メンタルヘルス

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感情の渦

 障害者の就業支援施設でのボランティアも、結構長く続いています。4年くらいかなぁ・・・。それでも私はスタッフでは無いので、個々の利用者さん、精神障害の方々の直接の感情なり、日常の悩みなどを聞く機会は多くありません。
 私がいるのは、談話室という利用者さん達がくつろいでいる??とも言えませんが、まぁ、それでも誰にも何も邪魔されることの少ない空間です。
 ですから以前にも書きましたように日常的な会話、天気だとか、食事とか、音楽とか、身体の調子とか、歌手やアイドルの話とか、ゲームとか、そんなもので終始しています。

 他のボランティアで交わされ話題と違うところは、いかにもHappyな話も、社会問題的な話も、同じボランティア同士なり、管理運営組織の話が出て来ないことです。最近、私が利用者さんの中で政治的な話をしたがる人がいるので、その人とはネット的な政治話題をしていはいますが、管理者の方からは、どうかなぁ・・くらいでは見られています。

 そんな中で、スタッフさん同士の話、これは利用者さんの話とは、まるで違って、障害者引き起こした事件の話とか、利用者さんとでは絶対的に出ないサイキックな話題も出てきたりする、なかなか対照的なんですが、そこで利用者さんの生の感情、嫉妬とか、ねたみとか、荒々しい何かが話し合われ、どういう風に対応していこうか、どこに注意して当たろうか、気をつけようかが議論されています。

 専ら談話室にいて、誰かと喋っていることよりも、見ている事の方が多い私ですが、へぇーそうなんだと思うことしばしばです。生々しい感情と付き合うスタッフさんは大変だと思う反面、感情の渦の中にこそ精神病の特質の一端があり、解き難い縺れなのだろうと思わないではありません。

 こういうのは意外に症例として記述される事が少ないのはどうなんだろうかと思ったりします。

 

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集団の力学

 どこにいても集団というのは付いて回るところがありますが、私の場合は32歳で首になって以来、人から支配されるという経験がなくなりましたし、私が作った組織は二十人にも満たないものですし、和気あいあいかどうかはよく分かりませんが、まぁ、適当にやっていました。

 それがここ5年ほどボランティアに係わるようになって、集権的な支配というのは、ボランティアですからないのですが、何か変にメンバーの行為に対して咎める、ある種のサディスティックな雰囲気ができる場合があることに気づかされるのです。

 皆いい年寄りなんですが、どうでも良いような事で咎めだてをする。言ってる本人は結構、気持良いのだろうなぁと。言われた当人は腹にしこりが残る形です。コレって結構、長く滞留するもんですよ。

 ここらがボランティアグループの雰囲気を決定づけるものがあり、容易には外から窺い知ることが無い世界です。ただ、何しろボランティアですから、組織固有の問題ではなく、問題児がいなくなれば、雰囲気はほどもなく改善します。

 でまぁ、どこにでもある話ではあるのですが、何故、あそこは咎めだてばっかりやっていたのだろうと思う。たまたまそういう人間がいたというか、一応、リーダーであったし、権限があったからなんでしょう。

 ある種の不幸であり、不幸を自身で呼び寄せているというべきか。こういう相手と付き合うのはまっぴら御免です。私自身、虐められるのも、虐めるのも昔から大嫌いですから、逃げるに越したことはありません。

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普通であること 5

 個性とは何か? という問題を考えているのです。何故、統合失調の人々に個性よりも病が前面に出てくるのかという私の感覚の問題でもあります。

 個性とは、ある種の統一、統合した感覚、そして自分自身の表現されたもの、表現しようとしている事、それらが混じり合いながら個性が浮かび上がるもの、極めて全人的なものなのでしょう。他者との係わり方も個性を特徴づけるものでしょう。

 私自身からすると、相手が統合失調症であるというインプットが先にあり、病態がどのようなものであるのか、分からないなりにそれを先に理解しようとする傾向が強くあります。それは一面では相手への気遣いであり、そこから生じる自身を如何にコントロールするか、どう接しようか、どういう話題の出し方をしようか等々を考え、様子を見ながら態度を作るというような事をやっていることは大きな影響を与えているのでしょう。

 そしてそれはかつてのサイコパスという強烈極まりない相手への投影も入っていて、無意識的にそういう人間がいる、探している所もあるのでしょう。

 個性が姿・形に表現されるかというと、いかにもそれらしい姿ではない。このことも大きいのでしょう。多様でありながら、展開される話題といい、姿といい、何か違って見える。ここらももしかすると健常者視点で見ていることが影響しているのかもしれません。

