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			<title>□■□ひとり静かに思うこと□■□</title>
			<description>[[embed(http://www.layoutcodez.net/flashtoys/aquarium.swf,0,300,225)]]

ようこそ！初めて開設した、稚拙なブログです。
日記を書いてみようと思いました。
日々の身のまわりのことや、色々考えていること。
昔のこと、今のこと、仕事のこと、家でのこと。
今まで人には言えずに、飲み込んできてしまった言葉。
誰にも言えない、自分の秘密の体験。
僕が僕であることの証し…。

静かに独り言のように…。
書くことで自分を確認したいだけなのかも。
でも、他人に伝えたいから書くんです、やっぱり。

だから、訪ねてくれた人のコメントは、すごくうれしい。
顔も名前も知らない、あなたの言葉が、欲しいです。
そして、僕の言葉が、あなたに伝わればうれしいです。

たまたま、同じ時に生き、ネットでつながった、あなたの足跡を残して下さい。
あとで、僕の方からも、お邪魔させてもらいます。</description>
			<link>https://blogs.yahoo.co.jp/sirahamaryu</link>
			<language>ja</language>
			<copyright>Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.</copyright>
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			<title>□■□ひとり静かに思うこと□■□</title>
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ようこそ！初めて開設した、稚拙なブログです。
日記を書いてみようと思いました。
日々の身のまわりのことや、色々考えていること。
昔のこと、今のこと、仕事のこと、家でのこと。
今まで人には言えずに、飲み込んできてしまった言葉。
誰にも言えない、自分の秘密の体験。
僕が僕であることの証し…。

静かに独り言のように…。
書くことで自分を確認したいだけなのかも。
でも、他人に伝えたいから書くんです、やっぱり。

だから、訪ねてくれた人のコメントは、すごくうれしい。
顔も名前も知らない、あなたの言葉が、欲しいです。
そして、僕の言葉が、あなたに伝わればうれしいです。

たまたま、同じ時に生き、ネットでつながった、あなたの足跡を残して下さい。
あとで、僕の方からも、お邪魔させてもらいます。</description>
			<link>https://blogs.yahoo.co.jp/sirahamaryu</link>
		</image>
		<item>
			<title>家を出る（９）～離婚旅行（前）</title>
			<description>結婚したら、新婚旅行。&lt;br /&gt;
離婚するんだから、離婚旅行。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
そんな、単純な発想だった。&lt;br /&gt;
他人が聞いたら、馬鹿げているかも知れないが。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
もう、僕と妻が離婚することは決まっている。&lt;br /&gt;
双方の署名した離婚届は、僕の手元にあった。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
いつ、役所に届けを出すか。&lt;br /&gt;
離婚旅行が済んだらと、僕は勝手に決めていた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
☆&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
ふたりで車で、福島に向かった。&lt;br /&gt;
結婚前の独身時代、一回だけふたりで旅行した福島へ。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
東北道には、あちこち亀裂が入り、震災の激しさを痛感した。&lt;br /&gt;
北に向うにつれて、ブルーシートの掛けられた民家が目立った。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
僕が運転し、妻は助手席に座っている。&lt;br /&gt;
ふたりで並んで座り、車に乗ったのは約1年ぶりだった。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
昨年末から、僕の座る場所には、いつもあの男がいた。&lt;br /&gt;
車のハンドルは、妻の体を弄んだあの男の指と手で握られていた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
妻は、あまりしゃべらない。&lt;br /&gt;
僕も、あまりしゃべらない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
妻は「ＣＤかけていい？」と言い、ケミストリーのＣＤをセットする。&lt;br /&gt;
「いい歌なの。聞けば聞くほど、奥深いなぁって思う」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
妻は、いつも寝室のベッドサイドで、ひとりで聞いていた。&lt;br /&gt;
僕が、その曲を聞くのは初めてだと思っている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
愛しすぎて～♪…という聞きなれた曲が、耳に飛び込んでくる。&lt;br /&gt;
いつも妻が、深夜に男と電話でひそひそ話すとき、必ず流していた曲だ。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
その曲は、盗聴したＩＣレコーダーで何回も聞いていた。&lt;br /&gt;
レコーダーを再生して、耳を澄ませて、僕は妻の会話をパソコンで打っていた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
妻同様に、いやそれ以上に、僕はこの曲を聴いているかも知れない。&lt;br /&gt;
胸の奥に抑えつけている嫌悪感が、むくむくと湧き起ってくる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
妻は、そのことを知らない。&lt;br /&gt;
盗聴していた事実は、妻にも告げたが、曲のことまで話していない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「この曲…、僕は、嫌いだ」&lt;br /&gt;
