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老醜

 新郷由起「老人たちの裏社会」という本を図書館借りて読んでいるのですが、万引き、ストーカー、暴行、売春、ホームレスと、最近の爺婆の元気さには驚くものがあります。

 私も同じ老人として思うのは、とてつもなく別世界でして、まったく共感するものがない。介護関連とか病気とかいう話は周りにいくらでもあるし、家族にトラブルを抱えている、別居状態とか、離婚とかいう家族からの孤立とかいうのも現実味があるのですが、この本の話というのは、リアルに感じる事は難しい。

 ある種の例外でありながら、それが急増している現実というのは、やはり元気で暇な老人が急増している事にあるのではないかと私は思います。
 人間、暇くらい怖いものはありません。暇はささいな事に敏感になりがちです。身体のちょっとした異変にも、何か深刻な病の現われではないかという恐怖から気を病むことが多いです。鬱などの症状が現れやすい。
 あるいは暇は、周囲からの刺激を喪った状況になる事、しばしばですから、わずかな刺激に執着して行く傾向も強まります。それが万引きという形であったり、性的な異性を求める、それも勝手な思い込みから、普通には考えられないような妄想に至る形が生まれているようです。

 老人は私なんかもそうですが、恥も外聞もありませんから、大胆であると同時に、執着といっても、どこかでガクンと終わるような、急激な老いが記憶を喪わせ、体力がないことを露呈し、膝を突く形になるのではないかと。まぁ、本にあるように老獪であり、嘘をつくのもものともしませんし、老いたふり、病気のふり、呆けたふりをするのも、いくらでも周りに事例があるのですから、若いものにはたまったものじゃないでしょう。

 70歳を超えても働くような社会を批判する人もいますが、福祉政策としての雇用だとすれば、大いに幸せを感じる人も多くいるのじゃないかと思われます。

 まぁ、それにしても老醜の限りです。なかなか人生の最終章も、無惨さに満ちているというのは、どうしようもありません。

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