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「ふたりがメルアドと携帯番号を交換したのは、年末の忘年会。
それは間違いないですか?」
「はい…」
男は、眉をハの字に下げて、申し訳なさそうに答えた。
「その後、早速ふたりは連絡を取り合ってますね?
それは、どうしてでしょう?」
「職場でいろいろうまくいかないこともあって、悩んでいた時期で…。
Hさんに相談したいと連絡してました」
「それで、12月28日吉祥寺で会い、井之頭公園の店で、ふたりで飲んだと?」
「はい。その時は、本当に職場の愚痴を聞いてもらった感じで…」
「でも、そのあと、すぐにまた、貴方はHに会いたいと連絡してますね?」
「はい…」
「それは?」
「名目上は、仕事の話しでしたけど…、もう一度、会いたいと…」
「Hを、どう思ったのですか?」
「素敵な女性だなと…、当然思いましたけど…」
「Hは、貴方に頻回に会うのは、ちょっとマズイと思ったそうですが?」
「私が、会ってほしいと、しつこくお願いしました」
「12月30日ですね?」
「はい。寒い日でしたけど、ずっと狭山湖にいました」
「4時間?」
「はい、堤防歩いた後、車の中で…」
「そのあとも、年明けに逢う約束をしてますね?」
「メールのやりとり、していました」
「結婚している人妻であることは、知ってましたね?」
「はい、それは、息子さんの話とかもしてましたし…。
知ってはいましたが、結果として、好きと言う気持ちは停められないと…」
「不倫は承知の上ということですね?」
「私の気持ちとしては、会いたいという気持ちが強くなってたので…。
接しているうちに、Hさんも、そういう気持ちになってくれたのかと…」
年明け、1月5日に、ふたりは立川の居酒屋で逢っている。
さらに、1月8日に、吉祥寺で待ち合わせ、六本木に行っている。
そして、1月10日、夫の車で奥多摩湖にドライブに行き、ふたりは手をつないで歩く。
「六本木で、次の約束して…。
また休み中に会えるといいね…と、お互いに…」
「それで、奥多摩湖にドライブに行ったと?」
「最初から、奥多摩湖をめざしていたわけではないんです。
Hさんから運転を代わって、私が運転して青梅街道を西へ走って、結果として奥多摩湖に」
「妻は、その時からハッキリ恋愛感情を持ったと言ってますが?」
「その時は、ふたり恋愛感情の対象として、考えていたと思います。
小河内ダムを、手をつないで歩いて、暗くなるまで、ずっと車の中で話していました」
「もう、恋人気分ですね?」
「でも結婚しているんだよな〜と、迷いはありました。
既婚者で、まずいという気持ちはあったけれども…。
好きな気持ちのほうが、まさってしまいました」
正直な男だ…。
その気持ちに嘘はないだろう。
男は妻に恋し、妻はそれに応えた。
恋に堕ちると、人は愚かになる。
ふたりとも、十分に愚かだ…。
うらやましいくらいに…。
「夫婦間の関係については、何か聞いていましたか?」
「いえ、何も…」
「僕とHは、その時点で、もう半年以上口をきいていませんでした」
「え?そうなんですか?!」
男は、心底びっくりした顔で、傍らの妻の顔を見た。
妻は、表情を崩さないままで、夫の顔を見ていた。
「僕たちの夫婦関係は、破綻していたと言えます。
もし、裁判になっても、そのように認定されるでしょう。
しかし、それでも不倫の恋愛が正当化される訳ではありません」
「はい、それは、もちろん…」
僕は、パソコンでエクセルを開き、画面を確認する。
プリントしてホチキスで綴じたものを、二人の前に置く。
A4で27枚に及ぶ、妻からの聴取内容をまとめた、不倫行動記録表だ。
「日付等、誤りがあったら、ご指摘ください」
「……」
ふたりは、じっと見ているだけで、手を触れて開けようともしない。
僕は該当するページを開き、二人の前に改めて置く。
1月12日、二人は立川で夜、デートをしている。
1月15日、同じく立川で夜、デート。
1月16日、同じく立川で夜、デート。
1月18日、今度は狭山湖で夜、デート。
1月19日、男の職場の公用車で、デート。
1月20日、国分寺のカラオケで、デート。
「このころ、1週間で5回、逢ってますね?」
「逢いたい気持ちを、止められませんでした」
「カラオケで、初めて抱き合って、キスをしましたね?」
「…はい」
夫が男に確認するたびに、妻は眉をひそめ、表情を曇らせる。
自分がもう告白しているのに、まだ彼にも同じことを追求するのか?と…。
彼にあれこれ尋問させないために、自分は言いたくないことまで話したのに…と。
「1月22日夜、国分寺のホテル・ラフェスタに行きましたね?」
「…はい…」
「それが、妻との初めてセックスですね?」
「…はい…」
男は、恥ずかしそうに顔を伏せてうつむく。
妻は抗議するように、夫のほうに身を乗り出し、口を開く。
僕は、妻の顔を正面から見つめ、妻の発言を黙って制した。
「どちらが誘ったんでしょう?」
「どちらということではなかったと思います…」
「初めての不貞行為をした時の気持ちを、お話し下さい」
「…一番最初はまずいという気持ちが強かったんですが…。
好きな気持ちが強くなって…。
後ろめたさという気持ちは、当然ありました。
見つかったら、ヤバイという気持ちもありました…」
「後ろめたさはあったと…?」
「はい…」
「だんだん、慣れたということですか?」
「そういうわけでもなくて…」
「でも、それ以降、毎週毎週、妻とセックスしてましたよね?」
「……」
「夫である僕の車を、貴方が運転して、ホテルに行ってましたよね?」
「……」
「妻は、夫の車を勝手に使って、貴方に運転させたことは謝ると言ってます」
「…申し訳ないと思っています」
「夫の気持ちを考えたことありますか?」
「……」
「気持ち悪いです」
「……」
「妻の体をさんざん弄んだ手で、貴方はハンドルを握っていたんでしょう?」
「……」
「その同じハンドルを握って、僕は出勤するんですよ、翌朝」
「……」
「買ったばかりの新車ですけど、売り払ってしまいたいですよ!」
「……」
「わかりますか?!」
「……」
「吐きたくなるくらい、気持ち悪いんですよっ!」
「……」
男は頭を垂れ、奥歯を噛みしめている。
血の気が引いてて、青白い顔になっている。
妻は、表情を強張らせながらも、男の横顔を見やる。
僕は、心拍数が上がっている自分に気づく。
思いがけず、興奮してしまった…。
これは、示談交渉だ。
怒鳴り散らすために設けた場所ではない。
僕は、静かに深く息を吸い込み、自分を落ち着かせる。
「失礼…。もう少し、聞かせてください」
【つづく】
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徹底的に二人を追い詰めてください
当然二人が顔を会わせるのは今日が最後であり、男は今日から社会的に潰し、奧さんは奴隷扱いにすべきです
2011/6/23(木) 午前 10:55 [ che*r6*69*00* ]
奥さんの顔も見たくないです!!
リュウさんカッコ良いです!!
2011/6/23(木) 午前 11:17
妻を寝取られた男をカッコ良いとは、世の中変わったものだ。わはははは。
2011/6/23(木) 午後 1:13 [ MEME ]
さっさとお終いにして、りゅうちゃんも恋をして愚かになろうよぉ〜♪
憎しみからは憎しみしか生まれないからね。
誰かを社会から抹殺させてしまったら、いつか自分も足をすくわれる日が来る。
あはは。釈迦に説法だったね〜^^
2011/6/23(木) 午後 1:21 [ MEME ]