僕のひとことに、妻は「え？」と怪訝な顔を向ける。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「いつも聞いていたでしょう？Ｍと電話で話すとき」&lt;br /&gt;
「…？！！」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「Ｈにとっては、愛しい曲かも知れないけどね？&lt;br /&gt;
夫である僕にとっては、一番聞きたくない曲だ」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「……ごめんなさい、無神経で…」&lt;br /&gt;
妻は、ＣＤを取り出そうとする。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「いいよ、そのままで。&lt;br /&gt;
もう聞きなれているから、大丈夫だ」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「……」&lt;br /&gt;
ケミストリーの曲が、ずっと車内で鳴り響く。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「Ｍとは、連絡とってるの？」&lt;br /&gt;
「……」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「別に、連絡とっていいんだよ、今後のこととか。&lt;br /&gt;
携帯で、時々電話してるんじゃないの？」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「メールはしてるけど、向こうからはかけてこない。&lt;br /&gt;
私が電話すると、出ないか、出てもすぐ切ろうとする」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「Ｍの慰謝料、Ｈが立て替えて払ったでしょう？&lt;br /&gt;
Ｍは払う気あんのかね？戻ってこないんじゃない？」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「払うとは言ってるけど…。&lt;br /&gt;
借用書までは、書いてもらってないけど」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「どちらでもいいけどね、僕は。&lt;br /&gt;
ただ、あいつが無罪放免のようになるのは、許しがたい」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「後悔はしてるし、あなたには申し訳ないと言ってる」&lt;br /&gt;
妻は、男を弁護する。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「どうすんの？これから？&lt;br /&gt;
君たちは、付き合い続けていけるのかな？」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「彼は、あまり私と会う気はないみたい…」&lt;br /&gt;
「君は、彼に会いたいんだね？」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「……」&lt;br /&gt;
妻は黙る。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
僕は、いまだ残る疑問な点を、妻に尋ねる。&lt;br /&gt;
昔の携帯いじりの激しかった時のことや、メモに残されていたＭ以外の男のこと。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
妻は「知らない」「そんなことない」「淋しい私の妄想世界」と否定する。&lt;br /&gt;
もう、妻の心の中では上書き記憶されて、データは残っていないらしい。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
静かな声での、棘を含んだ言葉のやりとりが続く。&lt;br /&gt;
離婚する夫婦の会話だから、こんなものかも知れないが…。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
☆&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
離婚旅行。&lt;br /&gt;
結婚生活にピリオドを打つ旅。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
銀婚式目前の２４年間。&lt;br /&gt;
人生の半分近くを、一緒に過ごした結婚生活。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
もう少し、なんとかなったのかも知れない。&lt;br /&gt;
もしかしたら、添い遂げられたのかも知れない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
でも、お互いに、不器用だった。&lt;br /&gt;
お互いに、意地を張りあった。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
コミュニケーションが不足していた。&lt;br /&gt;
身体接触が、本当に少なかった。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
僕が、妻に求めていたもの。&lt;br /&gt;
妻が、僕に求めていたもの。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
言葉はすれ違い、愛情は空振りに終わった。&lt;br /&gt;
数えきれない努力は、実を結ぶことはなかった。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
それでも、今は、まだ夫婦だから…。&lt;br /&gt;
伝えなければならない、伝えたい言葉が、まだあるから…。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
１泊２日の、離婚旅行。&lt;br /&gt;
僕たちは、２４年間の生活に、上手にピリオドを打てるだろうか…。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
（つづく）</description>
			<link>https://blogs.yahoo.co.jp/sirahamaryu/52144366.html</link>
			<pubDate>Sat, 24 Sep 2011 23:04:41 +0900</pubDate>
			<category>離婚</category>
