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その昔の事でした。エキゾチック・フードに興味津々の森羅、都会の町で仕事をしていた頃、スペイン料理やギリシャ料理、アフリカの料理などのお店に足を向けるのが好きでした。モリラフと生活を始めるようになり、片田舎生活が始まってもエキゾチック・フードへの興味はありました。が、なにぶん、片田舎の事、メジャーではないタイプの料理のお店って近隣には無く、里帰りの英国で食べるインド料理とかを懐かしがったりしていました。
片田舎なのは相変わらずなのですが、車で30分を行ったところにインド料理のお店が一軒あったのです。何かの具合でそのお店に立ち寄り、お食事を楽しみ… その際、お店のオーナーの老婦人と話をする機会があり、このお話も楽しんだのでした。老婦人の年頃は、ネイコ母に近く、体系こそ違うものの見た目に共通点を見付けてしまい、老婦人の言葉に傾倒してしまった森羅でありました。連絡先をお伝えし、まだ赤ちゃんだったキンシコウを連れて帰宅したのです。また、あのお店に立ち寄りたいなぁ〜と思いつつ、財布の都合等で足を向けずに随分の時間が経ちました。
ある夜、電話の呼び出し音が響き、電話を取った森羅。架けて来たのは料理店の老婦人。老婦人が言うには、「農家のご婦人がたと知り合い、自宅用に育てる野菜は無農薬で旬ともなると有り余るほど出来てしまう。それを一般消費者と結ぶ事をしたいのだけれど、興味はありますか?」 との事。野菜が廉価で入手できるのは嬉しい話です。しかも傾倒した相手からのパートナーのお誘い―― 俄然、興味が募りましたね。
森羅に係ったお誘いと同じように、他にも数名の方に声掛けがあり、同意した原動力のある主婦が顔合わせをしました。もちろん場所は老婦人のお店。時間はお昼ごろ。となると移動時間等を考えたら、昼食をお店で頂くのが順当ですよね。こうして話し合いの機会が設けられる度、森羅はキンシコウを連れて老婦人のお店でお食事をしながら計画を立てていました。もちろん、食事の費用はマケテくれる事なく正規の料金を毎回、支払っていましたね。ある時などはナン食べ放題の平日ランチメニューと違う週末メニューを頂いた際、いつもの様に 「何のお代りは?」 と聞いてきたのでお願いしたところ、週末メニューはナン食べ放題ではないからとしてお勘定の額が考えていたよりも膨らんでしまっていました…
ある時、老婦人が言われるには、地域で開催するイヴェントに老婦人が旗を振るボランティアグループ (サポートしている国での井戸の建設) が老婦人のお店の料理を販売し、井戸の建設料金を作るのだが、そのブースを回すのに十分な人数が揃わないから誰か手伝って貰えないか? との事でした。井戸を建設することで得られる利点は粗方で理解していた積りの森羅、それではと人探しを始めました。因みにですが、その頃、赤ちゃんだったキンシコウは胃腸風邪から二泊三日の入院をして間がない頃だったのです。その為、森羅自身はお手伝いが適わなかったのです。そして当日… 二日間行われたイヴェントで片手を超えるスタッフが必要だったようですが、立ち寄って見てみたら何とほとんどが森羅がお願いした人たちばかりでした。老婦人、ヨガ教室の各地に持っていたり、ボランティアグループの代表だったりとそこそこ顔が広いはず。にも拘らず老婦人の関係の方おろか、ボランティアグループの方たちの姿すらなかった… イヴェントのお店を閉めてから、老婦人は協力してくれた面々を自分のお店に招き、ディナーコースを食べさせてくれました。
主眼である無農薬野菜の販売に関して、農家とのやり取りは老婦人に掛かっていました。ですが日数が経てども大した進展は聞かれませんでした。ですが 「お試しセットの販売をするから。一箱3000円で販売するから、代金とともに予約を貰って来ましょう!」 と老婦人が展開の提示をされたのです。これを受けて森羅、ご近所さんや知人に声をかけ、賛同された方からお金を預かり予約を幾つか集めて来ました。ここで気兼ねしたのは、預かったお金を自分が持っていたくない事だったんです。一応、会計係りはいたのですが、担当者と顔を合わせる機会が少なく、それなら活動拠点ともなっている老婦人のお店で預かってもらい、担当者が来たところで渡して貰ったらよいと考えたのです。その提案をした所、「会計担当者に渡して欲しい」 との事でした。ふ〜ん… と思いつつも各人から預かった3000円は森羅の手元に置く事にしました。
