□■□ひとり静かに思うこと□■□

六白金星、今年は最高の運気の年だとか?ほんまかいな?

僕と妻の生きる道

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あとがき


『僕と妻の生きる道』
全50話、20万字を超える記事になってしまいました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

結論のないまま、終わってしまって、あるいは期待を裏切ってしまったかもしれません。
でも、これが、僕と妻との偽らざるごく普通の日々でした。

『僕と妻の生きる道』は、2004年8月から12月にかけて、書き記したものです。
まるで未完のまま、パソコンの中に眠っていた記事で、中途半端なまま、終わります。
書くことで、綴ることで、当時の僕は、自分を保とうとしていました。

その後の僕たち夫婦の経緯については、皆さんの想像にゆだねます。
ただ、この6年後が『妻へのラブレター』や『探偵物語』につながったのは、事実です。
僕からすると、どこかデジャ・ビュー(既視感)めいて感じられたのも、事実です…。





妻の携帯メールの相手が誰であったのか、もう今はわかりません。
今回の離婚の過程で、妻に何回か問いただしましたが。

「2004年?何?それ?」
それが、妻の返答でした。

「いつも、携帯いじっていたよね?」
「それは、ゲームをしていただけよ」
「ゲームの時は、リビングででしょう?」
「寝室でもしてたわ」
「では、僕が現れると、携帯を隠したのはなぜ?」
「そうだったかしら?」

「僕から見ると、今回のMくんの一件と、まるで同じ行動だったけどね?」
「そう?」
「寸暇を惜しんで、家族と離れて、寝室でメールしてたよね?」
「そんな相手いなかったわ」
「また、僕の妄想だと?」
「もう、忘れたわ、そんな前のこと」

証拠は何も、ありません。
妻の言うように、僕の妄想かも知れません。
妻への、醜い嫉妬でしかなかったのかも知れません。

でも、本当にそうでしょうか?
愛をささやき合ってる男がいたとしか、僕には思えないのですが…。
皆さんから見ると、どうでしょう?





『僕と妻の生きる道』
最後までお付き合いいただいて、ありがとうございました。
もう、昔のことは書ききったので、あとは現在のことを書いて、終わりにします。

僕は、僕の生きる道を、生きていかねばなりませんから…。
妻には、妻の生きる道が、あるのでしょうから…。

率直ないろいろなコメント、ありがとうございました。
自分のこととして考えてくれた、内緒のコメント、ありがとうございました。

一つひとつのコメントに、ご返事する余裕は、まだないのですが。
いずれ、ゆっくり、ご返事します。

生きていくのは、煩悩だらけだけど。
自分の人生、自分で切り開いていかなきゃ。

一連の経過を記したら、もう、このブログ、閉じようかとも思ったのですが。
僕は、僕の生きる道、綴っていこうかと…。

今は、そう思います。
今、そう思えるようになりました。

皆さん、ありがとう。
どうも、ありがとう。

『ひとり静かに思うこと』
末永く、おつきあいください。


リュウ

50


朝、長男がクラブに行くため、7時台に起きようとした。
妻が寝返りを打って、時計を確認する仕草に目が覚めた。

妻が、布団の中で身を寄せてきた。
妻の体を抱き寄せ、朝立ちしている自分の下半身を押し当てた。
妻のウエストに手をまわしても、身を離さなかった。

妻の腰から下に手をはわせていくと、明確にはねのけられた。
起きようとすると「いいよ。私が起きる。夕べまた遅くまで起きていたんでしょう」と妻が言う。
ありがたく、寝坊させて貰うことにした。

それからまた眠り、気が付くともう11時近かった。
やばい!と思った。
滅多にない寝坊だが、自分が行うことを求められている家事を一切やらなかった事になる。

リビングに上がると、次男も起きたばかりだった。
妻は洗濯物を干していた。
「おはよう」と声をかけたが、返事は無かった。
機嫌が悪い。
眉間に皺を寄せて、目が吊り上がっている。
既に化粧もしっかり済んでいた。
本当は、午前中から出かけるつもりだったのかもしれない。
何も言わず、僕と入れ替わりに寝室に勢いよく下りていき、シーツと布団カバーを剥がし洗濯機をまた回し始めた。
僕が次男と二人だけの遅い朝食準備をしている間も、妻は苛立ちを露わにした表情で動き回っていた。
僕が声をかけても、一切返事はなかった。