		</item>
		<item>
			<title>家を出る（８）～妻との夜</title>
			<description>深夜までの、夫婦の語らい。&lt;br /&gt;
妻は、酔って、防衛が解ける。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「お父さん…、ひとりで寝るの？」&lt;br /&gt;
グラスを片づけながら、妻はやや焦点の定まらない目線で、僕を誘う。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
もう、妻とはずっと寝室を共にしていなかった。&lt;br /&gt;
僕は和室で布団を敷き、妻は階下の寝室のベッドで、寝ていた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「一緒に寝ようか？&lt;br /&gt;
もう、そういう機会もなくなるし」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
僕は妻の誘いに応じる。&lt;br /&gt;
妻は、少しうれしそうな笑みを浮かべる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
ふたりで寝室に降りる。&lt;br /&gt;
妻は、ケミストリーの曲をかける。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
いつも、いつも、あの男と電話をする時に、かかってた曲だ。&lt;br /&gt;
僕は、その曲を、盗聴したボイスレコーダーで何回も聞いた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
妻に、ボイスレコーダーのことは話した。&lt;br /&gt;
でも、この曲のことは、何も告げていなかった。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
勘弁してほしい…。&lt;br /&gt;
妻にとっては、好きな曲をかけているだけなのだろうが。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
それでも、僕は何も言わなかった。&lt;br /&gt;
妻は「いい曲でしょう？」と言い、ベッドに身を横たえる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
寝室の照明を消す。&lt;br /&gt;
ふたりの静かな息遣いが、お互いの耳に響く。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
妻は、息を吐きながら、身を寄せてくる。&lt;br /&gt;
僕の左腕にしがみつく。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「愛しすぎて～♪」とケミストリーが歌う。&lt;br /&gt;
妻は、隣にいる男を、間違えていないだろうか？&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
☆&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
妻は、欲情している。&lt;br /&gt;
僕の下半身を手で探り、パンツの中の僕の分身を弄ぶ。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
僕の身体は反応し、意に反して、硬く屹立してしまう。&lt;br /&gt;
僕は、妻の小さな肩を抱き寄せた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
妻は、自分で服を脱ぎ、黒い下着姿になる。&lt;br /&gt;
そして、そのまま、僕の上に覆いかぶさってくる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
妻の股間に、僕の分身が当たる。&lt;br /&gt;
妻は腰をスライドさせて前後させながら、激しく喘ぎだす。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「来て…、あなた…、来て…」&lt;br /&gt;
妻は哀願するように、僕の耳元でささやく。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
妻の黒のランジェリーは、新しい。&lt;br /&gt;
男のために購入したもので、実際に身に着けているのを、夫の僕が見るのは初めてだった。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
でも、洗濯籠に無造作に隠されていたのは、見たことがある。&lt;br /&gt;
局部が白く汚れ、まだ湿り気を帯びていた、真新しい黒の下着…。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
僕は、その下着に指を差し入れた。&lt;br /&gt;
妻の花弁は、すでに激しく濡れていた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
妻を横にならせ、僕は服を脱ぎ、妻に覆いかぶさった。&lt;br /&gt;
そして、パンティを脱がさないまま、妻の花弁に自分自身を挿入した。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
おそらく、１か月半前、この下着を着たまま、妻がそう愛し合ったように。&lt;br /&gt;
欲情した妻の恋人が、その花の中心に挿し込んだように。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
妻は、腰を浮かせて、両脚を高く上げ、目を見開いた。&lt;br /&gt;
僕の背中に手を回し、僕にしがみついてきた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「あっ、あっ…、あなたぁ…」&lt;br /&gt;
妻は、息も絶え絶えに、わなわなと震えている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「あぁ…、いい…、そこ…、すごい…、あなた…、イク…、イク…！」&lt;br /&gt;
一気に妻の花弁から、熱い潮が噴き出す。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
男が、妻を、どのように淫らに愛したかは知らない。&lt;br /&gt;
ラブホテルの中での様子までは、誰もわからない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「どんな風に、彼とセックスしたの？」&lt;br /&gt;