 不思議なまでの難物なのですが、スタッフの人達は私のような理解の仕方はせずに、軽く言葉を利用者と交わしながら、利用者の言動に注意を集中しています。それが生活支援を中心とした施設の特徴でもあります。

 人格という理解の仕方は精神科医でも少ないもので、彼らが紹介する「症例」というものの切り取り方は独特のものがあって、周辺の哲学者などが症例を誤解して深読みが過ぎてしまってワケワカメの原因にもなっているようです。 

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普通であること 4

 心身障害は「障害」ではなく個性として捕える、個性の一つとして見るという考え方が、まだ一般的ではありませんが、多くなってきているように思えます。身体障害や知的障害、発達障害あたりもその傾向が濃くなっています。しかし精神障害の場合はどうなのかというと、寛解期に入っていると、前回、述べたようにまったくの普通である場合が少なくない。

 社会生活上の問題と言えば、せいぜいなところ疲れやすい、ストレスへの耐性が非常に低い。生きていく上での自信の無さが顕著に見られることくらいでしょうか。

 病の経験から出てくる、統合失調症に特有な幻聴、幻覚は、それが現実とは違うという意識がされているのでしょう。そんなことが話している中に出てきても、誰も否定はしないし、何かとがめだてもしないし、そしてそんなことは滅多に、まず出てこない。

 病の苦しさは、眠れないが一番多いのではないかと。心の平安のためには煙草が欠かせないという話もあり、内部で渦巻いている感情なり感覚には独特のものがあるのでしょう。
 共通認識として入院は嫌だ、というのも拘禁されることにあるのでしょう。それでも、病だと告げられる事、入院した事が救いとなったという話もありますが、それが解決に近づくものだと思えた発病の頃の思いなのでしょう。

 病の宣告から社会との遮断、未来に立ち塞がる乗り越え難い壁に強い絶望感から諦めへの長い、十年近くかかる道程、社会からの強い偏見、家族の絶望と不安などが折り重なって行く。

 医療面の問題もさることながら、社会面での抑圧の激しさが、この病の構成要素になっている事は間違いありません。病の初期に近くにいた誰かが引っ張り上げる事ができたならば、もしかすると精神病という烙印が押されずに普通に生きて来れたかもしれないと思わないではないところもあります。

 翻って私自身も、若い頃に精神病院で受診すれば、異常ありと診断された可能性は非常に高く、自傷行為の恐れから入院させられていたでしょう。何が違うのか? ただ単に家族が私への関心よりも生活が大変で、そっちに気を取られていただけという理由しか見当たらないのです。
 

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普通であること 3

 普通であるとか、普通でないとか、まぁ、実にくだらないことではあります。その一方で人と接する中で、かなりかけ離れた、今まで経験した事のないようなタイプと巡りあう、しかも日常的に顔を合わせるような状況が生まれてくると、なかなかいろいろな問題が起きてくることも違いはありません。

 精神障害の人と話をしていると、何度も書きましたように、何でこんなに「普通」なのだろうという感想を私が持つ事です。ノーマル、健常者とされている人間の方が、はるかに変であったり、個性的であるという問題に突き当たってしまう。
 こんなことを書いた精神科医は一人もおりませんから、混乱する所が大きいのですが、見た目だけに限れば、暗い顔をして、じっと黙って座っているとか、ひどいメタボというか、太り過ぎているとか、女性でも化粧らしい事をぜんぜんしないとか、おしゃれなんて期待もできないとか、動作が遅いとか、話題が日常的なものに極端に限定されるとか、まぁ、いろいろあるにはあるのですが、それが「個性」に繋がっていく事が非常に少ないという特徴があります。

 つまり意識的にも無意識的にも「個性」という形で表出してこない。表出してくるのは「病」であり、薬の副作用、もしかすると病院なりでの拘束の影響なり、家族から受ける何かでしかない。個性という一体となった個人性が出て来ない。

 勿論、それぞれの人には、その人なりの何かはあるのですが、その「人」という何かとは少し違っている、病の方が前面に出てくる。
 これがサイコパスというもう一つの精神異常の場合は、徹頭徹尾、非常に不安定ながら強烈に自己が出てくる。しかもそれは奇妙な魅力を放っている。肉食動物のようなオーラがあったりする。

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