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2005年 アメリカ カラー ドキュメンタリーTV 1巻2話で90分×全3巻
制作 : ベン・シルバーマン , H・T・オーウェン , R・J・カトラー , モーガン・スパーロック
音楽 : マーガレット・イェン , ジェフ・カードニ
ドキュメンタリー映画『スーパーサイズ・ミー』のモーガン・スパーロック監督が、体当たり実験をTVでシリーズ化したのがコレ。
30日間という期間で、あるテーマに挑戦する者の姿を追いつつ、現在のアメリカが抱える社会問題やタブーに切り込んでいく。
1話45分という短さでテンポ良く進みながらも、出演者たちが思い思いを語り、互いの理解を深めていく内容に、ぐんぐん惹き込まれていく。
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《第1巻》は、アメリカが抱える貧富の差が生み出した問題に眼を向けたお話・・・・・・・・・・・・
★1話:最低賃金で30日間
監督であるモーガンが、『スーパーサイズ・ミー』でも出演していたガールフレンドのアレックスと挑むアメリカの最低賃金生活。
「なんであたしまで?」
「愛ゆえさ」
最低賃金額が、10年以上据え置かれているアメリカ。
低賃金・貧困層の人々が置かれている厳しい現状を体験し、低所得者の離婚率や医療など様々な視点から低賃金がもたらす副産物を検証するお話。
★2話:アンチエイジングを30日間
30代の白人男性が、10代の頃の腹筋に帰りたいと切望。
家族の力を借りて、アンチエイジングで「あの頃よもう一度」とホルモン注射と運動で肉体改造に挑む。
若さと永遠の美を切望するアメリカ人が代償に払うものは何か?
一番大切なものは何か、それは命より大切なのかを知るお話。
《第2巻》は宗教と思想の差により、世間のはみ出し者の気分を味わったお話・・・・・・・・・・・
★3話:イスラム修行を30日間
ある敬虔なクリスチャンの白人男性が家族と離れて独り、アメリカのイスラム教徒が3割近くを占める町へ行き、イスラム家族へホームステイ。
「イスラムといえば?」
「テロだろ」
「テロと言えば?」
「イスラムさ」
アメリカ人たちは9.11で受けたショックにより、イスラム恐怖症のようにひとつの答えを繰り返す。
そんな考えを普通に抱いていたクリスチャンの青年が、イスラムの世界に飛び込んでみたら?
それは宗教が問題なのか、個人の問題なのか、異宗教の若者が今語り合う。
★4話:ゲイと一緒に30日間
ある敬虔なクリスチャンで軍隊経験者・猟やスポーツを好む白人男性が家族と離れて独り、ゲイがほとんどの町で暮らしたらどうなる?
ゲイの男性宅へホームステイし、キリスト教徒として聖書にある「同性愛は罪」だろう?
聖書に異性愛は罪と書かれていたら、聖書通りに同性愛になるのか?
軍隊で敵を倒すのは聖書にある「汝、人を殺すなかれ」と説いた言葉に偽りなく、罪ではないのか?
異性愛と軍隊は普通だと思っていた青年が、ゲイたちと試行錯誤する30日間。
《第3巻》体と心・限られた資源について考えるお話・・・・・・・・・・・・・・・
★5話:自給自足で30日間
エコなんて考えたコトも無い、都会生活ドップリの職場の同僚の男女ふたり。
環境破壊について考えエコライフを推奨・実践する、ある集団の自然生活に飛び込んだらエコできる?
二人が消費している一日の燃料を、世界中のヒトが同じように消費したら、現在の地球の12.5倍の資源が必要である計算になるらしい。
電気・肉・ドライヤーの無い生活に、都会人はマッチできる?
★6話:酒浸りで30日間
大学1年生の娘が1週間に4日も酒びたりの姿に胸を痛めた母親が、自分が1日4杯飲んでその姿を娘に見せ、酒を止めるよう試みるお話。
「酔うために飲む」
記憶が飛ぶほど飲むこと・それに伴う危険性を説く母親と、気にしない娘。
取り巻く家族の反応は?
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一気に3巻観てしまう面白さとともに、考えさせられた作品だった。
個人的には、第2巻にすごく惹きつけられ、好き☆
自分と違う宗教、思想の人々の生活に飛び込んで受け入れる難しさを感じた。
自分が現在生活している場では当たり前である事柄が、まったく違う宗教や思想の場では●カ●カしく罪であり価値の無いものという衝撃。
まるで自分が社会にとって異邦人であり、そこからはみ出した者であるように感じた出演者たちの迷いや不安。
それらは、まぎれもなくアイデンティティーを揺るがすほどの衝撃だっただろうな、そんな風に感じた優れたドキュメンタリーだった。
Vol.2の3巻も、レンタルしているが、観るのが今からめっちゃ楽しみだ。
スパーロックのドキュメンタリーには、身近に感じる疑問について、丸ごと異世界に飛び込んで、自分の心身で感じ、自分の頭で検証していくため説得力がある。
自分の価値観を根底から覆されるかもしれない、変わるかもしれない場に、自分を置く勇気を持った人々を身近に感じることが出来て、とても有意義な作品だと思った。
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