僕の質問にも、妻は、さすがに答えなかった。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「いっちゃった…。あんな、恥ずかしいこと…」&lt;br /&gt;
妻が電話で男に告げていた、その内容を、僕は知らない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
妻が、ベッドの中で激しかったのは、想像できる。&lt;br /&gt;
ただ、男がどんな風に、妻を弄んだのか、僕には想像もつかない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
でも、僕たちは仮にも２４年間、夫婦だったのだ。&lt;br /&gt;
どこが一番感じるか、妻のスィートスポットは、十分に承知している。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
ここ１０年、年に３～４回しかセックスをしてなくても。&lt;br /&gt;
この１年は、まるで一度も触れたことさえない妻の体でも。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
妻の体は、夫の僕が、よく知っている。&lt;br /&gt;
２か月間に８回、毎週ホテルに行き、妻を抱いていた、あの男よりも。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
そう、信じたい…。&lt;br /&gt;
そうでなければ、あまりにも自分がみじめになる…。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
僕は、激しく妻を突きつづけた。&lt;br /&gt;
妻の体から、男の邪気を振り払うかのように、突きつづけた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
僕は、最後に、小さく叫び、妻の中に果てた。&lt;br /&gt;
妻は、全身をがくがくと震えさせながら、言葉を失っていた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
☆&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
妻が、裸の体を寄せてくる。&lt;br /&gt;
そして、甘く、ささやく。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「もう、ダメ…。&lt;br /&gt;
すごいんだもん、あなた…」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
その言葉、彼にも、言ったんだろう？&lt;br /&gt;
きっと、同じように感じ、同じように反応し、同じように語ったのだ。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
妻の媚態を通して、妻の不貞行為の風景が浮かぶ。&lt;br /&gt;
きっと、ふたり、激しく、燃えたに違いない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
僕は、天井を見上げたまま、意地悪く尋ねる。&lt;br /&gt;
「どっちの男のほうが、よかった？」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「やだ…。そんな…。いじめないで…」&lt;br /&gt;
妻は、僕の肩に顔を押し当て、じっと身を固くしている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
妻は、たった今、自分を抱いた、夫の真意を図りかねている。&lt;br /&gt;
僕は、夫の体を求めてきた、妻の真意がわからない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
妻と、夫と、婚外の恋人と。&lt;br /&gt;
夫婦と不倫と、愛慾と性欲と。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
まるで、茶番劇だ。&lt;br /&gt;
嫉妬と愛憎渦巻く、喜劇だ。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
どこにも、救いがない。&lt;br /&gt;
ココロとカラダが、分裂していく。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
終わりにしなければ、いけない。&lt;br /&gt;
紙切れ１枚、離婚届で、終わる問題じゃない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
妻と、完璧に、終わりにする。&lt;br /&gt;
あの男の亡霊から、逃れるために。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「新婚旅行があるんだから、離婚旅行、しようか？」&lt;br /&gt;
僕は冗談交じりに、なかば真剣に妻に提案する。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「うん…、じゃぁ、どこか温泉ね…」&lt;br /&gt;
妻は、表情を緩めて、焦点の定まらない笑顔になる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「やっぱり、東北かな？」&lt;br /&gt;
「そうね、東北ね…」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
妻は、そのまま、眠りについた。&lt;br /&gt;
僕は、ずっと、眠れなかった。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
妻と別れるために、離婚旅行をする…。&lt;br /&gt;
僕も、相当、いかれてきている…。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
【つづく】</description>
			<link>https://blogs.yahoo.co.jp/sirahamaryu/52063141.html</link>
			<pubDate>Tue, 30 Aug 2011 01:33:32 +0900</pubDate>
			<category>離婚</category>
		</item>
		<item>
			<title>家を出る（７）～妻との会話</title>
			<description>離婚届に、お互いにサインをした。&lt;br /&gt;
僕は新居を確保し、順番に家具を搬入した。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
