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前原誠司前外務大臣が、民主党代表選挙に立候補するらしい。半年前に外国人献金問題で、外務大臣を辞職した前原氏がでるということで、自民党は手ぐすねを引いているとのことだ。
前原氏自身、「ボロボロになって、政治生命が失われてもかなわない」との発言をしているのは、外国人献金問題を含めた「二の矢、三の矢」が出ることを覚悟しているように思われる。昨日も、何人かの政治家と話したが、実際にすでに噂がでているらしい。
私は、前原氏の友人として、あるいは政経塾の同窓生として今回の出馬を誇りに思いながらも、心配している。今回の立候補は、目の前の支持率の高さに惑わされた周辺の進めに従った「暴虎馮河を渡る」類のものに見えるからだ。偽メール事件の時のように、ふたたび短期間で前原氏が辞職に追い込まれないかと彼の才能を知っているだけに心配するのである。
「暴虎馮河して、死して悔いなきものは、吾ともにせざるなり」と論語にいう。「必ずや、事に臨みて懼れ、謀を好みてなすもの」でなくては、日本の総理はつとまらない。
立候補が既定路線なら、前原氏は二つのことをなすべきである。
第一は、党内の対立関係を解消し、有力者を決定的な敵にしないことである。昨夜、複数のベテラン議員と話すことをまとめると「前原氏が立候補するなら、京セラの稲盛さんと話をしていないはずがない。稲盛さんなら、小沢さんとも近いから、二人を協力関係にすることができるのではないか」という期待を述べていた。稲盛さん、うんぬんはともかく、国難のために、対立を解消することがまずは重要なのではないかとおもう。
「謀を好みてなす」というのは、敵を減らし、味方を多くすることである。
第二は、前原さんの周囲に六韜三略にある「股肱」と「羽翼」の臣をおくことである。
「股肱」とは、堀、城壁を担当し、守りの面で万全の態勢をつくる臣をいう。偽メール事件でも見るように、前原さんの周囲には目立つのを好む人は多いが、この分野は圧倒的に弱い。
「羽翼」とは、勇名を責伝し、敵の闘志を弱めることを任務とする。これも前原さんの周囲には、自分が目立つ事を第一義とし、自分を押し殺して、トップを目立たせようとする人は少ない。残念ながら、前原さんの周囲には真の補佐役はいない。
政治とは、「硬い、硬い板にジワリ、ジワリと穴をあけてゆくようなもの」であり、けっして軽々に政治生命をかけてはいけないのである。トップが、「政治生命」という言葉を使おうとした時、それを止めるのが真の補佐役である。
立候補が既定路線なら、周囲はぜひとも前原さんの政治生命が長くなるような方策を考えてほしいものである。
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