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東洋大学経済学部での「政策デザイン」の講義がスタートした。議員時代からの知人であった松原聡教授からお話をいただき、6年前から春学期に週1回講義をしている。
社長室長の時代には、急な出張で休講などで迷惑をかけたこともあったが、これからはそんなことも少なくしたいと思っている。講義はサンデル教授にまなんで、対話型。授業中に学生からの意見を聞いて進めてゆく。
ケインズによると思想は、20代前半に創られるという。1980年代前半は、サッチャー、レーガンに始まる市場主義勝利の時代の始まりであった。政経塾ではハイエク、フリードマンなどを研究し、来塾されたガルブレイス教授に「ケインズは死んだのではないですか」と意見をぶつけたりした。今から思うと汗顔のいたりである。
学生たちに一つの問いをした。
アメリカ、フロリダがハリケーンに襲われた。そのとき、ガソリンスタンドで、普段は2ドルの氷が一袋10ドルになった。この便乗値上げを君たちはどう思うか
1.災難時に便乗値上げをすること道徳的には許されない。政府は価格統制すべきだ
2.便乗値上げはよいシグナルである。人々は、氷が高く売れると思い、フロリダに運ぶ。それが見えざる手である。
結果は、2が7割以上であった。
経済学部の学生であるので、アダム・スミスやフリードマンを知っていたのであろう。私もちょっと前までそうであった。
政治家9年、ビジネス界8年を経て、私の思想は少しずつ変わってきている。リーマン・ショック、東日本大震災の経験から市場だけが公共善を実現するための手段だという思考を考え直しつつあるのだ。
今年の「政策デザイン」のテーマは「市場勝利主義の時代を超えて」である。学生諸君との議論が楽しみである。
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