スペンサーの前にスペンサー無く、スペンサーの後にスペンサー無し…
まあ、これは勝手にニャン太郎が言ってる事ですが(笑
1983年、弱冠21歳の若さで”キング”ことケニー・ロバーツを蹴落として王座を奪い、
1985年には500と250の2クラスでチャンピオンとなった、
"ファスト・フレディ"ことフレディ・スペンサー。
最高クラスの最年少チャンピオン記録は破られていないし、
同一シーズンの2クラス制覇も彼が最後となっている。
エゲツないまでの速さと、昨日ハイスクールを卒業したばかりみたいなベビー・フェイスのコントラスト。
手の故障などにより、その後はあまり活躍できなかったが、
とにかくその強烈な印象は未だに頭から離れない。
全盛期の走りをこの目で見てみたかった。
教習11日目、卒業検定
いよいよ今日は卒業検定。
天気予報はあまり良く無い。
朝起きて空模様を見ると、小雨が降っている。
検定は午後からだけど、あまり他の事も手に着かず、
検定コースを何度も頭の中でシミュレーションする。
シミュレーションしてるだけなのに、なんだか早くも緊張してきてしまった。
これじゃあ、本番が思いやられる。
こういう時の時間が経つのはとても早い。
あっと言う間に昼近くになってしまった。
ふと外を見ると、なんと雪が降ってるじゃないか!!
雨天は決行と言われてたけれど、雪の場合はどうなるんだ!?
まあ、グズグズしてても仕方が無い。
とりあえず行くだけ行ってみよう、と教習所に向けて出発。
教習所の駐車場に車を停めようと思ったその時気がついた。
『やべ、カッパ忘れたあ!!』
もう、オレは肝心な時にこういうことやるんだよなあ…
余裕を持って家を出たのと、教習所が家に近かったおかげで、
なんとかカッパを持って戻ってくることが出来た。
時間になると検定の係官によるレクチャーを受ける。
外は雪ともみぞれともつかない空模様だったので、
急制動の練習を1回やらせてくれないか聞いてみたが、
規定により受け付けられないとの事だった。
40キロ制動になってからは1度もウエット路面での急制動をしていないので不安だ。
もっともウエット時は制動距離がドライ時の11メートルから14メートルに延びるので、
逆にウエットの方が楽だとも聞いてはいたのだけれど、
やっぱり実際にやったことが無いと言うのは不安なものだ。
係官からこの日のコースと乗車順が伝えられる。
この日の二輪検定は大型が僕を含む2名、普通が2名の4名。
因みに大型は男性2名、普通は女性2名とキレイに分かれた。
乗車順は大型の男性が1番、僕が2番その後普通の女性という順番。
1番だったらちょっと嫌だなと思っていたけれど、ほんの少しホッとする。
準備が整い、いよいよ検定スタート。
乗車順が次の人は検定係官と一緒に車に乗ってコースを回る。
従って僕は1番の人が検定の間、車に乗ってそれを見ることが出来るわけだ。
うーむ、これは1番と2番じゃあ大分緊張度が違うよなあ…
そんな事を考えている内に1番の人の検定が始まった。
2段階の見極めを貰っているのだから当たり前かも知れないけれど、
流石に難無くコースを消化していく。
コースは最後にスラローム、波状路、急制動、一本橋と課題が続く。
スラローム、波状路とクリアした1番手が急制動に入って行く。
スピードは充分だなあ…と思った次の瞬間、
「ガッシャーン!!」
「あちゃー!!」
同乗する係官のうめき声が洩れる。
すぐさま車を停めて、係官は彼のもとへ。
プロテクター装備とは言え、40キロ以上でクラッシュしたのだから怪我が心配されたが、
どうやら無時のようだ。
残念ながら彼の検定はこれで中止。
急制動さえクリア出来ていれば、後は1本橋だけだったのに、さぞ無念だろう。
マシンは別の教官がスタート地点に戻し、車に1番手の彼が乗ってきた。
