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2011年3月27日。
日曜日の午後1時、職場には幸い誰もいない。
僕は、自分の部屋で、午前中から静かに待っていた。
これからなされる会話の組み立てを、冷静に考えていた。
女と男が、警備員に連れられて、暗い廊下をやって来た。
警備員は、休日に訪ねてきた女が、僕の妻と知って恐縮していた。
初めて訪れる僕の部屋に、妻が入ってきた。
その後ろから、男が入ってきた。
既に興信所のビデオ画像で顔を知っている、その男だった。
「初めまして。Hの夫の龍です」
じっと男の顔を見つめながら、僕は目で会釈をした。
「Mです…。遅くなり、すみません」
男は、ゆっくり頭を下げた。
「電車もバスも、時刻表通りに動いてなくて、時間かかったの…」
妻が遅れた言い訳を引き継いだ。
「どうぞ、おかけ下さい」
僕は、鷹揚にふたりに椅子をすすめた。
男は、テーブルをはさんだ向かい側に着席した。
妻も、その隣に座り、夫と対面した。
僕は、カップ三つに淹れたてのコーヒーを注いで、テーブルに置いた。
1対2の三角関係の面談が始まった。
「最初に、本日の趣旨を、説明しておきたいと思います。
今回の妻と貴方の不貞行為については、今日明け方にかけて、妻がすべて告白しました。
貴方への裁判を、なんとか回避したいという気持ちが強かったようです。
貴方自身の誠意ある対応が得られれば、示談の方向で、進めさせて頂きたいと思っています。
ただし、その場合、示談書の案を僕のほうで作成させて頂きます。
内容面で交渉が決裂した時には、裁判で損害賠償請求をさせて頂くつもりです。
物証も含めて、貴方と妻に勝ち目はないことはハッキリしています。
しかし、できれば、僕自身、裁判は回避したいと思っています。
弁護士をたてて争っても、僕の精神的外傷は癒されませんしね。
むしろ、夫である僕自身の気持ちの整理のために、今日はお越し頂きました。
事実経過を確認させて頂き、示談書に反映したいと思います。
ご理解頂けるでしょうか?」
「はい…」
男は、肩を落として、伏し目がちに短く答える。
妻は、その横で、硬い表情で僕を見つめていた。
「失礼ですが、録音を含めて、記録を取らさせて下さい。
あとで、言った、言わないという事態が生じては困りますので。
ICレコーダーは、示談成立した折には、消去いたしますので」
「わかりました」
僕はICレコーダーの録音をセットし、男との間に置いた。
ノートパソコンを広げて、両者の発言の要約を入力しながら、男に尋ねた。
本当なら、速記してくれる秘書が欲しい場面だった。
「では、まず失礼ですが、お名前から教えて頂けますか?
フルネームで。
妻は、教えてくれないので…」
「M・Aです」
「何歳ですか?」
「42歳です」
男は尋ねられるままに、おずおずと答えた。
妻が言っていた通り「いい人」なのだろう。
「会ってもらえば、きっとわかると思う」
妻は昨晩、男を擁護して夫に説明をしていた。
でも、いい人だろうが、悪い男だろうが、僕には関係ない。
僕は、男の基本属性に関する情報を、順番に淡々と聞いていった。
「生年月日は?」
「住所をお願いします」
「職場の正式名称を」
「現職には何年目ですか?」
「ご家族は?」
「ご兄弟は別世帯ですね?」
「お母さんと同居されてる訳ですね?」
「結婚は?」
「されたことは、ないんですね?」
もともと大企業のサラリーマンだった男が、現在の職場に来たのは12年前。
同じ市内の、同じ業界で仕事をする妻を、当初から知っていたという。
そんなふたりが急接近したのは、昨年の暮れの忘年会から。
メルアドと携帯番号を教えあったのが、不倫恋愛の始まりだ。
「では、まず、ふたりの、そもそものなれそめを聞かせて下さい。
妻とどのように出逢い、貴方はどのような気持であったのか、率直に。
妻からは一応聞いていますが、貴方自身の口からお聞きしたいと思います」
明け方5時まで話していた妻は、表情もなく黙っていた。
「はい…」
男は、困惑した表情を浮かべながらも、訥々と語り始めた。
【つづく】
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最終的にこの二人をどうされたいか…。

男はまず社会的に立ち上がれないほどに打撃を与える
金銭的にも精神的にも
どんな状態であろうと二度と二人で会わないと約束させる
守られない場合は男を去勢することも約束させる
妻に対しては軟禁生活をさせ
家政婦として一生尽くさせる
くらいの事がなきゃ
気がすまないでしょう。
この世で殺られっぱなしほど、辛いことはないと
言い切りたいですね!
2011/6/22(水) 午前 7:48 [ che*r6*69*00* ]
M・Aさんに同情1票。
2011/6/22(水) 午後 2:17 [ MEME ]
りゅうちゃんも金なんか取らずに、奥さんに、フライパンで殴って、髪の毛散切りにして、顔に引っかき傷つくって会社に出してあげたらいいのに。
2011/6/22(水) 午後 2:20 [ MEME ]