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調査会法情報180721(ビキニ被曝訴訟)

調査会法情報180721(ビキニ被曝訴訟)
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《ビキニ被曝訴訟》
■高知地裁、ビキニ被曝の元船員らの賠償認めず (7月20日)日経新聞
■ビキニ被曝訴訟、元船員が被ばくした事実は認定 (7月20日)毎日新聞
■被曝訴訟、内部被曝の扱いが焦点に (7月20日)朝日新聞
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《ビキニ被曝訴訟》


■高知地裁、ビキニ被曝の元船員らの賠償認めず (7月20日)日経新聞
ビキニ被曝、賠償認めず 元船員ら45人敗訴、高知 
2018/7/20 18:52 日経新聞

 米国による1954年の太平洋・ビキニ環礁での水爆実験を巡り、第五福竜丸(静岡県焼津市)以外の漁船が被曝(ひばく)した事実や調査結果を国が隠し続けたとして、周辺で操業していた高知県の元漁船員と遺族ら計45人が総額約6500万円の賠償を求めた訴訟で、高知地裁は20日、請求を退ける判決を言い渡した。

 原告側によると、ビキニ水爆実験を巡る国賠訴訟の判決は初めて。原告側代理人の梶原守光弁護士は判決後に記者会見し「船員を放置した責任を認めておらず、承服できない」と控訴する方針を明らかにした。

 判決理由で西村修裁判長は、実験による原告らの被曝を認定。その上で、健康調査や資料開示に関する所管官庁が外務省や厚生労働省など複数で対応もそれぞれ異なり、情報公開の法整備も進んだことなどから「国が継続的に支援や健康調査を放置したとはいえない」と判断した。損害賠償の請求権が消滅する20年の除斥期間も経過しているとし、国の賠償責任を否定した。

 被曝と健康被害の因果関係を立証する難しさにも言及。「国賠請求による司法的救済は困難で、立法や行政での検討を期待する」と国による救済措置の必要性を指摘した。

 判決などによると、国は55年、米側から200万ドル(当時7億2千万円)の見舞金を受け取り、米国の法的責任を不問にし政治決着。2014年まで第五福竜丸以外の船の資料を開示しなかった。

 原告側は、国の調査や支援の放置により、元船員の多くが被曝との関連が疑われるがんや白血病で苦しみ、治療の機会を失うなど精神的苦痛を受けたと主張していた。〔共同〕


■ビキニ被曝訴訟、元船員が被ばくした事実は認定 (7月20日)毎日新聞
ビキニ訴訟 国賠請求棄却 被ばく隠匿、否定 高知地裁判決
毎日新聞2018年7月21日 東京朝刊

 1954年に米国が太平洋・ビキニ環礁付近で実施した水爆実験を巡り、周辺で操業していた元船員や遺族ら45人が慰謝料など計約6500万円を求めた国家賠償請求訴訟で、高知地裁は20日、請求を棄却した。元船員らは「国が被ばくの事実を隠した」と主張していたが、西村修裁判長は、元船員が賠償を請求できる期間は既に過ぎており、隠匿もなかったと判断した。元船員側は控訴する方針。

 判決などによると、静岡県のマグロ漁船「第五福竜丸」の被ばくについて、米国が法的な責任を問われない「見舞金」200万ドル(当時で約7億2000万円)を日本政府に支払うことで日米両政府が合意し、政治決着した。周辺にいた他の船に関する資料について日本政府は86年に国会で「ない」と答弁したものの、2014年になって延べ556隻の検査結果を開示。うち延べ12隻に一定量以上の被ばくがあったとする一方、「健康被害が生じるレベルを下回っている」と結論付けた。

 西村裁判長は判決で、元船員が被ばくした事実を認定したが、「被ばくの事実が隠された」とする元船員側の主張については、民法で賠償請求権が消滅すると規定された「除斥期間」(20年)が経過していると判断。検査結果の開示遅れに関しても、情報公開法の成立が99年だったことに触れ、「(各省庁が)ずさんな管理をしていた可能性も否定できず、意図的に隠匿されたとは断言できない」とした。【松原由佳】


■被曝訴訟、内部被曝の扱いが焦点に (7月20日)朝日新聞
ビキニ水爆実験、元船員らの請求棄却 国賠訴訟判決
2018年7月20日21時41分 朝日新聞

 1954年に米国が太平洋マーシャル諸島ビキニ環礁で実施した水爆実験をめぐり、周辺海域で操業していた高知県の漁船の元船員や遺族ら45人が国に総額約6500万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が20日、高知地裁であった。西村修裁判長は、国が被曝(ひばく)の関係資料を隠したとは認められず、国に追跡調査をする法的な義務もないなどと判断。元船員らの請求を棄却した。

 原告は、米国の核戦略に影響を与えないよう船員の被曝を隠蔽(いんぺい)し、故意に追跡調査や支援をせず、関係資料も隠したと主張。健康被害の実態を知る機会を奪われたなどとして、元船員や遺族ら1人あたり慰謝料200万〜20万円を求めた。国は「被曝を追跡調査する法的義務はなく、故意に関係資料を隠した事実もない」と反論していた。

 米国は54年3〜5月、ビキニ環礁で6回の水爆実験を実施。3月の実験で静岡県のマグロ漁船「第五福竜丸」が被曝し、無線長が半年後に死亡した。国や自治体は周辺海域から帰港した船の被曝状況の調査をしたが、同年12月に中止。米国が翌55年に200万ドルの「見舞金」を支払うことで政治決着していた。

 国は86年の国会で、被曝した漁船や船員の資料について「ない」と答弁。だが2014年、市民団体の情報公開請求を受け、延べ556隻の船員らの被曝線量に関する資料を開示した。


内部被曝の扱い、今後の焦点に

 訴訟を起こした高知の元船員らが問う問題の本質は、核実験をした米政府が日本人船員やマーシャル諸島民らの被曝(ひばく)の実態を隠し続け、「核の平和利用」を進める日本政府も政治決着を優先して、核被害がなかったことにし続けている点にある。国際社会に「核の非人道性」を訴えてきた日本政府が、そうした「被曝隠し」によって生まれた米国の「核の傘」への依存を強めていることの是非も問われよう。

 さかのぼれば、広島・長崎に使用された原爆は、当時の国際法でも禁じられていた毒ガス以上に残虐な非人道兵器にあたり、その使用は戦争犯罪に問われる可能性があった。だが、米政府は即座に残留放射能の影響を否定し、原爆報道を禁じる「プレスコード」によって、区域や世代を越えた核被害の実相が国際社会に伝わらないようにした。

 戦後、日本政府も米政府の主張に追随し、原爆症認定は広島・長崎の爆心から約2キロ以内で直接被爆した人に限り、入市被爆者や救護被爆者、胎内被爆者らを切り捨ててきた。近年、全国で起こされた原爆症不認定取り消し集団訴訟で政府側は相次ぎ敗訴し、認定基準の改定を迫られている。

 今後の焦点は、第五福竜丸や高知の元船員らが主張するように、放射線による「内部(体内)被曝」の影響が認められるかどうかだ。福島原発事故避難者らが全国各地で起こしている訴訟では、内部被曝の扱いが焦点になりつつある。米国でも、福島沖で救援活動「トモダチ作戦」にあたって被曝し、健康被害を受けたとする米兵らが係争中だ。

 広島、長崎、ビキニ、福島。核兵器や原発事故による被害者の訴えに、日米両政府がどう向き合うのかが、改めて問われている。(核と人類取材センター・田井中雅人)

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