さて集金もある程度済み、予約をされた方たちが野菜の配布の日程を気にする頃となりました。しばらく振りに活動メンバーが集合し、それぞれ集めたお金の集計をする際でした。老婦人が注文を受けた人数を言われたのですが、お金を出さないのです。曰く、「え? お金で預かった分は森羅さんに渡したわよ。だからそれ以降、預かった○人分しかないわよ。」 と活動メンバーの一人である老婦人の娘が話をしたのです。ええ?? お金を預かる事は極力避けたいと、森羅が預かった分ですら預けに来たのに、なぜ、他の人が募集した分のお金を森羅が持っていると言うのでしょうか?? 「え? 預かった憶えはないんですけど…」 と返す森羅。自分の記憶に少々自信が持てなかったので、どの様な状況でどの様に渡したのか、記憶してみえるなら話して思い出させて欲しいと思いました。所謂、着服をしてしまっていたとしたら問題ですものね、気ぜわしい生活で、預かった事実を忘れてしまっているかも知れませんし。 「あのぉ、私は預かった記憶がないんですけど…」 と申し上げた所、募集人の責任で不足額を準備するかと思いきや、「こちらは渡したんです! この袋に預かったお金は全部入れておいたんです! で、この袋になければ森羅さんに渡したんです!」 と更に主張をされました。う〜ん… そこまで主張されるなら、記憶を呼び覚ますべく当時の状況を話してくれても良さそうなんですけど… そして最後は 「無いものは無い!」 と怒鳴られたのです。唖然… 森羅も商売人の家に生まれて育ったので、商売における人の信用の大事さのちょっぴりは判っているつもりでした。が、何の説明もなく、「渡した、預けた」 の一点張りでブチ切れられてしまっては話が進みません。森羅は会の活動から降りる事をその場で決断。そして二度とその場には戻りませんでした。
不条理感あふれる状況、それは会計担当者も感じていたようです。その夜、会計担当者と電話で話をしました。会計担当者 曰く、 「あれは森羅さんの所為じゃないよ。だってね、私見たのよ。お店のお釣りが足りないって言って、あの見せられたキンチャク袋からお金を出していたのよね。あの人たち、お金の管理が甘いと思ったのね、その時。」 だそうです。
老婦人が経営する飲食店、ときどきお給仕の顔触れが変わっています。会計担当から聞いた話によると、老婦人が教えているヨガ教室の生徒さんに声を掛けて引き受けさせているそうで。でも人助け的な思いでお店に入った生徒さん達、自ら応募して来たスタッフのように使われたり、人手が足りないとなると連絡が入りシフトを持つ事を強く推されるとかで見切りをつけて辞めてゆくとか。
老婦人、以前に森羅に提案した事がありました。それは老婦人が教えるヨガの師範の資格を森羅に取らないかっと言う物でした。もちろんお月謝を支払って、週一回よりも回数多く習うと言う向きの話でした。 「あなたが師範代理位になったら、私のお教室で手放そうと思っているところを譲るから。」 だそうです。老婦人のお店に行くだけでも30分ないしは一時間がかかる場所。お教室の場所となると、そこから更に一時間くらいの移動が必要だったりする場所も。赤ちゃんを抱えて移動しレッスンの間で放置するだなんて、できませんよ。ですからすべからずお断りをしておきました。でももし、承諾したとしたら、片腕として色々な責任を負わされていたのでしょう。
もう関係は断つ事を決めて帰ってきて数日、夜に電話が鳴りました。架けて来たのは老婦人の会計士。数回、お会いした事はありましたけど、個人的なお付き合いをする程ではありませんでした。会計士は 「何があったの?」 と探りを入れて来たのです。包み隠さず、”横領” を疑われた事、それにおいて状況の説明もなく怒鳴られた事などを話し、信頼関係はなし崩しになったと伝えました。どうなんでしょうね… こちらの様子を探るんでも、どうして面識の薄い人間を使って来るのって、と言うか、誰かを使って探りを入れる対応には、その身のあり方に汚さを覚えました。
ヨガを教えてみえる事と人間的な思想の高さや行動力に騙されました。もう一つ言うと、ネイコ母を喪ってまだ年月が浅かった頃で試行錯誤が子育てにあったような時期だったので、心の上だけでもサポートしてくれそうな人物像を森羅は求めていたところに出会いがあったのも判断を曇らせた原因だと振り返ります。
老婦人のその後は風の噂でしか耳にしません。聞くところによると、経営していた料理店が火災に遭い、料理店を閉めたとか。人を釣っては利用し、相手が逃げ出すか見切りをつけるまで自分の都合の良いように動かしていた老婦人。イヴェントの際に自力で人を集められなかったのは、既に多くの人に見切りを付けられていたからなのでしょうか?
最近知った老婦人の動向ですが、料理店の味をレトルトパックにして販売しているそうで。それはネット上でも購入でき、それなりに美味しいとの事。ふ〜ん… どれだけ美味しかろうが、作り手の顔が見えた時点で泥を舐める様な気分になりそうです。ヨガの考えから、食文化の大切さ、健康の大切さを説いておみえの様ですが、人から搾取する事はヨガの教えには無いだろうと思います。
昔々のビターなお話。もっとも未だに老婦人やその娘の顔など見たくもありませんけど。
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