島さとし(嶋聡)の「大風呂敷のススメ」

松下幸之助に学び、ソフトバンク社長室長3000日の後、多摩大学客員教授を務める元衆議院議員「島さとし」のブログです。

政党の品格

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 民主党代表選挙の論争を見てても、「民主党をどう建て直し、どう政権をとるか」の道は見えてこない。

 愚者は自分の経験から学び、賢者は他人の経験から学ぶという。学ぶべきは1994年のイギリス労働党である。

 1994年、、総選挙で4連敗を喫していたイギリス労働党はスミス党首の急死により、新党首を選ばなくてはならなくなった。今の民主党に似た状況といえよう。
 ここで労働党が選んだのは41歳のブレアであった。注目すべきは、その後の労働党ベテラン議員の動きである。ブレア党首の足を引っ張るのでなく、真剣にブレアを支えたことである。
 そして、3年後の1997年、労働党は政権交代を果たす。

 私は民主党は若き代表をトップにし、それをベテラン議員が支えるという形がもっとも政権奪取の近道であると思う。民主党はイギリス労働党の経験に学ぶべきなのだ。

 だが、現状はそうなっていない。昔の経験から、民主党の代表選挙をあえて占って見る。

 議員数は全部で132。の動向をみると、細野氏、岡田氏が40程度を固め、長妻氏が30程度である。党員、サポーター票もはいる1回目の投票で過半数をとる候補はいないと考えられるので、決選投票になる。 岡田氏は野田元総理、玄葉元外務大臣、直島経済産業大臣らの民社系の多数が支持する。長妻氏は赤松前副議長、大畠前幹事長らのリベラル系が支持するが、基盤には官公労の労組がある。

 おそらく、決選投票になると岡田ー長妻連合が成立して岡田代表有利となるだろう。

 「決選投票は不利」ということは細野陣営もわかっているだろうから、党員、サポーター、地方議員票獲得に焦点を絞っている。1回目の投票で過半数を得ようというのだ。実際、私のfacebook の「友だち地方議員」は電話をもらった人も多いようで、圧倒的に細野氏支持が多い。

 だが、党員・サポーターも実際のところ、組合などの組織票が多い。だいたい、現在の民主党の党員、サポーターになってくれる一般人は少ないので益々組織票の比率は高くなっている。1回目で過半数という細野陣営のハードルは高い。岡田氏有利というのが常識的であろう。

  先日、ある新年互礼会で安倍総理にあった。挨拶では、「本日は枝野さんがインフルエンザでお休みなので、のびのびと話せます」と笑いをとっていた。久しぶりに挨拶したら「ソフトバンクでご活躍で・・」と余裕綽々であった。
 次の代表は、自信に満ちた安倍総理を相手にしなくてはならない。統一地方選、参議院選挙がある。すぐに民主党は巨大自民党に勝てないにしても、「将来に期待ができる」と思わせるブレアのような若い代表を今、選出しなければ後がない。

 党員、サポーターがイギリス労働党の経験に学んで行動して欲しいと願うものである。それが、民主党再生、政権奪取の道だと思うからだ。

  

 

 民主党代表選挙が行われている。衆議院選挙前の維新との合流問題について、岡田氏が「民主と維新の合併」を強く主張という細野氏の発言を暴露し、若い細野氏が「維新から関西と切り離す話があった」と言ってしまい、窮地に陥っているとされる。

 すでに10年近く前のことになるが、私は鳩山由紀夫、菅直人、岡田克也三代代表の知恵袋と言われていたことがある。民主党代表室で、三代の代表を補佐し続けたからだ。

 代表室から民主党がなぜバラバラなのかを考えた。それは、民主党が政治のプロが集まっているには悪い意味の平等で民主的すぎるからでないかと考えていた。議論がはじまると政治家の議論というより、理論に命をかける学者の論争になるのだ。
 現実に立脚しない「神学論争」は足の引っ張り合いとなりそれがはてしなく続く。根本には保守系、社民系、民社系の対立があり、「どうせあいつらとは思想が違う」という猜疑心があった。

 野党の代表は党をまとめるのが総理よりも難しい。野党は権力も予算も持たない。現実権力を持たないにもかかわらず、国会議員という権力意欲の強い人の集まりが野党である。
 政府を統治するという権力を全く持たぬ権力者は、小さな政党内権力に目をつけるしかない。自分が何かの権力を行使しようとすれば、仲間を傷つけて貶めるしかないのである。

 この体質は権力を持った与党に利用される。「反抗者は常に仲間に強い猜疑心を持っている。分裂させるにしくはない」(君主論、マキャベリ) 

 民主党時代、私は能力と自信に満ち満ちた代表と、代表に対する絶対の信頼によって貫かれた政党という理想型をつくりたいという志があった。それが、三代の代表を補佐し続けた理由である。
 
