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鉢呂経済産業大臣が、就任9日にして辞任した。実は、私は9月9日(金)午後1時に、鉢呂経済産業大臣と大臣室にてお会いしている。用件は、12日に正式発足する自然エネルギー財団について、孫正義社長とともに、報告したものである。大臣はエネルギー政策の転換について熱っぽく語っておられた。
本来、大臣との会談内容は語るものではない。だが、その2日後に辞任されたという異常事態と一部報道もされているようなので、詳細は述べないとして、骨子のみ少し述べたいと思う。
佐藤一切の重職心得箇条には「重職と申すは、国家の大事を取り計らうべき職」であるから「まず、挙動言語より厚重にいたし、威厳を養うべし」という。ここに、鉢呂大臣の油断があったことは否定できない。だが、毛を吹いて疵を求むような昨今の風潮は残念である。
「小事に区区たれば、大事に手抜きあるもの。瑳末を省く時は、自然と大事に抜けめあるべからず」という。小事は官僚に任せることである。政権当初、政治主導の名のもとにほんらい、課長クラスがやっていることを、政務三役がやっていた。この姿は愚の骨頂であるし、総理、大臣が細かいことまでいちいち言うものではない。
では、大臣の仕事とは何か。「大臣の職は大綱を統ぶるのみ。・・人の発しがたきの口(言葉)を発し、人の処し難きを処するのみ」である。
実は、鉢呂大臣はこの「大臣の仕事」をしようとしていた。前述したように、詳細は述べないが、鉢呂大臣発言の骨子のみ。
「今、原発推進対脱原発という議論になっているが、20年ー30年先を考えて、どのようなエネルギービジョンが必要かを、閣僚が行うエネルギー・環境会議と経産省総合エネルギー調査会で議論してゆきたい」
「総合エネルギー調査会では、いままでは結論が最初にあった。今度は、原発についての賛成派、反対派と委員を半々にしたい。両論併記でもいいからと言ってある」
委員会が両論併記でもってきたら、それを政治決断でどちらに決めるかは政治家の仕事である。議論をつくさしめ、大臣が自分の責任で決断する。これこそが政治主導の真の姿である。私はこのとき、日本のエネルギー政策が大きく変わるなと予感していた。
私は議員時代、鉢呂国対委員長の下で予算委員会理事としてお仕えした。そんなこともあってか、鉢呂大臣から「これから、何度も意見交換したい」と言われた時には、日本のために尽力したいと思ったものであった。
しかし、その6時間後のニュースから、鉢呂大臣の失言が激しく報道され、辞任に至ったのは御存じのとおりである。
今週、何人かの議員と鉢呂経済産業大臣辞任劇の話になった。これが、真実かどうかはわからないが、
これも、発言の要旨のみ。
「鉢呂さんは、○○にはめられたな。脱原発までならよかったけど、完全に原発ゼロといっただろ。あれで警戒された」
某ベテラン議員
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