離婚届は、僕が手元に保管した。&lt;br /&gt;
平日日中、市役所に持って行ける日がなかった。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「いつ、出すの？」&lt;br /&gt;
妻は物憂げな顔で、僕に尋ねた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「近いうち、平日に行けるとき、あったら」&lt;br /&gt;
僕は答えた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「そう…。ひとりでいいの？」&lt;br /&gt;
自分も仕事を休んで、一緒に行くつもりだろうか？&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「書類出すだけだもん。離婚する夫婦が、雁首揃えて窓口に行く必要なんかない」&lt;br /&gt;
しょせん、紙切れ１枚なのだ、夫婦の関係は。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「なんか、悲しいわね…」&lt;br /&gt;
妻は、ため息をつく。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
僕は、黙っている。&lt;br /&gt;
黙っていないと、攻撃的な口調になりそうだった。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
☆&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
それでも、僕たちは、よく話すようになった。&lt;br /&gt;
別れると決めてから、話すようになるなんて、おかしな夫婦だ。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
多くは、深夜、ふたりだけのリビングでだった。&lt;br /&gt;
ワインを、あるいは日本酒を、飲みながら話した。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
別に世間話をするわけではない。&lt;br /&gt;
会話の内容は、これまでの二人の関係、これからのこと。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「お互いに、意固地になりすぎていたよね？」&lt;br /&gt;
「そうね、私は負けず嫌いだし、あなたは頑固だし」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「離婚届にサインしてもらうとき、お義母さんになんて言ったの？」&lt;br /&gt;
「私が悪いの、と言っただけで、察してくれたみたいで、それ以上聞かなかった」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「僕は、これでも、いい夫であろうと努力はしてきたんだよ」&lt;br /&gt;
「そうね、あなたは優しいいい夫だった、できすぎくらいに」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「でも、君には不満だったわけだね」&lt;br /&gt;
「私が愚かだったのよ、それだけ」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「もらった慰謝料は、全部、このマンションのローンの繰り上げ返済に充てたから」&lt;br /&gt;
「私は繰り上げ返済するお金、なくなっちゃった」君は自嘲気味に笑う。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「どう？なんとか、やっていけそうかい？」&lt;br /&gt;
「残っているローンとか、管理費とか、電話代とか…。新聞も止めようかしら」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「家を出るまでに、全部の名義変更はできないと思うけど、よろしく」&lt;br /&gt;
「本来は、私が出なきゃいけないのに…。ごめんなさい」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
謝罪を口にして、そのあとに、妻は僕に尋ねる。&lt;br /&gt;
「お父さん、これから、どうするの？」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「どうするって…、別に？ひとりで暮らすよ、適当に」&lt;br /&gt;
僕は、そんな風に答えるしかない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「私は…、私は、どうなるの…？」&lt;br /&gt;
妻は、顔をゆがめて、うつむく。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「どうなるのって、何も変わらないさ。ここで暮らす。夫がいなくなるだけだ」&lt;br /&gt;
僕は、突き放すようにしか答えられない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「どうなるの…？、私は…」&lt;br /&gt;
妻は、自分の不安を、夫に向けて訴える。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
僕は、少し苛々して、意地悪く答える。&lt;br /&gt;
「Ｍくんに、相談してみたら？」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
夫に依存的に訴えていた妻は、虚を突かれたように真顔に戻り、答える。&lt;br /&gt;
「あの人は…、ダメよ…」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「Ｈにとっては、一番今、親密に相談に乗ってくれるべき人なんじゃないの？」&lt;br /&gt;
絶対にそうはなり得ない、と僕はわかっていながら、妻に話す。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「あの人は…、今はわたしと距離をとろうとしているから…」&lt;br /&gt;
あの人は、という言葉に、妻の未練と期待が入り混じっている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「彼の慰謝料も、Ｈが立て替えて振り込みしたんでしょう？彼、払う気、あんの？」&lt;br /&gt;
たぶん、妻が立て替え払いするんだろうなとは、僕も思っていた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「今は、ちょっと、すぐには用立てできないからって…。&lt;br /&gt;