11時20分。
妻は寝室に下りていった。
冷凍の米飯をレンジで解凍し、即席みそ汁を作り、大根をおろしシラスをかけ、のりを出して、僕は次男と納豆ご飯を食べた。

11時40分。
洗濯機が仕上がりを告げると、妻は上がってきて手早くシーツ等を庭に干すと、また寝室に下りていった。
静かだった。
メールをしているのだろう。
僕は新聞を少し読んでから、リビングの掃除を始めた。

12時20分。
妻は寝室から上がってきて、今度は風呂の掃除をし出した。

20分程して、また寝室に下りていった。
しばらく寝室で、ガタガタ何かしていた。

1時頃には、また静かになった。
僕は階下に物音が伝わるように(今、決して夫は階下に下りて来ないという保証を妻に伝えながら)家具を動かしてフローリングの掃除を進めた。
その後、気になっていた台所のクロス壁を拭き始めた。

1時20分。
長男から電話があった。
「昼飯食ってくから」という短い内容だった。
「ん、わかった」とだけ返事した。
多分、妻はその電話のやりとりを、ベッドの上で類推していたろう。

1時40分。
妻が上がってきて「お兄ちゃん、食べてくるって?」と僕に確認した。
「みたいだね」
今日始めて交わした、夫婦の会話だった。
続けて次男の所在を尋ねるので「部屋にいるよ。出かけるって」と答えた。
この二言だけのやりとりで会話は終わった。

次男が出かけた。
妻は、食卓でナンプレを始めた。
僕は、台所で煙草を吸っていた。
家の中に夫婦二人だけだ。
会話はない。

何か話すべきだろうと思った。
別に妻のメル友のことを直截に話題にする必要はない。
最近オープンしたショッピングモールに行ってみることを、後ろから妻の背中に提案した。妻は「今から?」と肩をそびやかして、呆れたというように黙った。

僕は寝室に下りて、ようやく着替えた。
寝室には、妻の捨てた古い化粧品類がレジ袋に詰め込まれていた。
ケータイは充電器に差し込まれ、赤いランプを灯していた。
リビングに戻ると、妻は入れ替わりに寝室に下りていった。

僕は、リビングのソファで本を読み始めていた。
一緒に出かけることを拒否された以上、どうしようもない。
少し腰を落ち着けて、なぜ今朝不機嫌だったのか、聞いてみても良いだろう。
本から目を上げると、ハーフコートを着て外出する格好になっている妻がいた。

唐突な展開に「出かけるの?」と尋ねると、妻はどこへとも言わず、バッグの中味を確認していた。
「家にいたくないんだ?」と僕は尋ねた。
僕としては、夫と一緒に、という意味合いで伝えたつもりだったが
「一日いたくなんかないわよ。前から言ってるでしょ!」
と妻は挑みかかるように冷笑した。

妻は、続きの会話を避けるように、さっさと玄関に向かった。
僕はソファに腰掛けたまま、「今朝機嫌が悪かったのは、なぜなの?」と声をかけた。
妻は一瞬怪訝な表情を浮かべ「シーツを洗いたかったからよ」と靴を履きながら答えた。
「僕が寝坊してたから、シーツを洗えなかったということ?」
「そうよ」

それだけ言って、急いで出て行った。
夫と余計な話を交わすつもりは無いと宣言するように。
あるいは、待ち合わせに遅れることに苛立つように。

直後に、マンションの集合玄関の呼び出しが鳴った。
次男が帰ってきた。
友人との待ち合わせが、上手くいかなかったようだ。
妻は一緒に玄関に戻ってきて「お母さん出かけるからね」と次男に言い、すぐに出て行った。
夫とコミュニケーションを図ろうとする努力は一切見られないが、息子達とは本当に寸暇を惜しんで会話を図っている。
大したものだ。

