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枝野経済産業大臣が、「発送電分離、法的分離を軸に検討」と発言した。2000年代初頭の電力改革では、甘利元経済産業大臣や、元電力会社副社長であった加納参議院議員の活躍(?)により、発送電分離の試みが葬り去られたことをみると隔世の感がある。
もちろん、発送電分離の詳細設計はこれからであり、予断は許さない。「戦略は細部に宿る」と言われる。電力システムに精通した電事連、電力会社の経営企画部の俊才(?)たちが、発送電分離をしても結局「新電力」が参入できないような「悪魔のわな」をしかけることが、予想されるからだ。
ただ、時代は大きく動いている。電事連、電力会社の俊才たちは、時代を押しと止めようとする動きをするのでなく、時代をすすめるために能力を使ってほしいと思う。
ジェレミー・リフキン氏の「第三次産業革命」によると、「歴史上の重大な経済改革が起きるのは、新しい通信技術が新しいエネルギー体制と一体となった時と理解できる」という。
第一次産業革命の蒸気機関が、蒸気で動く輪転機を創ったおかげで、新聞、雑誌、書籍が大量に生産された。読み書きのできる労働者が育成され、それが石炭や蒸気を動力とする複雑な作業を組織化できるようになった。
二十世紀初めの第二次産業革命では、石油を動力とする内燃機関と電気通信が一体化した。工場の電化により、自動車が量産化された。コンクリートの高速道路が走り、辺鄙な場所にコミュニティーが建設された。人々は郊外に引っ越しし、電話線が張り巡らされた。テレビやラジオが広範囲にわたる商品化のための通信網として機能し始めた。
これからはじまる第三次産業革命は、インターネット通信技術と再生可能エネルギーが結びつくことだという。数十億の人間が、自宅や工場で自分で使うグリーンエネルギーを生産し、インターネットで独自の情報を創出し、発信するように分散型の電力ネットワーク「インターグリッド」を通じてエネルギーを共有することになるという。
これは、すでにEUで動き始めているという。まさに、第三次産業革命である「電力と通信の融合の時代」が訪れようとしているのだ。
これを阻むのは「旧来のエネルギー業界」だと氏はいう。「政府のエネルギー政策の決定に影響を与えるだけの十分な資金力があるからだ」そうだ。
日本の電力業界は、経営改革を求められており、政治に影響を与える「十分な資金力」がなくなりつつある。ひょっとしたら、これが幸運となって、日本の第三次産業革命が、早く進むのではないかと期待している。
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