でも、ちゃんと返済はしてくれることになってる…。約束したし…」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
愚かだね…、約１６０万円の、そのお金は、絶対に戻ってこないよ…。&lt;br /&gt;
僕は、妻に言うべき言葉を、自分で飲み込んだ。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
いつも、夫婦の会話の終わりは、僕が持ち出すＭの名前だった。&lt;br /&gt;
Ｍの名前が出ると、妻の顔は真顔になり、奥歯を噛みしめていた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
【つづく】</description>
			<link>https://blogs.yahoo.co.jp/sirahamaryu/52051413.html</link>
			<pubDate>Thu, 25 Aug 2011 01:43:30 +0900</pubDate>
			<category>離婚</category>
		</item>
		<item>
			<title>家を出る（６）～新居</title>
			<description>新しい家は、確保した。&lt;br /&gt;
都心に近い、賃貸の１ＬＤＫ。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
でも、家は単なる器だ。&lt;br /&gt;
それだけでは、生活できない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
家具も必要だ。&lt;br /&gt;
家電も必要だ。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
自分の生活を築くために、すべて新しく購入しなければならなかった。&lt;br /&gt;
僕は、仕事の合間を縫って、いろんな店を巡った。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
☆&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
僕は、けっして浪費家ではない。&lt;br /&gt;
むしろ、かなり倹約家の方だと思う。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
でも、お金に対する執着はない。&lt;br /&gt;
物欲も乏しい方だと思う。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
それでも、お金を使うときには使う。&lt;br /&gt;
自分にとって、大事なモノやサービスは、あっさり買う。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
家を出るにあたって、僕はかつてないほど、集中的に買い物をした。&lt;br /&gt;
これから、ひとりで暮らしていくにあたって、必要と思われるものを。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
家具や布団や食器は、街道沿いのニトリを使った。&lt;br /&gt;
テレビや冷蔵庫、洗濯機、炊飯器は、都心の家電量販店を使った。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
決して、高級品と言えるものではない。&lt;br /&gt;
でも、色やデザインにはこだわった。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
特に家具は、もしかすると、これから一生使うものだし。&lt;br /&gt;
もう、生涯で二度と買わないものかも知れない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
１０年後、２０年後でも、使い飽きせず、愛着をもって使えるものを選んだ。&lt;br /&gt;
もはや、誰に遠慮することなく、自分の基準で選べるのだし。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
その結果、思わぬ出費が、かさんだ。&lt;br /&gt;
貯金は、どんどん目減りしていった。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
でも、新しい生活を築くための一時的な出費。&lt;br /&gt;
そう割り切って、自分を納得させた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
☆&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
購入した家具や家電の搬入日が、まちまちになってしまった。&lt;br /&gt;
その度に、鍵の引き渡しを受けた新居で、運送屋を待っていなければならなかった。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
何もない、がらんとした部屋の中。&lt;br /&gt;
ひとりで、呼び鈴が鳴るのを待った。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
窓の外の緑が、美しかった。&lt;br /&gt;
所在なく、ベランダで煙草を吸った。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
家具のない部屋は、広々としていた。&lt;br /&gt;
でも、どこか寒々しい空間だった。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
僕は、床に座り、窓の外をぼ～っと見ていた。&lt;br /&gt;
遠くで聞こえる車の音以外に、音もなかった。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
静かな時間が、ゆっくりと流れた。&lt;br /&gt;
僕自身も、ゆっくり、時の流れに落ちていった。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
新しい家に、新しい家具が届くのに、心は躍らなかった。&lt;br /&gt;
むしろ、どんどん、心は沈んでいった。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
空虚だった。&lt;br /&gt;
どうしようもない喪失感が、僕を包んだ。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
孤独だった。&lt;br /&gt;