次男と一緒に、カップラーメンを食べた。
次男のケータイにメールが届き、30分後に次男も出て行った。

長男は帰ってこない。
休日、僕は家に一人だ。

天気の良い祭日の午後を、所在なく過ごした。
テレビで駅伝を放映していて、僕はずっとリビングにいたのだが…。
どの国が、何着だったのか、僕は、まるで知らない…。


【おわり】

49


昨夜0時過ぎのこと。

風呂に入る時になって自分のパジャマが寝室に置きっぱなしになってる事に気が付いた。
妻が寝室に下りてからだと、暗闇でケータイを操作している姿を見ることになる。
だから、だいたい妻が寝る前にパジャマは寝室から持ってきておいて置くようにしていた。
暗闇のおぞましい妻の顔は見たくない…。

もう40分も前に、妻は何も言わず寝室に下りて行っている。
もう寝てるかもしれない。
少し大げさにスリッパの音をたてながら、階段を下りて行った。

寝室は真っ暗だった。
いつも真っ先に目がいってしまう、ケータイの赤い充電ランプも無かった。

妻は、メールをしてたのだ。
夫が下りてくる物音で、いち早く布団の中にケータイを隠したのだろう。
そして何食わぬ顔で、寝たふりをしているのだ。

目の前で隠す仕草を、目の当たりにするよりは良い。
ただ、これでいつも妻が11時半頃には寝室に下りていった後、密やかな楽しみの時間を送っている事がはっきりした。

妻にとっては、とても大事な時間なのだろう。
夫に、決して介入されたくない時間。
家族の知らない、ひとりの女に戻れる時間。

僕がせいぜい1時半にならないと、寝室には下りて来ないことがはっきりしているから。
心ゆくまで、愛しい男へのおやすみメールが打てるのだろう。
夫の側がそれをわかっていて、わざと眠るのを遅らせていることを知りもしないで…。

ひとりぬるくなった風呂につかり、深夜のBSの映画を見ながら、ウイスキーを飲んだ。
するめをかじりながら、3時近くまで飲んだ。
勝手に一人で酔っぱらった。

寝室に下りると、ケータイの充電ランプが灯っていた。
僕は、寝息を立てる妻の横に、そっと身を横たえた。


(2004年11月23日)


【全50回、次回最終回】

48

 

昼過ぎ、不自然に出かけた妻は、3時半に戻ってきた。
僕のうがった見方だったのだろうか?
どこかの男と、外で会っていたにしては早すぎる。

出かける前に言ってた通り、詰め替え用のシャンプーやコンディショナーを買ってきた。
但し、イトーヨーカドーの袋ではなく、自転車で家から5〜6分のドラッグストアのレジ袋だ。
あの店に2時間近くいた訳でもないだろう?

「イトヨー行ったんじゃないんだ?」
僕は、特に他意は無いことを示すように、さらりと尋ねた。
妻は煙草を吸ったまま「何も買うものなかったから」と返事にならない返答をした。

妻の言うとおりであれば、自転車で15分かかるイトヨーに行って、ブラブラ店内を見たけど何も買うものが無かった。
帰りにドラッグストアに寄って、必要なものだけ買ってきた…ということになる。

僕の想像は違う。

メールのやりとりで、妻は男と逢う約束をし、頃合いを見計らって出かけて行った。
もしかすると、それはドラッグストアの駐車場であったのかもしれない。
言い訳の買い物だけ済ませ、男の車に乗って何処かへ行った。
自転車はそのまま。

ホテルに行くには、余りにも時間が無い。
どこかに車を止めて、ずっと車の中にいたのだろうか?
少し車を走らせて、何処かの店でも入って、嬉々としてお茶をしながらお喋りでもしてたのだろうか?
カラオケボックスくらいなら、不自然ではない時間だ。

「あ、お腹すいてんじゃない?
お昼、食べて無いじゃない?
スパゲッティ余計に作って、残ってるけど?」

人一倍空腹に弱く、低血糖症状が起きてしまう妻だ。
僕は、ごく自然に勧めた。

「変な時間に食べると、夕食食べれなくなるからいい」

どこかで、何か食べてきたのか?
妻を正面から見ると、ほんのり顔に赤味がさしている。
普段しない、頬紅をしていったのだろうか。
どこかで、アルコールを飲んできた?

