島さとし(嶋聡)の「大風呂敷のススメ」

松下幸之助に学び、ソフトバンク社長室長3000日の後、多摩大学客員教授を務める元衆議院議員「島さとし」のブログです。

ブログ「みんなの政治学」

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 1月2日から4日まで、中国、上海に行ってきました。羽田空港から直通便が出ているし、円高なので妻によると「日本のホテルや温泉ですごすよりリーズナブルです。結婚した頃は、1元=35円だったけど、今は約12円。これを利用しなくちゃね」ということだそうです。

 相変わらず、上海は建設ラッシュ。私たちが宿泊したフォーシーズンホテルのすぐ前もビルが建設中だった。上海から杭州まで行った時のガイドさんが、電話で一生懸命話しているので何かと思ったら「お母さんが3件目のマンションを蘇州で買うと言っている。安くしてくれたからだとのことだが、私は反対しているのだけど」という具合で、不動産バブル、バブルと言いながらまだまだ活発のようです。

 アメリカの景気は二番底。ヨーロッパの信用不安はまだまだ続く。ドル、ユーロに対し、相対的に安全となった円は、ますます円高になる可能性が高いですから、日本経済も不安。世界経済の2分の1を占める中国とインドが頑張ってもらうしかないので、中国、上海の活力にホッとしました。

 ガイドさんがiPhoneを持っていましたので、「すごいね」と言ったら、「香港で買いました。ガイドをしていると、グーグルマップが便利なので。でも、中国のiPhoneはフェイスブックも、ツィッターも使えません。それに加えてユーチューブもです」と話しました。

「私のは使えるよ」と言ったら「使えないように、改造してあります。だから、外から持ち込んだのは使えます。中国でも、もう一度改造すれば使えます」とのことだった。ガイドさんのは香港で買ったそうなので、仕えるのかとは聞かなかった。

「それでは、スマートフォンのよさがわからないのでは」と言うと「中国国内だけのSNSはあります。今年は、中国共産党のトップが変わるので、より神経質のようです」とのことだった。

 こう書くと「中国共産党の一党独裁」を守るためにネット制限をしていると思われがちですが、ガイドさんもそんな不満そうではありません。

 現国家主席の胡錦濤は2013年にやめ、後継は習近平が2期10年務めるというのも共通の認識のようです。胡錦濤は70歳、習近平は60歳で、最高権力者は60歳で就任し、70歳で定年というもの暗黙の了解のようでした。

 もちろん、共産党以外は極小政党しかいない「共産党独裁」ですが、巨大な官僚機構がルールにのって動いており、将来までリーダーが見通せるという意味では、55年体制下の自民党政治に共通項があるような気がしました。

 「上海万博が終わると、中国は崩壊する」と言われましたが、どうもそんな兆しはありません。中国崩壊論が、崩壊したようです。

 中進国ではある程度の、開発独裁が効率的と言うのはどうも真実のようです。

 

 死者が数万人単位と村井宮城県知事が苦渋の発表をした。村井知事は政経塾の後輩で、昨年、県庁でお会いした。防衛大学の出身で、危機管理には強い知事だと思う。頑張ってほしいと思う。

 戦後60年、最大級の国難に直面した日本である。本日から計画停電が実施される。多くの職場でも、不眠不休で地震からの復旧に携わっておられると思う。こんなとき、社長、政治家などのトップリーダーはどう行動すべきか。議員時代、代表室で民主党危機管理監をしていた経験からいくつか振り返ってみたい。

○国民に安心感を与える表情、音声を 
「危機に際して指導者はいかにすべきか」は組織、国家にとって決定的に重要である。重大事件が発生した時、最高指導者が自ら責任を持ち、「陣頭に立って」不退転の決意でリーダーシップを発揮する。菅総理が、2度にわたって国民にメッセージを発したのはこの意味で良かったと思う。

 ただ、元危機管理監として、今後のために申し上げるなら、指導者が国民の前に立つときは、自分の表情や音声を統制し、事件の進展につれて一喜一憂することなく、感情の起伏が顔色や言葉のトーンに出ないように、一生懸命自制する必要があることを忘れてはならない。

 できるなら、補佐役の前で、一度リハーサルをすることも必要であろう。補佐役は、冷酷なレンズ、敏感なマイクが指導者の表情や声の微妙な変化、一挙手一投足にいたるまで、国民が見逃さないことを認識して準備にあたるべきである。

 これは、情報を曲げるということでなく、ともすれば感情の起伏が激しい菅総理を「平常心」に保ち、正しい情報と安心感を国民に与えるためである。

○トップの陣頭指揮は全軍の士気、鼓舞のために
 トップの陣頭指揮の目的は、全軍の士気を鼓舞して皆にやる気を起こさせることにある。

 現在、自衛隊が5万人投入され復旧に当たっている。これがいずれ10万人になるとのことだが、その活動に心から敬意を表したい。民主党の現政権は、「暴力装置発言」などともすれば、自衛隊との一体感が薄い可能性がある。