世界中で、自分だけが取り残された感じだった。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
僕は、床の上で、膝を抱えた。&lt;br /&gt;
身を固くして、自分を守った。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
自分の決断を、守らなければならなかった。&lt;br /&gt;
迫りくる喪失感と、戦わなければならなかった。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
苦しかった。&lt;br /&gt;
悲しかった。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
自然と涙があふれてきた。&lt;br /&gt;
熱い涙を抑えることができなかった。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
僕は、膝を抱えたまま、泣いた。&lt;br /&gt;
ただ、ぼろぼろ、静かに、泣いた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
☆&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
運送業者が、集合玄関に着いた。&lt;br /&gt;
僕は、インタフォン越しに解錠して、迎え入れた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
あらかじめ考えていた場所を、運送屋に示した。&lt;br /&gt;
業者は実に手際よく、短い時間で家具を配置していった。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
最後に、受取確認のハンコを押して、運送業者は帰って行った。&lt;br /&gt;
僕は、再び、ひとりになった。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
何もすることがなかった。&lt;br /&gt;
何をすればいいのか、わからなかった。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
僕は、また部屋にぽつんと座っていた。&lt;br /&gt;
まだ、カーテンの付いていない窓の外を眺めていた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
だんだん、日が暮れてきた。&lt;br /&gt;
まだ照明も付いていない部屋の中が、暗くなってきた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
僕は、そのまま、床に座っていた。&lt;br /&gt;
真っ暗になるまで、ただ、無表情で座っていた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
【つづく】</description>
			<link>https://blogs.yahoo.co.jp/sirahamaryu/52048663.html</link>
			<pubDate>Wed, 24 Aug 2011 02:44:22 +0900</pubDate>
			<category>離婚</category>
		</item>
		<item>
			<title>家を出る（５）～引越し準備</title>
			<description>僕は、家を出る準備を始めた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
結婚して、２４年。&lt;br /&gt;
妻と息子たちとの生活に、ピリオドを打つ。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
荷物を整理しなければならなかった。&lt;br /&gt;
自分ひとりの生活を、始めるために。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
自分が家を出ると言っても、私物は少なかった。&lt;br /&gt;
家財道具や電化製品は、僕ひとりものは、ほとんどなかった。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
この家で、僕自身の名義もの。&lt;br /&gt;
車と自転車、デスク、本棚、本と衣類、それだけだ。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
当たり前ではあるけれど、ちょっと唖然とした。&lt;br /&gt;
２４年間の僕の生活、なんだったんだ？&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
家にあるものは、みんな家族みんなのもの。&lt;br /&gt;
自分ひとりものなんて、ほとんど何もなかった。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
テレビや冷蔵庫、洗濯機はいうまでもなく。&lt;br /&gt;
ラジカセやプリンター、電動歯ブラシまで、僕ひとりのものではない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
☆&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
不動産屋でちらしをもらった、宅急便に電話をした。&lt;br /&gt;
単身赴任用のシングルパックでも、引っ越しは可能だと思ったので。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
家に、見積もり担当者が来た。&lt;br /&gt;
家具が少しでもあると、やはり２トン車が必要らしかった。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
中小２０個の段ボール箱をもらった。&lt;br /&gt;
上着等の衣類は、ハンガーに掛けたまま運ぶ箱が４個。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
毎日夜、少しずつ、準備をしていった。&lt;br /&gt;
段ボールを組み立て、衣類を畳んで入れていった。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
段ボール箱は、目立たぬよう、寝室と和室に積んでいった。&lt;br /&gt;
息子たちの目に触れて、暗澹たる気持ちにはさせたくなかった。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
妻は、日々増えていく段ボール箱を見ていた。&lt;br /&gt;
