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東洋大学で「政策デザイン」の講義を担当している。受講生は250名。非常勤講師の講座としては人気講義でないかと思っている。
ケインズ、シュンペーター、ドラッカーなどの経済学、経営学を基盤に、いかに日本経済を復活させるかという「政策デザイン」を講義している。だが、学生に人気があるのは脱線気味に話す孫正義社長とのエピソードや、ソフトバンクの経営戦略のようだ。
政治からソフトバンク社長室長に転じた2005年11月。ソフトバンクの売り上げは1.1兆円、営業利益は赤字であった。私の入社後、ソフトバンクは成長を開始した。
「私の入社とともに、ソフトバンクは急成長したんです」というのは私がよくいう冗談である。上のグラフは奇跡の成長を示したものである。
入社直後にボーダフォン買収。2006年、「10年以内にNTTドコモさんを抜きます」と孫社長が語った。ソフトバンクの幹部でさえ「また社長の大風呂式が始まった」としか思わなかった。しかし、私は「10年以内にNTTドコモさんを抜きます」という孫社長の「思い」を、補佐役である社長室長としてなんとか実現させたいと思った。
思わないことは実現しない。まずは「思う」こと。これが、政経塾で松下幸之助塾長から学んだことである。
「思い」を政治家出身として解釈しなおした。NTTドコモのような国営から出発した企業でなく純粋な民間企業が「ナンバー1」になる。これは日本経済を一段階発展させたことになる。
2013年度、ソフトバンクの売り上げは6.7兆円、営業利益は1兆円を超えた。10年以内でなく8年で「思い」を達成し、私は社長室長を卒業した。
MBA的思考で考えたら、10年以内でNTTドコモさんを抜くなどは笑い話であったろう。ケインズが言うように「将来を左右する人間の決意は・・厳密な数学的期待値に依存することはできず」アニマル・スピリット(血気)によるというのである。
「思い」とはこのアニマル・スピリットにほかならない。
孫正義社長のアニマル・スピリットに導かれた決断。学生たちはその「物語」にわくわくとし、その決断をスムーズに進行させるための私の動きを興味深く聞く。
そして、この講義を通して私が学生に訴えたい「思い」はシンプルである。
「青年よ、アニマル・スピリッツを抱け!」
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