|
バスに乗ってしばらくたつと・・ジェルミの肩が小刻みに震え始めた。 ・・・・泣いているの・・とユニは思った。 ジェルミがその涙をぬぐったのを見てユニはジェルミの隣に座った。 そして、ジェルミの手を握った。 ジェルミは少しだけ、ユニにもたれた・・・。 あと、2つで終点というとき、運転手以外、誰も乗っていない車内でジェルミが話し始めた。 『パパとママが離婚することになった・・・。』 ユニはジェルミの元気がない理由はここか・・・と思った。 『ジェナはママが引き取る。パパにはもう新しい・・女性も・・・家族もいる。』 ・・・ユニはそれが、どういうことかよくわかっていた。 相手の女性が大好きな存在であっても・・・永遠に続く、割り算と向かい合うような・・・せつなさがそこにはあった。 自分も・・・新しい、母親になった人は大好きだった・・・でも・・なんのわだかまりを持たずに「おかあさん」とは・・まだ、呼べずにいた。 歳の離れた弟を受け止める自信も・・・なかった。 終点に着いた ユニが言った。 『もう一周・・・しない?あと、60分の時間が私たちには必要・・・。』 翌日、シヌは自分でスーツケースを詰め・・出掛けようとしていた。 ユリが起きてきて、化粧もせずにテーブルに座っていた。 『おはよう・・・。』 『おは・・・よう。』 『まだ・・・出発には時間があるで・・しょう。』 『あるよ・・。』 『あなたの入れるお茶が・・・飲みたいな・・。』 シヌは・・・改まって何を言うんだ・・・と思った。 いつも・・・毎日ではないけれど・・・いれてあげているじゃないか・・ 奈々の起きてこない我が家はどこか静かだった。 『まだ・・・化粧しないの・・。』 『出発までに時間があるし・・まだ・・いいの・・・。』 『お昼過ぎの飛行機だよね。』 『今日の夕方には、北海道につくわ。』 『3時間・・・?』 『そのぐらいね。台本の手直しがあったから・・飛行機のなか・・・あ・・・。』 『どうしたの・・。ヌナ・・。』 『仕事の話・・・しちゃった。』 『いつも・・・しているじゃない・・。』 『今は・・・普通の夫婦の会話がしたくて・・。』 『「普通の夫婦の会話」・・・・?』 シヌは目を点にして・・・そして声を立てて笑った。 『おかしい・・・ねえ・・おかしいでしょう。』 『ああ・・可笑しい・・・。』 『そうよ・・私達・・・夫婦に一番欠けているものよ・・・』 『そうかな・・・。』 『そうよ・・・。』 お互い忙しくて・・・なかなか・・話ができないじゃないとユリは思った。 でも言っているうちに何だかおかしくなってしまっていた。 プライベートの話がしたくて、化粧もしないで・・子供も起こさないで 二人きりでリビングにいたのに・・・ 奈々が起きてきてしまった。 ユリは後悔した。 なんで・・シヌがスキーがうまいことをソ・ヨンウンに話してしまったのだろう すっかり・・ソ・ヨンウンはその気になり・・シヌがスキーをするシーンからのストーリー展開を考えた・・ 春スキー最後のこの季節が除隊後すぐのこの時期だった。 もっと・・違う話にすればよかった。 泳ぎの達人だったら・・・夏まで・・・一緒に入れたのに 髪の毛の伸び切っていない夫は・・・奈々をだきあげ 『今、ママと面白い話をしていたんだよ・・。』 と言った。 空港にはジェルミ達とシヌを見送るマスコミがたくさん詰めかけていた。 なぜか・・モファランも大畑もきていた。 ジェルミとユニパパとユニがユニパパを間に挟んで写真をとり・・マスコミの質問に答えていた。 イギリスでの部屋はいくつですか? というどうでもいい質問が日本人のマスコミからでた。 ユリは・・しまった・・チェックが甘かったと思った。 しかし、ジェルミが 『2部屋です』 と答えてしまった・・。 一瞬・・沈黙が・・・ 『僕は・・・実家に帰って・・・ユリが一部屋、師匠が一部屋・・。』 その時、ちょうど最終搭乗案内が流れた。 ユリとシヌも盛んに写真を撮られていた。 ゲートに入るまでにスマートにシヌはユリのほほにキスをしていった。 大畑は義理の父親としてはおだやかではないが・・・ この二人を今年の11月の夫婦の日にノミネートさせてみるかと思った。 ・・若夫婦部門で・・ 実際、シヌとユリの夫婦で雑誌の表紙にという話もいくつかきていた・・ ユリは・・シヌに飛行機のチケットを渡してはいけない・・・ と思った。 何かじぶんがすごく後悔するような気がした・・・。 しかし、シヌは飛行機に乗っていった。 ジェルミたちも・・・。 |

- >
- Yahoo!サービス
- >
- Yahoo!ブログ
- >
- 練習用