「オレ、急制動でコケたの初めてだよ。滑るから気をつけてね。」
と彼。
僕も一応口では「大丈夫ですか?」とかなんとか言ってるんだけれど、心ここにあらず。
2番手になったことで緊張も少しはほぐれていたのだけれど、
目の前でクラッシュを目撃してしまったことで、
僕の緊張メーターは一気にレッドゾーンへ振り切れてしまった。
こんなことなら却って1番手の方が良かったかも…
思わぬ1番手のクラッシュで検定は一時中断。
検定係官が検定車に乗り、急制動を試みる。
空は相変わらずみぞれ模様が続いており、
路面の安全性を確認するという事なのだろう。
因みに係官は女性で僕よりも小柄な方だったが、
さすが指導員、颯爽とテストランに繰り出していく様子は中々カッコ良かった。
どうやら路面に問題は無さそうということで検定は続行。
いよいよ僕の番だ。
乗車前、次の乗車順の女の子が
「頑張って下さいね。」と声をかけてくれる。
ありがたや、ありがたや。
この日の僕の作戦は、とにかく苦手のスラロームと1本橋で致命的なミスをしないこと。
つまり脱輪とパイロン接触だけはやらない様に集中することにした。
経験上、慎重に行ってもスラロームは7秒以内に対し8秒台、
1本橋は10秒以上に対し8秒台は出せる筈。
両方合わせても減点は20点。
他がノーミスなら充分合格できる筈という寸法。
しかし1番手のクラッシュで急制動が心配になってきた…
あれやこれや色んな考えが錯綜する中、検定スタート。
コースはシミュレーションでばっちり叩きこんだので心配ない。
慎重にコースを消化して行く。
1か所、右折の時に合図忘れ。
出し忘れが嫌で念を入れて2回操作したつもりだったのだが、
どうやら2回目にキャンセルしてしまったらしい。
『大丈夫、大丈夫、まだワンミス、行ける行ける』
そんなことを自分に言い聞かせながら先へ進む。
いよいよコースはスラロームから始まるクライマックス。
うわあ!!我ながらなんてヘロヘロなスラローム…
8秒台も出て無いかも…
しかし、なんとかパイロン接触は回避。
波状路も無難にこなし、次はいよいよ急制動。
『ビビって速度不足は避けよう、あとはジワっとなジワっと』
自分に言い聞かす。
進路の確認後、加速。
20…30…40もうちょい…ヨシ!アクセルオフ!
ジワーッとジワーッと…
ふう、なんとかロックしないで止まれた!!
さあ、後は最後の難関1本橋。
『遠くを見てニーグリップ、肩の力抜いて』
呪文のように心の中で唱えながらなんとか通過する。
チラッとタイマーに目をやると、
なんと『7.1秒』の表示!!
想定タイムに1秒足りない…
かなりショックだったが、ここで気落ちしている訳にはいかない。
なんとか気持ちを奮い立たせてゴールイン。
ウインカーの出し忘れと、1本橋のタイム不足が計算外だったなあ。
もし僕の気付かなかったミスがあれば不合格かも…
検定は続いて普通の女の子へバトンタッチ。
さっき声をかけてくれた女の子だ。
なかなか無難に乗っている。
急制動は見てるこっちがハラハラしてしまったが、
結構余裕でこなしていた。
彼女の検定が終わったので、待ち時間の間少し雑談。
ずいぶん若いのでてっきり独身かと思いきや、
もう結婚して子供もいるんだとか。
(ナンパしないで良かった!)
急制動ばっちりだったね、と言うと、
「昨日雨の中で教習やって何回かコケたらウマくなっちゃった」とノタマワレタ。
母は強し。
始まるまではアッと言う間だったけれど、
合格発表までの時間の長いこと、長いこと。
終了後小一時間の後、やっと発表のアナウンス。
注目の掲示板に僕の受検番号15番は…
あった〜!!
ヒヤヒヤもんではありましたが、
これにてニャン太郎、何とか無時卒業です。
明日、早速免許センターにて交付を受けてこようと思います!