島さとし(嶋聡)の「大風呂敷のススメ」

松下幸之助に学び、ソフトバンク社長室長3000日の後、多摩大学客員教授を務める元衆議院議員「島さとし」のブログです。

政治家の品格

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 政治家たちが公職選挙法の裏をかいて活動をする醜い姿が次々と明らかになっている。

 代表的な例として小渕議員を見る。観劇会の収支が大幅に食い違っていることに端を発し、小渕優子議員の地元でジャガイモ、顔写真入のワイン、カレンダーと次々と有権者に様々な物品が送られていた可能性が出てきた。

 おそらく官邸はここまで把握しており、早い時期の幕引きを図ったのだろう。国会で、次々と追及されていたら小渕議員をかばうような発言をしていたコメンテーターたちも手のひらを返すことが考えられるからだ。

 公職選挙法は公職たる国会議員、地方議員らを選出するルールを決めている。政治資金の出入を公開する政治資金規正法ともに「政治家の基本法」である。小渕優子議員の問題はこの基本法の「裏をかく」ことをよしとする政治文化を暗黙のうちに認めていたことにある。将来の首相候補ととまでいわれた政治家のなすべきことではない。

 公職選挙法は政治家や候補者が選挙区の人に寄付することを禁じている。お金や物など「財産上の利益」を代金や会費を受け取らずに贈れば「寄付」とみなされる。
 
 「財産上の利益」とな何か。花輪や香典、お歳暮、運動会・盆踊りなどの差し入れなどと条文や総務省のホームページでは示している。ちなみに総務省の見解を集めた「選挙関係実例判例集」では名入りの「うちわ」や「カレンダー」を選挙区内で贈ることはできないとしている。(1975年)

 松島議員のうちわは完全にアウトである。金額の多寡は関係ない。

 保守系候補者を中心に名入りカレンダーも野放し状態である。小渕氏だけでなく、秋田県の自民党衆議院議員三人もカレンダーを配っているが「会費制の会合で配布したもので問題ない」としている。これには裏がある。1万部刷ったら、1000部は会合で配布して法を繰りぬけ、残りの9000部はタダで配るのだ。

 小渕氏のジャガイモはどうか。これも法を抜け、裏をかく道はある。「献金者に献金額の範囲を超えない形でジャガイモを贈っている」といえば直ちに違法とされない。これも大量に仕入れ、一部を献金者にして残ったものを配布する。「腐らせるのももったいないから」との言い訳もできる。ワインも同じと思われる。ただ、こちらは「選挙区外の人に配布して、残ったものを・・」と弁明するであろう。

 わが師である松下幸之助は「政治家は尊敬されるべきである」と常々言っていた。これは政治家は尊敬されるべく厳しく自己自身を律すべきということを塾生に教えていたと思う。政治家が自己自身を正すことが根本で、それによって人心風俗が正されるというのである。

 うちわ、観劇会、カレンダー、ジャガイモ、ワイン。松島議員、小渕議員の今回の行為は政治家の基本法である「公職選挙法」の裏をかこうとした行為である。これでは国民が法律の裏をかいて恥じなくなってしまう。尊敬できない今の政治家たちの最大の問題は、ここにある。

 







 

小渕優子経済産業大臣が明治座で2010年、11年と1000人規模以上の観劇ツァーをした。収入はそれぞれ372万円と369万円の合計742万円。支払ったのは3284万円で2600万円近くが補填されている。

選挙区の有権者に安価で観劇をさせたならば、利益供与となり公職選挙法199条違反の可能性が高い。さらに、選挙が近く集票目的であったなら、あきらかに買収となる。2012年の観劇が記載されていなかったのはそれを慮ってのことではないだろうか。

小渕大臣には、道義的責任、監督責任、政治的責任が発生する。「知らない」ですまされるわけがない。

保守政治家の主催するイベントは、似たようなものである。私が議員時代、保守政治家が数十台のバスを仕立て旅行に行っていた。私の事務所もバス旅行を企画したがなかなか参加者が集まらない。車社会で、会社などでもバス旅行は不人気なのになぜバス数十台も人が集まるのか不思議だった。

保守政治家のバス旅行の内容を聞いて驚いた。バスではビールも酒も飲み放題。残った缶ビールはお土産として配られる。現地についたら宴会の料理は豪華。さらに、お土産つきであった。「会費よりずっとお得」というのが参加者を集める秘書たちの「セールストーク」であったそうだ。

小渕優子経済産業大臣が地盤とする群馬県はかつて福田赳夫元、中曽根康弘、小渕恵三と総理になる三人が争った選挙区だった。その選挙戦のはげしさから「上州戦争」と呼ばれた。

当時のこととて、事務所で食事を出すのも野放し状態。それぞれの供応を「福田料亭」「中曽根レストラン」、「小渕飯場」と呼んだ。明治生まれの福田氏は懐石料理を、大正生まれの中曽根氏はしゃれた西洋料理を出して支持者の拡大をはかった。小渕氏はお金がなく、おにぎりくらいしか出せなかったので「飯場」と呼ばれたのだ。

福田料亭、中曽根レストランの時代を今、我々は「そんな時代もあったのか」とあきれてみている。だが、形を変えた供応は今もある。「観劇ツァー」に似た政治家主催の「バス旅行」をはじめ、有権者への「利益供与」イベントを開いているのは小渕大臣だけではない。

  政治は「信なくば立たず」である。小渕大臣だけにとどまらず、他に同種の行為がないか政権運営にあたる与党自らが徹底して調べるべきである。そして、「そんな時代もあったのか」とあきれて見られるような政治にすべきであろう。
 

