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横浜で拾われた子猫黒チビ関連(3)「ナンナン」とうまく共存させられるか
黒チビの受け入れに難癖を付けている二代目の「ナンナン」とはまだケージを介してしか遇わせていない。一匹しか飼っていない時には、そのネコは縄張り内では女王の如くに君臨している。だから、新しいメンバーを加える時は先輩ネコと、上手に共存させるのは難しい。
私はこの件に関してにがく苦しい経験がある。だから今回は慎重に慎重に事を進めるつもりである。
私は小学5-6年頃から食事や団欒の時間は両親や祖父母の住む母家で過ごしたが、勉強の時間、遊びの時間等には祖父が一時診療所として用いていた離れで過ごしていた。その内にいつぞや離れにそのまま寝泊まりもするようになった。側にはいつも飼いネコの「**」が寄り添ってくれていた。だから、そんな生活に耐えられていたとも言えるだろう。
私が高校2年の頃のこと。我が家の隣は小学校であったが、校舎の脇には岩手県立農業高校乙部分校が併設されていた。次ぎに赴任してくる教師一家が住む様な適当な家が見つからないとのことで、急遽私とネコの離れを提供することになった。これを機会に私共は母屋に引っ越した。新に入居した教師一家は夫婦と娘、それにネコが一匹であった。このネコは3歳ほどの若者で力強い体格、精悍な表情をしていた。
入居数日後、教師一家より苦情というか状況報告というか、があった。戸を少しでも開けていると連日我が家のネコが飛び込んでいき、連れてきたネコを追いかけ回して困惑しているという。我が家のネコは当時11歳ほどの老猫で足腰も弱り始め、私の勉強机に飛び上がるのすら困難になり始め、私がネコ用の梯子を作ってやったような状況であり、その話をにわかに信じられなかった。立場が逆でないのかと思ったほどである。
ある日、そのバトルを直接見た。そこでは信じられない光景があった。我が家のネコは私の前では見せたことのない険しい表情で若いネコを追いかけ回す。先方のネコは恐怖の表情で、おののき、叫び、ひたすら逃げ回るだけ。家具に飛び乗るのは勿論、カーテンや障子を駆け上がり、時には襖を駆け上る。持久戦になると、体力勝負では我が家のネコの負けであり、10分後くらいには諦めて老猫は去るのだという。その日もその状態で戦いは終わった。我が家のネコはおとなしい性格だから何れは静まるだろうと思っていたが、この考えは甘かった。
そんな闘いの日々の中でも、我が家のネコはいつもと変わらない静かで優しい表情であった。数日後、先方からまた報告があった。我が家のネコが先方のネコが右目をくり抜いた、と言うもの。信じられない!! 直ぐに駆けつけたが、畳の上にネコの目が一つ落ちており、抱かれてぐったりしていた先方のネコの顔面は血だらけであり右眼窩部分には血液が厚くこびり付いていた。その時の光景、それまでのバトルの光景は思い出すのも辛い。
先方のネコの傷は無事癒えた。2匹のネコはその後は一切抗うことなく、一定の距離を保って同じ敷地内で2年ほど共存した。我が家のネコはもはや相手に2度と興味を示すこともなかった。2匹間で決着が付いたためだろう。我が家のネコにしてみれば長く住み慣れた自分の家が奪われたとの感覚で耐え難かったのであろう。もしかすれば初対面の時にネコ同志の挨拶がうまく出来なかったからかもしれない。
黒チビをめぐって、私の脳裏にはこの時の様子がリアルに思い出されてならない。心配の種はこの一点だけ、である。
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