煙草を吸い終えた妻は、僕を避けるように黙って階下に下りていってしまった。
僕は、またパソコンに向かった。

妻はしばらく何か物音をたてていたが、やがて静かになった。
1時間ほどして本を取りに寝室に行くと、灯りのついたまま妻はベッドで眠っていた(ように見えた)。
外はもう暗くなりかけていた。

更に30分ほどして、庭に洗濯物を取り込みにいくと、テラス越しに妻がベッドの上でケータイをいじっているのが見えた。
僕は庭からその後ろ姿をしばらく見ていたが、妻はまったく気が付かなかった。
一度きちんと「夕方以降はカーテンを閉めないと外から丸見えだよ」と注意した方が良いだろうか…。

5時過ぎ、僕が夕食の下ごしらえをし始めると、妻は台所に上がってきた。
今日の夕食はトンカツだ。
台所で米を研ぎ、キャベツを刻む僕に背を向けて、妻はナンプレ雑誌を鉛筆片手に解き始めた。

一度だけケータイを手にとって、突然窓際に行って画面を覗き込んでいた。
戻ってきて「ケータイ、ちゃんと電波入る?」と僕に尋ねる。
「auは入るよ」
「あら、いいわね」

ケータイでゲームをしたり、ナンプレをしたりしてるのは、妻からするとレスポンスを待っている時間なのだろう。
6時にはまた階下に下りて行った。

夜7時、夕食ができた事を告げると、次男、長男がそれぞれ自室から現れた。
一番後から登場したのが、妻だ。
メールがどうにも中途半端だったのだろうか。
何も言わずに着席し食べ始めたが、さほど空腹ではなさそうだった。

子供達は夕食が済むと、すぐに自室に引き上げた。
しばらく夫婦だけ、リビングでテレビを見ていた。
たいして面白い番組もなく、僕は本を読み始め、妻はケータイでゲームを始めた。

それから早々と、妻は風呂に入った。
9時前に、妻が一番に入るのは珍しい。
どうも今日は、いつもと行動パターンが異なる。

僕との会話は殆ど無い。
差し障りのない事だけ。
これはいつものことだが。
それでも、僕が話しかけようとすると、ほんの一瞬先に身をかわし会話を避けてるように思えてしまう。
何か露呈するのを恐れるように、目線を合わさない。
 
いつものように、僕が最後に風呂に入った。
風呂場で体を洗いながら、妻がセックスしている時の姿を思い浮かべた。
少し酔って、大胆にドレッサーの前で抱き合う妻の姿。
悦びに震えて、あえぐ妻の姿を思い浮かべながら、僕は泡だらけの右手でオナニーをした。

風呂から出て、ふと洗濯籠が目についた。
上に脱ぎ捨てられた息子らの衣類をかき分け、妻の下着を探した。
妻の茶色の小さい下着は、Tシャツにくるまれて下の方にあった。

下着の股間の部分は、おりものが付着し固くなっていた。
いつもこんなに、汚れているものなのだろうか?
男と抱き合っていて、濡れてしまったのだろうか?

普段と比較しないと、わからない。
自分が浅ましく思えてきて、惨めだった。


(2004年11月21日)

47

ケータイを買った。

少し、家の中での位置が変わった。
僕がリビングでケータイをいじっている時、妻は寝室にいる。
自分の視野に妻がいないのと、自分一人がすることもなく時間を持て余す事が無くなり、気分的にはとっても楽になった。

寝室に下りていた妻が上がってきて、僕がケータイをいじっているのを見て、ニコリと微笑んだ。

ケータイにはまるのが、自分だけじゃないと安心したのか?
多少なりともあった夫への後ろめたさが、解消したのか?
ケータイに不慣れな夫が、操作に四苦八苦してるように見えたのが、ほほえましかったのか?

