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教育の力

「一人の子ども,一人の教師,一冊の本,一本のペンでも世界を変えられる。」
今年,ノーベル平和賞を受賞した17歳の少女,マララ・ユスフザイさんが国連で行ったスピーチ,
その最後の一文は,多くの人々に感銘を与えた。
とりわけ,困難な環境で学んでいる子どもたち,教育現場で頑張っている先生方,
そして私たちのように教育に関わる仕事に携わっている人々には,大きな励ましになった思う。
場合によっては義務と手段になってしまうこともある学ぶということが,
権利と希望であるということを改めて確認できたように思う。

ところ変わって,香港。
行政長官選挙制度反対に端を発した大学生による大規模なデモについての連日の報道に
「そりゃあ,イギリスに統治されて民主主義のよさがわかっているんだもの,当然」などと
香港のことをよく知らないくせに思っていたが,10月30日の新聞記事を読んで
「通識教育」という言葉に初めてであい,そんな背景があったのかと思った。
香港では,詰め込み教育からの脱皮を図るため,「通識教育」なるものが5年前から必修化され,
その教育を受けた学生たちが行動を起こす中心になっているそうだ。
「通識教育」では,自分自身で資料を集め,様々な角度から物事を考え,判断する,
そんな力が培われるという。
香港でそんな教育が行われているなどということは,まったく知らなかった。
もっと詳しく知りたいと思い,ネットで検索したが,日本語のサイトは見つからなかった。
だから詳しいことはわからないし,正しく理解していないかもしれないが,
日本の文部科学省が提唱する「生きる力」とも,なにか通じるところがあるような気がした。
中国政府は,危機感を募らせ,2012年,
愛国教育強化を狙った「道徳国民教育」科目の導入を小中学校で試みたということだが,
教師,学生,保護者からの猛反発を受け,事実上の撤回に追い込まれたそうだ。
????? はて,どこかで聞いたような…。

教育は,人の生き方,考え方に決定的な影響を及ぼすことがある。
ボーっとしていると,子どもたちを思わぬところに導いてしまうかもしれない。
そうならないために,教育に関わるものは,それぞれが,それぞれの場で力を尽くしていくこと,
さしずめ,わたしたちは,一人の子どもと,一人の先生を支える“一冊の本”をつくることが
その使命だと改めて思う。

教育の重要性を示唆する記事が目につく昨今である。

長野電鉄に小一時間ほど揺られて通勤していたころ,
帰りの暗くなった車窓から見える灯を見ながら,
一つ一つの灯のもとに家族の暮らしがあり,
その中の一人一人が多くの人とつながっているのだというようなことをぼんやり考えたことがある。
心と心をつなぐものが,もし見えたら,そしてそれがひかる糸だったら,
世界は光でいっぱいだろうと思う。

人はいったい,生きている間にどれほどの人と出会うのだろう。
近所の人たち,幼なじみ,学校での出会い,職場の人たち,仕事を通じての出会い,趣味を通じての出会い,いつも行くお店の人,旅の途中で出会った人たち,毎朝すれ違う人,同じ列車に乗り合わせた人,友だちの友だち,いやいや行ったイベントで出会った人,何かの事件にかかわって出会った人…。
思いつくままに書き連ねてみたが,自分の世界が見えてくる気がする。
長いこと会っていないのに顔が浮かぶ人,また会いたい人がいる。
たぶん,忘れてしまった人も大勢いるのだろう。

世界の人口は,数年前に 70億人を超えたという。
そう思うと,一人の人間が一生の間に出会う人の数は本当に微々たるものなのだろう。
そして,その中で心を通い合わせることのできる人は,さらに少ない。
数少ないごく親しい友について考えると,みな,様々で笑ってしまう。
環境にとらわれず,年齢にもとらわれず,ときには,思想信条にさえもとらわれず,
友になるときは友になってしまう。大げさに言えば,運命なのかもしれないと思う。
友というほどでなくても,人とのかかわりが心を豊かにしてくれることもある。

昔,雑踏の中,向こうから歩いてきたおじさんに思わずあいさつしてしまったことがある。
と,むこうも「元気?」とかいう。…ダレだっけ?
翌朝の通勤時にわかった。毎朝,駅の改札にいる駅員さんだったのだ。
ただ通り過ぎていただけなのに,すっかり知っている人になっていたらしい。
それ以来,毎朝にこにことあいさつを交わすようになった。

どんな“人との出会い”が自分に何をもたらすか,わからない。
名前も知らない人が自分を幸せな気分にしてくれることがある。
逆に気づかぬうちにだれかの役に立っていることもあるかも。(…そんなことがあったらうれしい。)
明日出会う人が,今そばにいる人が,かけがえのない友になるかもしれない。
何がきっかけとなるか,わからない。

一生の間に出会える人が,70億人の中のほんの一握りの人ならば,
どんな出会いも大切にしていきたいと思う。

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手がけていた画集ができあがりました。

竹下馨画集『パリと不戦と信州と』
上製320弌280弌.バー装 ケース入り カラー 120ページ

竹下氏が信教出版にいらっしゃったのは,昨年の5月でした。
「画集を作りたい。」
是非,やらせていただきたいと思い,何度か打ち合わせをさせていただき,
正式に決まったのが,7月でしたから,完成にほぼ1年かかってしまいました。

