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僕は、男の顔を、正面から見つめる。
回りくどい嘘や、方便の言える男ではない。
妻のことを愛しているというのは、真実だろう。
セックスだけが目的ではないことは、把握された経緯からも明らかだ。
僕は、妻の顔を見る。
僕と妻の目が合う。
妻は、硬い表情のまま、目を伏せる。
「今回のことで、僕と妻は、離婚します。
妻も、そのことは、もうわかっています」
「……」
「……」
男は黙っている。
妻も黙っている。
「離婚する以上、貴方と妻がどうなろうと、もう僕が口を出すことではありません」
「……」
僕は、ゆっくり呼吸をしてから、僕の判断を伝える。
「3人が、3人とも不幸にならなくても、いいんですよ。
2人が幸せになっても、かまわないんです」
「……!?」
男は、びっくりして怪訝な顔をする。
妻は、一瞬、顔をパッと明るくする。
おいおい、そんな露骨にうれしそうな顔をするんじゃないよ。
夫に、彼との交際が認められて、うれしいのかも知れないけど。
その前に、僕と君は離婚するんだよ?
それに、この男は、君とは一緒になるつもりはないよ。
君は、この男と、一緒になりたいのかも知れないけど。
君ひとりが舞い上がってて、どうする?
「僕は、妻と離婚します。
その後、妻と貴方が結婚しても、僕は関知しませんから」
男は一瞬、困惑の表情を浮かべる。
「Hを、嫌いにはなっていないんでしょ?」
「はい」
「でも、別れると?」
「はい」
僕は、男に改めて問う。
「妻と会ったら、違約金を取るとか、示談書に書くつもりはありませんが?」
「示談書の内容によらず、私の気持ちとしては、変わりません。
今後、Hさんと話しをするにしても、結果はそうなると思う」
「妻は、貴方のこと、愛しているようですよ?
妻のほうが、会いたいと、わがまま言うかも知れませんよ?」
「身勝手かも知れませんけど、どうしてもそういう気持ちにはなれません。
Hさんにも、申し訳ないですけど…」
本来、僕がどうこう言う問題ではない。
当事者のふたりにまかせればよいことだ。
でも、おそらく、この男の言うとおりになるだろう。
妻が男に会うことを求めても、この男は妻を遠ざけて、会おうとはしないだろう。
僕と別れて、男との将来像を夢見ている妻には可哀想だが。
この恋愛は、うまくいくはずがない。
夫に発覚してしまった時点で、男はすでに引いてしまっている。
不倫だからこそ、責任もなく、ピュアな恋愛に浸っていられたのだ、きっと…。
「僕のほうは、損害賠償をきちんと払っていただければ、結構です。
貴方と妻が、どのようになろうと、離婚後は関知しないことをお約束します。
示談書については、この後、僕のほうで作成します。
慰謝料の金額については、平均的妥当な金額を提示するつもりですので、ご安心ください。
文書ができあがったら、妻を通じて連絡します。
僕は、貴方と妻との連絡を、制限するつもりもありません。
妻の携帯は今までどおりですし、電話もメールも可能です。」
男は頷いて、黙って聞いていた。
「ひとつ余計なことですが、忠告させて下さい。
妻は貴方と付き合うようになってから、大変な浪費をしています。
月3〜4万しか使ってなかったクレジットは、最近、月20万以上に膨らんでいます。
頻回にランジェリーを買ったり、貴方のためにプレゼントを買ったり。
少し舞い上がっていますので、節度を持ったおつきあいをして下さい。
僕と離婚したあと、妻の収入では、間違いなく経済的に破綻します」
本当に、余計な蛇足だ。
でも、男は、びっくりした顔をしている。
そんなに浪費しているのかと、驚いている。
あるいは、妻が男にのめりこんでいるのを目の当たりにして、当惑している。
僕は「これで終わりです。何かありますか?」と男に問う。
男は「いえ…。本当に申し訳ありませんでした」と頭を下げる。
妻は硬い表情のまま、席を立つ。
三角関係の三者面談は、こうして終わった。
二人が部屋を出て行ってから、僕は書斎椅子に深く腰を掛けた。
高い背もたれに身をゆだねて揺らしながら、ずっと座っていた。
ただ、ぼ〜っとして、いつまでも椅子を揺らして座っていた…。
【おわり】
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人妻だから、セックスが良かった。発覚し、夫に知られたら面白くなくなった。これって卑怯極まりない行動だね。ランジェリーを沢山買って男を喜ばすっていう奥さまの性欲はエッチそのもの。矢張男より女の方がスケベなのかなあ。