実は、まったく、そんなことはないのだが…。
妻が、知らないだけで…。

妻にケータイを叩き壊されてからも、僕はケータイを持っていた。
約3年間、家の中には、まったく持ち込まなかったが。
車で帰宅すると、運転席の下に置いて隠していた。

妻が考えるような、いかがわしい関係の会話やメールがあったわけでは、決してない。
むしろ、ほとんど使う機会はなかったというのが、正直なところだ。
家にいるプライベートな時間に使えないのだから、当たり前だ。
日中の仕事中は、職場で貸与されているPHSを使っていたし。

それでも、ケータイを持ち続けたのは、自分の世界との接点を確保しておきたかったからだ。
僕にだって、友人がいて、仕事上で知り合った仲間もいる。
ケータイでかろうじてつながっている、知人関係は結構多い。
端末が破壊されても、契約は生きていたので、自分で新しい端末を買ったのだ。

妻は、夫の他者との関係を断ち切り、あらゆるコミュニケーションを断とうとした。
「愛する妻子のために」すべての時間を費やすことを、夫に求めた。
妻の監視下で、何も自由のなかった自分が悔しかった。
そんないびつな、縛り付ける関係は、何も生みはしないのに。

夫婦両者が、それぞれケータイを持つことが当たり前になって、少し家庭の雰囲気が変わった。

妻からすれば、少し罪悪感が減ったのかも知れない。
僕からすれば、少し自由になって、家の中で息ができるようになった。
夫婦が、それぞれ自由でいることって、大事なことなのだろう。





僕が今日一日着ていた、ボタンダウンのシャツは、妻が昨日アイロンをかけたものだった。
夜になって「アイロンかけたのわかった?」と妻は微笑んだ。

朝から、何か滑らかな感触だった。
出勤前から、自分の掌で表面を撫でてみては「アイロンもかけてないのに・・・」と不思議だった。
それが何かわからなかった。

「それでかぁ。いや、どうしたんだろうと思ってた。ありがとう」

僕は素直に感謝した。
感動もしていた。

なんてことだ。
妻が優しくなった。
恋をすると、女はこんなにも変わるのか。

男にしては色々家事をこなす自分だが、アイロンがけはしたことが殆ど無い。
面倒くさいことが、もちろんある。
まるで皺だらけのワイシャツは困るので、ここ10年ほどは、形態安定か形状記憶と表示されたものしか買わないようにしていた。

妻に衣類のアイロンがけをして貰ったのは、何年ぶりだろう?
少なくとも、ここ10年近くは無かったはずだ。
もともと、余りアイロンがけは習慣に無い妻だったが、結婚当初はやってくれていた。
「わざわざアイロンがけの必要なものなんか、着なければ良いのに」
それが妻の口癖だった。

僕の仕事が専門職と言うこともあり、ポロシャツの類を着るようになっていった。
どうしても必要なものは、クリーニング店に自分で持って行っていた。

僕にとっては、それが当たり前だった。
妻にとっては、それは当たり前ではなかった。

「無駄な金を使う」ことを妻に非難されたこともある。
これは二人の家庭の生活史の違いで、どうしようもなかったのかも知れない。





僕たち夫婦は、二人の価値観も大きく違っていた。

妻は、世間が狭く、遊びに一緒に行くような友人が、ほとんどいなかった。
僕は、顔がやたら広く、いろんなお誘いが常にあり、いつも断らざるを得なかった。

妻は、生きていくには、金が一番大事だと考えていた。
僕は、生きていくのに、金は必要最低限、あればいいと考えていた。

妻は、銀座とか出かけて、自分の好きなブランド品を買いたがった。
僕は、ブランドには無頓着だし、高い買い物は馬鹿らしいと思っていた。

妻は、老後は、横浜あたりの都会の街中のマンションで過ごすのが、夢だった。
僕は、老後は、信州あたりで山を見ながら、古い民家で住むのが、夢だった。

もとから、ふたりの生き方や志向性は、合うはずもなかったのかも知れない。
その意味では、妻の言うとおり「この結婚は失敗だった」のだろう。

生き方がちがう。
価値観がちがう。

本当は、そのちがいを共有できて、楽しめればいいのだが…。
勝ち負けにこだわり、同一化を求める妻に、僕はだんだん沈黙せざるを得なかった。

僕たち夫婦は、年々、お互いとの距離を感じながら暮らしていた。
息が詰まりそうな相手との関係に、我慢しながら生活していた。

とても、不健康な夫婦関係だ。
そして、それをお互いによくわかっている。

出口が見えない…?
出口は見えている?

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