 体制への反抗者である野党政治家たちは、マキャベリが言うように猜疑心の塊のようなものだが、その心を起こさせないようにするのも民主党代表の役割だと考えていた。代表は西郷隆盛のように自分を「「空」としてすべてを受け入れなくてはならない。さらに、代表に話した密事を漏らしてはならない。そうでなければ、誰も代表に密事を相談しない。
 
 その意味で細野氏の「やや残念だ。政治家同士、クローズの場所で話したことをこういう場所で公開で質問すること自体、わたしは」という発言は正しい

 
 民主党代表選挙の論戦は後一週間ある。このプロセスが「能力と自信に満ち満ちた代表」を生むものであって欲しいとOBとして思うものである。

民主党代表選挙候補者の共同記者会見を見た。岡田氏、細野氏、長妻氏など議員時代から、さらにソフトバンクに入ってからも親しくさせていただいている人たちでどなたもすばらしいと思う。

しかし、共同記者会見の最初「代表になったら民主党をどう再建し、どんな民主党にしたいですか」の質問に皆が「徹底的に議論して、決まったら従う政党」と言っているのはいただけない。党内ガバナンスなど、国民にはどうでもいい。

野党には権力も予算もない。野党が提示できるのは、「何かやってくれそう」という期待しかないのだ。注文をつけたい。民主党代表はもっと「大風呂敷」な民主党像を語って欲しい。

私がソフトバンクに転じた直後の二千六年三月、ソフトバンクはボーダフォンを買収し、携帯電話事業に参入した。当時の携帯電話シェアはNTTドコモ55%、ボーダフォンは16%。ドコモは、トリプルスコア以上のはるかに高い存在であった。

 五月、孫社長は販売店代表者の会合で大風呂敷な目標を掲げた。
「十年以内にドコモさんを抜きます」
 
これをソフトバンクの幹部社員でさえ、「また、孫社長の大風呂敷が始まった」と思ったという。だがw私は違った。「本気で孫社長は天下取りを考えている」とワクワクしたことを覚えている。

 民主党の代表なら「次回、総選挙で奇跡の政権交代を果たし、世界の野党のモデルになるような政党にする」ぐらいの大風呂敷を語って欲しい。
 細野さんが、「明るい政党」にしたいと言ったが、それをもっと大風呂敷にしたほうが、皆、ワクワクするはずだ。

 目標を大風呂敷に設定するのは政治的にも賢明なやり方である。

「これは賢い射手がとるやり方である。目標があまりに遠距離であれば、目標よりずっと高いところに狙いをおく・・狙いを高く定めれば、自分の限界を超えた的に近づくことができる」(マキャヴェリ 『君主論』)

 まずは、大風呂敷な目標を設定する。そして、足し算でなく、引き算、逆算方式で目標に近づいていく。そのときには「ワープ」も必要となる。

 ソフトバンクのお客様数は順調に伸びていた。だが、ドコモを抜くには時間が足らないとして、米国第三位の携帯電話会社、スプリント買収という「ワープ」作戦を実行する。
 二千十二年七月、米国スプリント買収成功。お客様はアメリカ約六千万、日本三千九百万、合計約一億となった。NTTドコモの約六千万を抜いたのである。
 
 「抜いたといっても、スプリント買収という飛び道具じゃないか。そんなのでいいのか」との評に孫社長は答えた。「そんなのでいいんだ」

 背が低かったら、高くなる靴を履け。屋根に届かなかったらはしごをもってこい。あらゆる手段を使って大風呂敷な目標を達成するのが重要という。こんな、すさまじい執念を持ったリーダーを擁していたことが、ソフトバンク飛躍の原因だと思う。
 
 十年計画で政権交代などという悠長な目標設定では、日本の民主主義が持たない。野党第一党の民主党リーダーは「次の総選挙で政権交代」という大風呂敷な目標を掲げて欲しい。
 
 民主党の議席が衆議院73では・・・と思うかもしれない。

 ならば、「高い靴」や「はしご」を考えるべきだ。二千五年、郵政解散総選挙で113議席となった民主党は二千九年総選挙で政権交代を果たした。惨敗し119議席になった自民党は、二千十二年に政権復帰を果たしたのである。つまり、衆議院で野党勢力を百十台にするM&Aをしかけるというのが次の代表の「ワープ作戦」である。

 衆参同時選挙も・・と噂されている。とすると後一年半。維新との完全なM&A、合併には三人とも慎重だったのでイタリアが行った「オリーブの木」連合を参考にしてもいい。これは、経営で言えばアライアンスである。 M&Aもアライアンスも、瞬発力が必要でトップしかできないことである。

「人の上に立つ者が尊敬を得るには…大事業を行い、
前任者とは違う器であるということを、人々に示すことである」 『君主論』
党内ガバナンス確立のためにも、大事業=大風呂敷を語ることは有効である。

民主党代表候補よ、大風呂敷を語れ!

