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「今夜、妻が浮気します」。
かつて、そんなタイトルのTVドラマがあったね。
情けない夫だなぁ〜と、思ってた。
はっきりわかっているなら、やりようがありそうなもんだと、思ってた。
でもね、実際にその立場になってみると…。
情けない男に、僕も成り下がっている。
今日、君は、浮気するんだね。
ハッキリ、僕には、わかっているよ。
昨夜、僕は「明日、会議で遅くなる」と告げた。
君は、「あ、そう〜、食事、出るの?」と尋ねた。
「わかんないなぁ。でも、前、お弁当が出たな」
「そう」それだけの会話だった。
でも、それで、君はチャンスと思ったんだね?
深夜のベッドの中で、彼と連絡をとったね。
「明日…、デート…、何時なら?」
君の声が、ICレコーダーに残っていたよ。
彼とのデートの約束は、常に君からの、おねだり催促だね?
彼の方から、あんまり「逢いたい、逢いたい」って言われたこと、ないんじゃないの?
でも、彼は、応じてくれたんだね。
やさしい男で、良かったね。
今朝、起きると、君は朝からポトフを作っていた。
「私も、今晩、遅くなるから」と言って…。
夕飯も作ったんだから、何も文句ないでしょう?
そんな風に言いたげに、質問の余地もなく。
今日は、夕食だけだろうか?
土曜日のデートは、前から決まっているしね。
仕事帰りのデートは、足もないし、最近は食事だけだね。
人目を忍んで、わざわざ所沢まで電車で移動して、待ち合わせってパターンだね。
でも今日は、夫が電車で都心に出てるし。
仕事終われば、いったん帰宅して、プリウスで出かけるのかもね?
車で出かければ、ホテルに直行できるものね?
君は、やはり食事だけじゃ不満だし、逢う以上はセックスしたいよね?
「あんな、恥ずかしいこと」をして欲しいんだものね?
だから、また新しいランジェリーを、1万円で買ってきたんだものね?
もし僕が、君に問い詰めたら「浮気じゃない」というだろう。
「本気だから、あなたには関係ない」と言うだろう。
それでも、僕が問い詰め、君をなじったら、君は家を出るんだろう。
旦那にばれたら?という彼の問いに「ふふふ、家出する」って、言ってたものね?
僕は、君が、なにがしかの後ろめたさを持っていると思ってた。
いや、そうであって欲しいと、僕が勝手に期待していた。
それは、未練とか、戻って欲しいということではなくて。
自分の妻が、そこまで堕ちているとは、思いたくなかったんだな、きっと…。
だから、少しでも君の真意を確かめたくて、この間、話すようにしてきた。
彼とのこと以前に、僕との関係を、君がどう考えているのか、知りたくて。
君の答えは、明白だったね。
刺々しくでなく、僕をスパッと切り捨てる。
「あなたに、愛される資格、あると思ってるの?」
「経済的理由以外に、結婚を続けてる意味があると、思ってるの?」
「自由になれば、いいのよ、お互いに」
「別れた方が、あなたの寿命延びて、いいんじゃない?私といるより」
「私は、いじわるで冷たい女よ。そうしたのは、あなただけど」
「冷え切った心の氷が、そうそう溶けるとでも、期待していたの?」
いつもながら、鮮やかな一言だよね。
君の名言集が、僕には、いくらでも作れそうだ。
僕は、もう期待していないよ。
君のリベンジは、さすがだと舌を巻いてるし。
君は、自分が不利になる、尻尾をなかなか見せないね。
いや、さんざん、尻尾は見せているか?
たくさん、不倫の恋の尻尾、見せていることに、気がついているかい?
携帯電話や、手帳や、買い物のレシートや、着替えた下着。
もう、完全にバレバレなんだけど。
でも、その尻尾を掴むのは、たやすくない。
仮に掴めても、君は黙り込むか、シラを切るだろう。
「そんなの知らない。あなたの妄想じゃない?」とでも言って。
だから、僕は我慢して、証拠を集めている。
君が、決して否定できない、誰の目にも明白な証拠をね。
もうすぐだよ。
もうすぐ、ハッキリさせるからね。
そろそろ、18時だ。
君が、動き出す頃かな?
僕は、18時半から、仕事の会議に出る。
君は、彼に逢いに行き、セックスをする。
そして、お互い、深夜に帰宅する。
何気ない顔で「おかえり〜」とか言いながら。
行ってらっしゃい、僕の妻。
そろそろ、僕も会議に向かうね。
僕たち夫婦の、それが日常だ。
それが、現実だ。
(「喫茶ルノアール」にて)
※画像:伊豆への旅行では、ドライブしながら瀧巡りをしたね。
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切ないね!!
早くリュウさんに安らかな毎日が訪れますようにm(__)m
ぽち!
2011/4/18(月) 午前 11:04