 極限状態の下で、指導者への信頼感を深めさせ、上下および前線と後方の連帯感を高めて組織の総力をフルに発揮させるには、陣頭指揮はもう少し目的を考え、意識的で理性的なものでなくてはならない。

 残念ながら、菅総理の原子力発電視察や、視察途中に居眠りした副大臣等、陣頭指揮が「ただ、現場にいきさえすればいい」という状況になっていることは否定できない。

○特別扱いは受けるな
 今後、閣僚をはじめ、政治家諸氏が現場視察をすることも多かろう。そのときのアドバイスは「絶対に特別扱いをうけるな」ということである。

 ペルシア大遠征の時、アレクサンダー大王は真夏の太陽の下、11日間に440マイルを踏破する教皇軍を展開した。

 全軍、焼けつくようなのどの渇きに耐えていた時、一人の兵がどこからか兜1杯の水を見つけてきてアレクサンダー大王に手渡した。
 
 思わず口をつけようとしたアレキサンダー大王は、周りの騎兵たちがうらやましそうにその水を見つけているのに気付いた。

 アレキサンダーは、水を大地にながし、「いざ進もう、我らは疲れもせねば、渇きもせぬぞ」と叫んだという。

 それを聞いた全将兵は、どっと感激の声をあげ、「かかる大王に率いられる我らは不死身だ。天下に敵はないぞ」と叫んだという。

 視察の時は、「絶対に特別扱いを受けるな」をアドバイスしておきたい。

 この土日は、風邪気味で熱が37度から8度あったので、来週に風邪をもちこまないように、家でゆっくりし、回復につとめた。

 議員時代は、土、日というとスケジュールがいっぱい。しかも、式典の挨拶などが多かったので、37-8度でやすむわけにはいかない。病気で休もうものなら、あっというまに、「重病説」が流れる。私がダイエットで18キロやせたが、議員のままだったらまちがいなく「ガン」と言われたに違いない。

 私は松下政経塾時代の26から7まで、西武鉄道の堤義明氏のところで研修をした。そのときに「休日がほしければ管理職をやめろ」と西武内で言われていたことを急に思い出した。責任ある管理職が、定期的な休日をとるなどということを考えるな。「病気になれば休める」とうのが西武鉄道グループの文化だった。

 たいへん厳しい言葉のようだが西武鉄道グループの主力事業はホテル、レジャー産業などの観光である。土、日、祭日が一番忙しい日で、しかもたくさんのお客様がこられるのだから何が起きるかわからない。事故でも起きた時に、責任者が休みですというのは通らないというものであった。

 ソフトバンクも、通信事業であるので365日、24時間体制であるのは当然であるが、今は時代も変わっている。労働法制もあるので、「休日がほしければ管理職をやめろ」とはとても言えないし言うべきでもない。疲れ切る前に休むことの方がかえって生産性をあげることもよく知られるようになった。

 ただ、休日で休んでいても、心だけは完全に休日にせず、何かが起きたらすぐに対応できるようにすることは重要である。

 ともあれ、この2日は「病気になれば休める」ということで、家でゆっくりした。明日から回復した体で、仕事に取り組みたいものだ。

 先週、兵庫県に出張した際、松下政経塾出身の議員地元事務所にも訪問した。松下政経塾というところは、体育会系で後輩は先輩を丁重にあつかってくれる。2軒とも、秘書さんが「先輩に失礼がないようにと言われています」と話され、こちらがかえって恐縮してしまった。

 その松下政経塾の後輩、前原外務大臣が外国人献金問題で揺れている。こういうと炎上するかもしれないが、毎年5万円づつの政治献金としては「浄財」に近く、しかも中学時代からの知り合いの焼肉屋さんが好意からでたもののようだ。いまのところは、けっして「巨悪」でも「外交謀略」でもないように思える。

 ただ、前原さんはニセメール事件に見るように、どうしても脇が甘いところがある。巷間言われるようにトップをめざすには、まだまだ課題があると思われる。

 前原さんにかぎらず、政経塾出身の政治家がトップをめざすなら、こころしてほしいことがある。

 トップをめざすなら、整備しなくてはいけない条件が3つある。

 その第一は、原理原則を教えてくれる「師」を持つこと。もし前原さんに、師がいたなら「進むときは人任せ。退く時は自分で決める」と言われただろう。

 第二は、時には直言をしてくれる側近をもつこと。
 第三は幕賓を持つことである。

 このところの総理がくるくる変わるのは、この三条件を満たしていないからではないかと思う。

 