 参議院予算委員会で安倍総理と福山元官房副長官の討論があった。安倍総理は「原発は100%安全でない」と言ってしまった。

 討論は、消費税増税のタイミング、アベノミクスの話からスタートした。安倍総理は民主党政権時代、円高になすすべもなく、暗い雰囲気だったと厳しい口調で言った。

 福山さんもなかなか質問巧者である。テレビカメラの前で、安倍総理を諭すように「すでに総理になられて一年十ヶ月、民主党の三年三ヶ月を口汚くののしるのはやめたほうがいいです。格好悪い。総理なんですから」と言った。もちろん、安倍総理が「カチン」とくるのを計算しての発言である。

 次が、原発再稼動における安全性の問題である。参考人として民主党が呼んでいない、田中原子力規制委員会委員長が予算委員長の要請で来ていた。ここでも、質問巧者で、「最初は田中委員長は呼んでいない」と拒否しながら、発言を認められてしまうと、田中委員長と安倍総理の発言の矛盾をついてきた。

 安倍総理は「世界最高水準の安全新基準により規制委員会が安全と認めたのだから、安全。したがって、その判断に従って再稼動する」というロジックである。
 ところが、田中委員長は「技術的に新基準に適合しているかどうかを判断しただけで、再稼動して安全かどうかは判断していない」という。

 この「ズレ」を福山議員はしつこく追及した。安倍総理もイラついてきて「ヤジ」にも反応してきた。

 そして、とうとう「(原発は)100%安全と言ったことはない」と言ってしまった。

 原発再稼動をするというのが、安倍内閣の基本方針である。それ以外に選択肢はないと考えているのであろう。問題は、かつての安全神話は否定され、危険性がある以上だれの責任で再稼動したかが明確にしなくてはならないということである。

 政治家は決断し、責任をとるためにいる。安倍総理が、自らの責任で原発再稼動を決断し、何か起きた場合は歴史の法廷で裁かれることを覚悟してゴーサインをだすならそれはそれで評価する。

 そうでは、なくて「原子力規制委員会が安全といったから・・」などと責任を曖昧にされたのでは委員もたまらないだろう。田中委員長は福山議員の質問に「再稼動の判断はしていない」と答えている。

 責任があいまいなままで、原発再稼動に走る安倍政権。このままでいいのでしょうか?



 

 衆議院予算委員会、維新の党の松野頼久議員が質問に立った。民主党議員からも拍手が出た。こんなことなら、最初から分裂しなければ衆議院であれほど大敗しなかっただろうに・・と思ったものだ。

 「消費税の引き上げはいつになるかが、近々の最大課題。総理は十二月に判断されるとの事ですが、この臨時国会会期は11月30日まで。しっかりと国会で審議した上で、判断して欲しい」

 松野議員の主張は正論である。四月に消費税が上がったことで、4月ー6月のGDPはマイナス7.1%下がった。東日本大震災のときがマイナス6・1%である。消費税をあげるかどうかは、国会の場で十分に審議すべきである。

 安倍総理は「数字が出で来ないと判断できない」とあっさりかわしていた。

 「消費税を上げる前に身を切る改革をしなくてはならない。衆議院の定数削減はどうなったのか」と松野議員。

 安倍総理は、「定数削減は行政でなく、国会できめてもらうのが三権分立」という趣旨の主張をしようとした。その説明の中で安倍総理の本音が出た。

「行政は国会が小さくなれば、小さいほど都合がいいんです」

「今、総理はたいへんな答弁をされましたよ」と松野議員。あきらかに国会軽視。国権の最高機関という憲法41条を無視している。私が予算委員会理事なら、完全に飛び出して委員長席に行っただろう。

 安倍総理、焦ったせいかさらに言った。

「行政の立場からすればチェックされないほうがいいわけですから、国会は小さいほうがいいんです」

 総理がこの考えである以上、行政である官僚が国会を軽視するようになるのは当然である。

 このままでいいのでしょうか?

 馬渕澄夫議員の「次世代を創る会」に参加した。真淵議員は私が財務金融委員会筆頭理事をとして「戦う財金」を率いていた頃、国会にデビューされた。「栴檀は二葉より香し」というが、そのころから将来を期待されていた。

 以下、真淵氏の発言を記す。
「安倍内閣は本当に経済最優先なのだろうか」
「滋賀県知事選敗北のショックが『地方』と『女性』重視に官邸の舵をきらせた」
「消費税アップは臨時国会終了後の十二月に決定されるだろう。見送りのためには『凍結法案』が必要であり、それはできない」
「マミープロブレムに取り組みたい。私も6人子供がいる。『三年育休より三年時短』『小一の壁、小四の壁』にも取り組みたい」などなど

 うなずくことが多かった。

 ただ、選挙対策委員長でもある真淵議員が「次回総選挙の目標は三桁、百を超すこと。54議席から一挙に過半数の238を目指すことはできない」との発言には疑問があった。
 民主党への逆風が続く中苦労されておられるのだろう。定数削減で295となる小選挙区のうち133選挙区に候補者を立て、プラス20はするので150は確定とのことだった。

 次回選挙では政権交代はない。政権交代への本当の目標は2018年ころにある次々回の総選挙。五年計画と言われるとなんとなく現実的ではある。

 だが、政権交代ある二大政党政治を理想としてきたものとしては、「次回総選挙で政権交代はない」といいわれてしまうとがっくりしてしまう。

 475となる過半数の238を目指すために、届かなければ「はしご」を使う。新兵器の「飛び道具」を考える。執念をもって考えていけば経営の経験もある真淵議員ならいい戦略を考え付く筈である。

 ただ、真淵議員が与党を油断させるために「次回の政権交代はない」といわれている可能性もある。もしそうだとすると、「将来、おそるべし」である。

 


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