2011/7/7(木) 午前 6:59 [ che*r6*69*00* ]
やっぱり不倫は不倫だね〜
金額も知りたかった。。。
2011/7/7(木) 午前 9:09
お互いに、お互いのその後ろにある全てのものを考えずにいられる、個対個の恋愛だったんだと思う。社会人ではなく、学生のような。
だから、発覚したことで、男のほうは、自分の後ろにあるもの、今までの道のり、学歴、親、仕事、諸々が突如浮かび上がってきて、夢から覚めてしまったのかもね。
2011/7/7(木) 午前 9:11 [ MEME ]
恋と愛(のち、「情」となる)の違いだね。
そう考えると、高々紙一枚の関係ではあるけどさ、夫婦って24時間、365日、無様な日も、体調悪くて汚い日も、ずっとそれをさらして生活してきたってことは、他人でありながら、けっこーすごいことだよなぁ〜。。
奥さん、一人になって、りゅうちゃんとのそれに気が付くのかもな〜。。
2011/7/7(木) 午前 9:19 [ MEME ]
奥さんはさ、エッチのためっちゅーか、自分が最高のエクスタシーを感じるためだけにランジェを買いあさったわけじゃないと思うよ。
そりゃ、アイテムのひとつではあっただろけど、8歳上、かつ、母乳で育てた乳首、相手は独身ってところから、ただ、恋する男を喜ばせたい女心が大きかったんだと思うよ。
やったことは悪いこと。
りゅうちゃんがそれを責めるのは当然の権利。
でも、負いきれない責任やいろんなものが今も、これからも彼女には降ってくる。その重圧にこれから彼女は堪えて進んでいかなくてはならない。
他人が彼女をとやかく責める権利はどこにもない。
でも、もう少しすると自分を守るために転嫁の作業が開始されるだろうけどね。それが女だから。
あまり友人がいないようだから、また酒にのまれて、ブラックアウトしないといいけどなぁ。。
2011/7/7(木) 午前 9:29 [ MEME ]
さ、りゅうちゃん、のみにいこーぜぃ♪
今日の仕事もがんばっ!
あ、間に合ったかぃ?(笑)
2011/7/7(木) 午前 9:32 [ MEME ]
しかし。。
もう2度と会えないってなったら、奥さんの中では、今回のこの恋は「本気で愛した人だった。。素敵な時間。。私にとって、生涯忘れられない恋」になって、彼を思いながら、悲しくも美しい恋愛の思い出に浸れただろうけど、会っていいといわれてるのに、「もう会わない」彼・・「(((あの人は遊びだったのかしら。。自分のことは本気ではなかった・・あの人にとってはただの過ちだった)))」っていう思いから、彼と過ごした時間、恋がただ、悲しくむなしいものになってしまうだろうね。。。
これは、りゅうちゃんの奥さんへの最期の「贈り物」なのね。それとも「最後っ屁」かな?
いずれにしろ、出し切ったかな?
2011/7/7(木) 午前 11:06 [ MEME ]
お疲れ様でした。
精神的な疲労が溜まっていませんか?
2004からの奥様の態度を思うと、りゅうさんの事が心配です。
余計な事と思いますが…りゅうさんはさりげない気遣いが出来る素敵な方だと思いますから、もしMさんと別れなくても、奥様は後悔なさったと思います。
2011/7/7(木) 午前 11:44 [ 春蜜 ]
リュウさん、
長いラブレターを読ませていただきました。
大変お疲れさまでした。
奥様への最後のラブレターを書き終えて、
きっと、今頃も
ただ、ぼ〜っとして、いつまでも椅子を揺らして座っていた…。
こんな状態でしょうか?
それとも、今ごろは椅子から立ち上がり、ご自分の生きる道を見つめているのでしょうか?
少しでも明るい未来を見つめていらっしゃれば良いなぁーと思います。
たまには、気分転換に
また五行歌でも歌って見てはいかがですか?(*^-^)ニコ
2011/7/7(木) 午後 11:48
もう一度、始めから読み直してみました。どうしても解らない点があります。奥さまは何故、罪を犯し夫を裏切りわけのわからない男と面倒なセックスをしたのでしょうか?
男の生理とは違い、普通は簡単に身体を赦さないとは思いますが…。余程、欲求不満だっのか。裸になることに恥ずかしさがない打算的なやけくそな行動だね。
2011/7/10(日) 午前 3:57 [ che*r6*69*00* ]