三すくみから脱出するために民間の力を
○ビジョンー戦略論―戦術・施策

 政治改革はリーダシップを持った強い内閣に対して、強い国会が活発な審議で答えることをめざした。しかし、実態は弱い内閣が弱い国会に対峙している。さらに、力が低下した官僚との「三すくみ」で日本は漂流している。
 
 だが、日本を見渡すとその中でもがんばっている民間経営者、CEOがいる。このところ、日本が世界の中で競争力をいかにもつかは、世界に通用するCEOを何人もつかということに尽きるのではないかと思えてきた。

 内閣も国会も官僚も三すくみしているなら、強いCEOたちを新たなプレーヤーに入れ、総力戦で国家経営の観点から日本復興に取り組むしかないのではないかと思っている。

 企業戦略では経営ビジョン→戦略論(選択と集中)→戦術施策の順に立案する。国家戦略でも、国家ビジョン→戦略論(政策の優先順位付け)→戦術・施策というビジョン追求型にすべきだし、類似性がある。前回の「民主党Aに望むこと」では政治、民間合同の国家戦略委員会をつくるべきだと述べた。

 企業戦略の考え方を国家戦略構築に生かすべきだという意見は、多くの閣僚を含む政治家に提言してきた。程度の差こそあれ、「ビジョン」をつくるのは必要という理解をいただいた。もう少し政権が安定していれば、政治主導=ビジョン追求型の政治が定着したに違いない。

 民主党は揺れ動いているが、日本に民主主義を定着させるという政権交代の歴史的意義を実現するには、新体制を一刻も早く構築し、マニフェストの原点にもどることである。
 サイバー大学の客員教授として、政治力学をあまり考えずに具体的な方策を述べたい。

 民主党の混迷の中から、創造的破壊が起き、新たなリーダーが出たとする。

 そのリーダーは、自らが座長となり、主要閣僚と国際競争力のある民間人を集め、「国家戦略委員会」をつくる。法的措置がまにあわないだろうから内閣府設置法18条にある重要政策会議、「経済財政諮問会議」を緊急避難的に使う。 
  
 国家戦略室は内閣法19条にある内閣総理大臣補佐官5名をフルに利用する。外交などのアライアンス戦略、財政政策などの財務戦略、経済・通商戦略などの事業戦略などの閣僚委員会を設け、座長が総理、事務局長を首相補佐官にすればよい。
 
 株主総会運営に当たる国会運営は政務の官房副長官が担当する。株価にあたる支持率は、スピンドクター的な広報担当の首相補佐官をおく。政と民の力を結集することが今ほど、必要とされる時代はないのではないだろうか。

○政界とビジネス界の違い
 もちろん、ゴールドマンサックス会長からクリントン政権の財務長官になったロバート・ルービンも言うように企業経営におけるトップダウン方式のビジネスモデルを政府にも適用できるというつもりはない。

 衆議院議員9年、ソフトバンク社長室長を5年務めると、政界と民間の違い、長所、短所もよくわかってくる。

 政治制度はあまりに難解で、現代社会の複雑な問題に効率的に結論をくだせるようになっていない。ビジネスの世界の目標は利益をあげることと明確だし、意思決定の仕組みは政治と比べるときわめて単純である。

企業では権力は集中化されている。CEOと取締役会の関係は、監視機能を持つとはいえ、概して良好である。政治ではそうもいかないこともある。株主総会にあたる国会は長期間、開かれ続けている。
 
また、民間企業と違い、すべての意思決定はマスコミの目にさらされ、ユーモアのつもりのわずかな冗談が「失言」としてとりあげられる。自由奔放な発言をしていた経営者などは3日もたないと思われる。

よく民間人が政府に入るとボロボロになるといわれるのはこの文化の違いがわからないからである。

 それでも、日本復活のためには、「国家戦略委員会」で民間の知恵と力をとりいれ「政治主導」を復活させることが必要である。民間人に力を発揮してもらうためにも、国家戦略局(室)の補佐機能充実が必要である。

 民主党に望むのは、日本の総力をあげて日本復活に挑戦する体制をつくることである。
民主党政権の初閣議で決まった政権運営の基本方針の冒頭。

「先の総選挙は、民主党及び友党のみの勝利ではなく(略)従来型の政治・行政への機能不全への失望とそれに対する強い怒りが、高い投票率となって政権交代に結びついたものだと考えてきました。
 その意味で、総選挙の勝利者は国民一人ひとりであるはずです」
 このままでは、民主党を選択した国民一人ひとりが「敗者」になってしまう。官僚政治から脱し、もう一度、真の政治主導に挑戦してもらうことを期待する。


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