、強化すべきであろう。政治主導確立法案が成立していない事情はよくわかるが、イギリスのように首相の補佐機能がきちんとしていないとまた混乱をまねく。
今回の「鳩山おろし」の動きを見ていると、02年秋の鳩山おろしの動きをデジャブーのように思い出す。02年9月の代表選挙で勝利をえた鳩山代表が幹事長人事でメディアの批判をあびる。支持率の低下におびえた政治家たちが批判を繰り返す。NHKニュースを見ていたら、02年のときに批判を繰り返していた同じ政治家がまた批判していた。最後は鳩山代表が自由党との合併推進に単独で乗り込んだ事を批判され、辞任。後継は菅直人氏であった。
代表の補佐機能が不慣れで機能しずらかった事も今に似ている。それまで代表室長だった小沢さきひと氏、そして次長で政策担当だった私も次の内閣の総務大臣となり、代表室を離れていた。代表を補佐する代表室は優秀だが不慣れな議員たちで構成され、それが事態をさらに悪化させたのである。
その後、辞任の原因となった「自由ー民主」合併は菅直人代表のもとで実現され、民主党を躍進させる。小沢一郎氏の豪腕がなければ、日本に政権交代がなされたかどうかわからないし、そのために鳩山代表が動いていた事を知る人も少なくなった。
「菊作り 菊見るときは 陰の人」鳩山氏が自由ー民主合併が実現された頃によく挨拶で使っていた句である。
普天間問題はまだ交渉中の案件である。日米安全保障条約が破棄を通告されたという事態ならともかく、首相記者会見にもあるごとく「政府は普天間飛行場返還の為の代替施設の建設と沖縄の負担軽減に向けて邁進していく」と宣言している。
「どんなに時間がかかっても、日本の平和を主体的に守る事ができる日本をつくって行きたい」「沖縄の基地問題の解決もその先にあると私は思っている」という首相会見の方向性は正しい。外交交渉には時間がかかるし、マックス・ウェーバーではないが「堅い堅い板にじわりじわりと穴をあけていくような」ねばり強い努力が必要なのである。それは1年に満たない時点で評価されるべきものではなく、4年の任期終了時に総選挙により、国民が判断するものなのである。
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