 

千九百七十四年、総選挙で敗れた保守党は、教育文部科学相の経験しかないマーガレット・サッチャーを七十五年二月の大会で、党首に選んだ。労働党に対して、二度続けて総選挙に敗れていた保守党は、「女性党首」という奇策に出た。いわば、「やけのやんぱち」で女性に頼ったのである。
 
一九九四年、労働党はサッチャー、メージャーと十数年にわたって保守党に敗北し続けていた。もはや、イギリスでは政権交代はなく、二大政党制ではないとさえ言われていた。そんなとき、党首ジョン・スミスが急死した。ここで、労働党は学生時代にはロック・バンドのボーカリストをしていたという四一歳のトニー・ブレアを党首にするという、これまた「奇策」に出た。おそらく、これも「やけのやんぱち」だったろう。
 
私が入社してすぐ、ソフトバンクは携帯電話事業に参入した。そのころは、NTTドコモさんのシェアが55%、KDDIさんが25%。買収したばかり、ソフトバンクモバイルのは3番手の16%だった。NTTさんははるかに見上げる存在だった。
 
当時、NTTさんのCMには一番人気のあるSMAP,KDDIさんは次に人気がある「嵐」が出演していた。芸能界には一業種一社にしかCMに出演しないというルールがあるらしい。どうしても、三番手のソフトバンクモバイルには三番手のタレントになってしまう。

 孫社長は二千六年、「十年以内にNTTさんを抜きます」という目標を掲げていた。それにはいつまでも三番手のイメージではいけない。しかし、既成概念のタレント起用だと、どうしても三番手のタレントしか来ない。
 
そこで「やけのやんぱち」で、「犬と外人」に頼ったのである。
 おかげさまで、お父さん犬こと白戸次郎は国民的アイドル(?)となり、ソフトバンク飛躍の原動力となったのはご存知の通りである。
 
さて、野党第一党の民主党である。海江田万里前代表の落選という危機にあたり、とるべき方策は「やけのやんぱち」の代表選出しかない。
 
党員、サポーター23万人が投票し、一月十八日に決定との事だが、この仕組みは「やけのやんぱち」の選択がしにくい方式である。党勢低迷の民主党である。党員、サポーターは実は、組合員などの組織加入が多い。結局、無難な候補のほうが優勢になるのだ。
 「やけのやんぱち」の決断ができるかどうか。民主党の決断を見守りたい。

 鳩山会館で開催された世界友愛フォーラムの勉強会で、村松剛琉球新報社編集局次長の「沖縄からの真実」というお話を聞いた。
 印象的だったのは次の知事選挙は「沖縄た受け入れてきた補償型安全保障政策の総決算」という指摘だった。

 米軍嘉手納基地からの早朝3時から飛び立つ訓練機の騒音の話。オスプレイ配備で、ハワイではカメハメハ大王の遺跡から1.6キロの地でも訓練を原則撤回したのに、沖縄普天間では住民民家が160メートルしか離れていないに配備強行された。明らかにダブルスタンダードだという話。
 同じ第二次大戦の敗戦国でもイタリアやドイツはアメリカ政府に対し、毅然と主張するのに日本はいいなりだという話。どれもうなずくことが多かった。

 沖縄の保守政界、経済界は基本的に沖縄は「基地がないと食えない」として「補償型安全保障政策」を受け入れてきたといえる。現在の仲居真知事は「お上にさからって何になる」と話しているのだそうだ。

 守屋元防衛事務次官は「沖縄は基地に反対し、抗議のこぶしを上げているふりをして、手のひらを上に
向けて金を要求している」と述べている。「お上」からお金をたくさん持ってくるのがいい知事なのだろう。

 この状況は、どこか原発の地元が補助金を得てお上に従う姿に似ているなと思った。保守政界、経済界は「原発がないと食えない」として、アメをもらい、それを住民にばらまく。住民は危険であることをしっているのだが、生活が重要と沈黙をしてしまっていた。ようは「補償型原子力政策」なのである。

 九月二十日、辺古野移転強行反対の集会に集まった5500人の沖縄の人々は「尊厳と誇りをかけ」「沖縄のアイデンティティー発揮を」と次々と訴えたという。

 十一月十六日の沖縄県知事選が問うのは、仲井真知事の「埋め立て承認」イエスかノーかを超えて、「天とムチ」、補償型安全保障政策を沖縄県民がどう総決算するかに注目したい。これは、原発の地元にも大きな影響を与えるに違いない。


 

 

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