毎日北海道実年ひとり言

東京出身。入社後、札幌に赴任。通算の北海道暮らしは東京生活を超えた。06年春から、教育を担当。関心あるテーマは食育、農業

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札幌郊外に広い学校林があるのが、札幌南高校です。
そこをフィールドとして、環境学習に取り組んでいます。

定時制の生徒が総合的学習の時間で、国蝶、オオムラサキの幼蝶の餌となるエゾエノキの植樹を行い、全日制の科学部が生息環境の調査などを行っています。

都会のオアシスを舞台にしたさまざまな活動を取材しました。
記事を参考までに紹介します。

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学校林で環境教育 札幌南高

 ◇生態系観察の場に オオムラサキ繁殖計画

 札幌市清田区有明に札幌ドーム84個分の121ヘクタールの学校林がある札幌南高校(辻敏裕校長)。そこをフィールド学習の場として、環境教育が進められている。将来、国蝶(こくちょう)のオオムラサキが生息する森を整備する計画もある。広大な学校林を有効活用する環境教育の現場を紹介する。【千々部一好】

 □■国蝶が舞う森に
 カラマツ、エゾマツなどさまざまな樹木で覆われ、都会の騒がしさとは無縁の同校の学校林。6月中旬、定時制の全校生徒がバスに分乗して到着した。この日はオオムラサキの幼虫の餌になるエゾエノキ林の除草を行うのが目的。生徒たちはスコップ片手に、草刈りに汗を流す。1時間余りの作業で、草に埋もれたエゾエノキが姿を現す。参加した太田実希さん(2年)は「ササやぶをこいで林に入るのは大変だけれど、昨年秋に植えた苗が大きくなったのを見ると、うれしいですね」と話す。
 学校林は1911(明治44)年、大正天皇が皇太子の時に札幌を訪れた記念にできた。農業高校が実習林を所有する例はあるが、普通高校では珍しい。定時制では04年度から、総合学習で、エゾエノキの植樹や草刈りのほか、自然観察などを行っている。
 現在、進行中なのがオオムラサキを学校林に生息させるプロジェクトだ。オオムラサキは札幌市周辺の里山でも見られるチョウだが、開発の影響で生息域が狭められ、準絶滅危惧(きぐ)種に指定された。このため、エゾエノキの苗木を育て、学校林に植樹したほか、学校の校庭にオオムラサキの飼育舎を作り、観音岩山(南区、通称八剣山)などで採集したチョウを産卵させ飼育している。

 □■大学と共同研究も
 全日制の科学部は、オオムラサキの成虫の餌場となる学校林の雑木林のエリアで植生を調査している。1本ごとの樹種や幹の太さを測定。天敵となる昆虫の生息調査のため、今年度はアリの生態を調べている。
 酪農学園大との共同研究で、オオムラサキの遺伝子の解析にも取り組んでいる。将来、学校林に放つオオムラサキの遺伝子が、札幌周辺のチョウの遺伝子と違いがないことを確認するためだ。科学部の担当者の一人、岡田夏実さん(2年)は「鱗粉(りんぷん)は単なる粉だと思っていました。でも電子顕微鏡で見ると、鳥の羽毛や魚のうろこと同じように、チョウの体を守る大切な役割があることが分かりました」と話す。
 指導者の箱崎陽一教諭は「学校林は環境教育にとって絶好のフィールド。多様な生態系を観察できる学校林で、生徒たちは科学的な目を養っている」と話している。

=金曜日に掲載します

毎日新聞 2010年8月6日 北海道支社版


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