セラミックス研究室 Blog

セラミック研究者の日々と備忘録

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さて、電極材料についての話の前に、どのようにリチウムイオン電池が動くかということを書いていきましょうか。

今回の参考本として選んだ本は「リチウムイオン二次電池-材料と応用」という本です。この本は別段読みやすいとか言うところを見てやったわけではなく、とにかく何でもいいから解説書のようなものを見ようとして、図書館の検索システムでそれらしいのを引っ掛けてみたらこれだったということだけです。2000年発行(第2版)ということもあって選びました。前知識もないのでこの辺を読んで理解していきたいと思います。

この本では基本的な動作原理が(わかりやすい原理)書いてはいませんが、専門的なことを書いています。簡単なところからいきましょうか。我が研究室で飽きるほど作られているTiS2を正極に、グラファイト(炭素)を負極にしてリチウムイオン電池を作る場合の正極側の反応式は

(充電時)TiS2 + xLi+ + xe- = LixTiS2
(放電時)LixTiS2 = TiS2 + xLi+ xe-

まあ、当たり前ですね。つまらない事書いてすみません。
このリチウムの動きによって(電子の動きでもいいけれど)起電力が発生します。さて、基本構造としてたとえば、TiS2は層状化合物です。この層と層の間にリチウムイオンがインターカレーションするわけです。電極開発者なら当たり前で知っていることですね。私でも知っているのですから。さてさて、放電するとともにリチウムイオンはどこに行くのでしょうか。もちろん負極へいきます。グラファイトです。グラファイトも層状化合物として有名でこちらも層間にリチウムイオンが侵入します。

さて、本腰入れますか。
面白いデータが載っています。負極にグラファイトを使った場合、Liをインターカレーションさせた正極材料の違いによる平均電圧とエネルギー密度の比較です。その中では、我が研究室でも盛んに合成されているものがあります。一例をあげると

正極材料 平均電圧(V) エネルギー密度(Wh/Kg)
TiS2    2.1     403
MoS2    1.8     212
MnO2    2.8     483
CoO2    3.6     360
その他
NiCd    1.2     210

この本ではエネルギー密度が高く無公害で資源量の多いマンガン酸化物が今後の正極材料の本命とています。海底資源として有名なマンガンですから資源量は十分期待してもいいかもしれません。昔、コバルト加工材料とマンガン鉱石の価格を比較したこともありましたが、それでも雲泥の差がありました。比較対照が悪いという批判も出るでしょうが。
たとえば、コバルトなら3500〜4000超えの価格帯をうろうろしています。しかし、マンガンは15円程度これで、エネルギー密度の高いものが作れるなら製造コストの削減にもなります。とか言ったら教授に起こられるんですが、みんなが待っているのはこれなんですよ。

さて、白熱してきましたが、リチウムイオン電池が従来の電池と比べてどう違うかということが記述されています。
昔の二次電池は負極に金属亜鉛を用いるものを考えた場合、放電時に溶液中の亜鉛イオンが金属亜鉛としてめっきされ放電時にはイオンとなって溶解することによって電流を発生する。このようなシステムをとっていました。このようにイオンや金属などへ変化を繰り返すとある部分で集中的に亜鉛が析出したり粉末になって正極側と短絡することがあったりと、そのおかげで寿命が短くなっていました。
しかし、リチウムイオン電池は前にも書いたようにリチウムだけが出たり入ったりするので電極側はほとんど変化することはないので、寿命が格段に上がったそうです。また、金属リチウムを利用していないので安全性も高まっているそうです。
電極材料として必要な構造はイオンが挿入脱離できるサイトとリチウムが流れ出ることができるチャンネル(経路)が必要だそうです。私の研究で作られているのは層状化合物に柱が立ったような構造…この本では擬層状化合物と書かれています。この構造に当てはまります。この構造ではリチウムイオンを格納するサイト数は低くなりまた、層状化合物よりはリチウムも出にくい構造になっていますが、伝導率が高くなる可能性があるので悪いとも言い切れません。

さらに、リチウムイオンが還元して層内に収まらなければいけません。つまり、遷移金属の酸化数を変化させる必要があるのです。これに対して構造に自由度がないと電極材料になれないということのようです。あと、電気伝導性。普通、リチウム電池用材料は半導体である模様。これは導電率(S/cm)であらわされ10^-1〜10^-6の間にある。

さて、今日はここまで。やたらと専門的になってきて私もあたまこんがらがってきそうです。ということで、今日はここまで。次回はややこしいネルンストの式とか出てきます。…7ページでそれはないですよ。泣き言言わずにがんばります。

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ご無沙汰しております。「RIETAN-2000(+VENUS)による結晶構造解析」の管理人の古谷です。 突然失礼します。ちょっとタロイモさんにLi2次電池について聞きたいことがあります。とは言っても原理等の学術的なことではなくて、この業界についていろいろとお聞きしたいと思います。この先は出来ればメールでやりとりしたいのですが、宜しいでしょうか?時間があるときでいいので、私のサイトに記されているメールアドレスの方までメール頂けないでしょうか?

2005/11/16(水) 午後 10:13 [ tat*u*afuru** ]

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了解です。むしろこちらこそよろしくお願いします。

2005/11/16(水) 午後 10:49 [ sin*oza* ]


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