先生は,掲載する作品をすべてご自分で写真にとり,詳細なレイアウト案をもっていらっしゃいました。
画集も画家の作品であるから,既成の枠にとらわれず,自由に思うままに作りたい,そうおっしゃって,
なんども打ち合わせを重ね,色校正を出し,その都度装丁もグレードアップしていき,
本当に立派な画集に仕上がりました。

画集は,50代で会社をやめ,単身で渡り,その後何度も訪れたパリとその周辺を描いた「パリ」,
そして「不戦」,信州の風景他からなる「信州」の3部で構成されています。
先生は,まさに豪放磊落,ダンディーなすてきな方です。
しかし,「不戦」の部にある絵画には,そんな先生の違う一面を感じ胸が熱くなりました。

非売品ですので販売用はありませんが,いくつかの図書館,美術館に贈呈されましたので,
機会があれば,ぜひご覧いただきたいと思います。

※画像は,同画集「パリ」より  「モンマルトル」(2008年)


信教出版では,ジャンルを問わず,様々な本を出版しています。
今まで,随筆,紀行文,詩歌集,研究論文,実践記録,自分史,創作,あるいは,
紙芝居,かるた,そして今回の画集など,様々な本作りをお手伝いしてきました。
本にしたい原稿をお持ちの方,また,これから書こうと思っていらっしゃる方も
是非,ご相談ください。

大切な一冊を,心を込めて制作いたします。

越後湯沢まで

2月中旬,毎年恒例の松任谷由実SURF&SNOW in Naeba に行ってきた。
会場最寄りの越後湯沢までは,新幹線を乗り継いだり,信越線に乗ったり,
天気がよくて,かつ元気な時は車で行ったりいろいろだったが,
今年は飯山線と北越急行ほくほく線を乗り継いで行こうということになった。

信州中野出身の私にとっては,地元を通るJR線ということで,飯山線を身近に感じてはいたが,
ちゃんと乗ったことがないということに思い至ったからだ。
(何せ,終点は,てっきり飯山だと思っていた。)
それともう一つ。倍弱の時間がかかるが,新幹線の3割弱の金額で行けるのだ。
(長野−越後湯沢間往復が新幹線で15,760円のところ,なんと4,360円!)
急ぐ旅ではないし,お天気もよさそうということで,おやつを買い込み,
いざ! 越後湯沢へ。

各駅停車の列車に乗ると,やけに外国人が多い。それとリュックをしょったおじさん。
地元民と思える学生や年配の方はともかく,なんとなく車内が落ち着かない。
 三才 → 豊野 → 信濃浅野 → 立ヶ花
列車が千曲川に沿って走るあたりまで来て,その理由がわかった。

なんて美しい! 私のふるさとがこんなに美しかったなんて!

青空の中に真っ白な高社山。そのすそ野に広がる,やはり真っ白な雪に覆われた集落。
そして,とうとうと豊かに流れる千曲川。
車内をうろうろしていたのは,カメラ小僧ならぬカメラおじさんたちだった。
それぞれ思い思いの車窓に張り付いて,盛んにシャッターを切っている。
立ヶ花を過ぎて,上今井,替佐あたりまでは知っている地名だったけれど,
ハチス? 聞いたことのない地名だ。どんな字を書くんだろう。

ここまで来て,地図を持ってこなかったことを猛烈に後悔した。
ハチスってどのあたりなんだろう。
飯山の先,列車はどこを走って十日町まで行くんだろう。その先は…。
北信濃の生まれのはずなのに,頭の中に周辺の地図を描くことができないのだ。
黙って乗っていれば自然と目的地に連れて行ってもらえることがわかっていても,
移動の実感がない。自分が今,どこにいるのかわからない居心地の悪さ。

この日,地図の威力を大いに感じたように思う。
様々なできごとは,地図と結びつく(場所を把握する)ことで,より実態をもち,身近になる。

大勢乗っていた外国人は,みんな戸狩野沢温泉が目的地だった。
その後,さらにいろいろ楽しいこと,驚くことがあり,退屈することなく越後湯沢に無事到着。
(その間の話は長くなるので,またいつか。)

飯山線を選んで,本当によかった。今後は,いつも地図をかた手に出掛けようと思う。



    長野県内をゆくなら,小学生から大人まで
                 信州社研編集「地図−わたしたちの長野県」

新しい年になり,あっという間に1月も半ば近くになってしまいました。
信教出版は,1月6日の仕事始めから,お正月気分もそこそこに
すでにあわただしい毎日が続いています。
平成26年は,信教出版にとって,新しい教材作りを完成させる年になります。
めまぐるしく変化していく教育に関わる世の中の動きの中で
価値あるものを見極めることのむずかしさを日々感じていますが,
それでも,スタッフ全員が知恵を絞って,意見を交えて,前に進んでまいります。
本年もどうぞ,よろしくお願いいたします。


さて,今回はカレンダーのすわりがよく,信教出版も9連休となりました。
あちこちの報道によれば,
日本ではこの年末年始に海外旅行に出かけた人が70万人近くいたそうですが,
私はその仲間に入ることもなく,いつも通りの年末年始でした。
大掃除をして,紅白を見て,近所の神社に二年詣りに出かけ,
翌日は善光寺に初詣に出かけ,その後は年始回り…。だいたいこんなものでしょうか。
そんな中で,懐かしい人たちに会い,ちょっとおいしいものを食べ,
あっという間の9連休でした。

…何事もなく,健康に過ごせていることに感謝して,また1年頑張ります。


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