そして、何も言わなかった。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
食器や調理道具も、余計にあるものは持っていくことにした。&lt;br /&gt;
戴き物や景品でもらった物、少し分けてもらおうと思った。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「これ、持っていっちゃって、いいかな？」&lt;br /&gt;
「どうぞ…」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
僕は妻に尋ね、妻はすべて「どうぞ…」と答えた。&lt;br /&gt;
妻は目線を落とし、口数少なくなっていった。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
☆&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
独身時代のアルバムは、すべて段ボールに片づけた。&lt;br /&gt;
問題は、家族で撮りためてきた、膨大な写真とアルバムだった。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
子どもが生まれてから、たくさん写真を撮った。&lt;br /&gt;
長男と次男を撮った、古いビデオテープも大量にあった。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
誰もいない部屋で、ひとり、アルバムを開いた。&lt;br /&gt;
妻と子どもらとの笑顔の写真が、たくさんあった。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
ほとんど多くは、僕が撮ったものだ。&lt;br /&gt;
だから、僕自身が写っているものは少ない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
でも、家族一緒に写っているものも、多かった。&lt;br /&gt;
妻とふたり、身を寄せている、笑顔の写真もあった。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
２４年間の家族の写真。&lt;br /&gt;
かけがえのない、家族の一瞬一瞬が、そこにあった。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
僕の妻、長男、次男、そして僕。&lt;br /&gt;
４人の家族の肖像…。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
夫婦の結婚式、子どもの出生、保育園、小学校、中学校…。&lt;br /&gt;
家族の旅行、箱根、軽井沢、沖縄、ディズニーランド…。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
涙がぽろぽろとこぼれてきた。&lt;br /&gt;
熱くこぼれる涙を、どうすることもできなかった。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
家族の写真を選ぶことなど、できなかった。&lt;br /&gt;
僕は泣きながら、ただただ、アルバムをめくっていた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
結局、ほんの数枚、写真を持っていくことにした。&lt;br /&gt;
家を出る夫が、父親が黙って持ち去る、数枚の写真…。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
かけがえのない家族の一瞬…。&lt;br /&gt;
二度と戻ることのない時間…。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
家を出る。&lt;br /&gt;
家族を失う。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
僕が、一番守りたかったはずのものなのに…。&lt;br /&gt;
僕は、何もできなかった…。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
【つづく】</description>
			<link>https://blogs.yahoo.co.jp/sirahamaryu/52041969.html</link>
			<pubDate>Sun, 21 Aug 2011 23:44:02 +0900</pubDate>
			<category>離婚</category>
		</item>
		<item>
			<title>家を出る（４）～子どもたち</title>
			<description>家を出る。&lt;br /&gt;
妻と別れる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
それは、もう決まっていた。&lt;br /&gt;
でも、子どもたちに伝えなければならなかった。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
それが、一番気が重かった。&lt;br /&gt;
果たして、何を、どう、伝えればいいのか…？&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
子どもたちにすれば、青天の霹靂だろう。&lt;br /&gt;
母親の不倫なんて、思いもよらないことだろうし。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
子どもたちの目の前で、夫婦でいがみ合ったことなんてないし。&lt;br /&gt;
むしろ、仲の良い両親と思ってたはずだ。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
しょっちゅう週末には、夫婦で映画や買い物に行ってたし。&lt;br /&gt;
子どもらが大きくなってからは、夫婦だけで旅行にも行ってたし。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「なぜ？」と尋ねられたら、どう答えたら、良いのだろう？&lt;br /&gt;
「何があったの？」と聞かれたら、事実を告げられるだろうか？&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「子どもに離婚の理由を問われたら、どうする？」&lt;br /&gt;
僕は、妻に尋ねた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「…私が悪いって…、言います…」&lt;br /&gt;
妻は、覚悟したように答える。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「お母さん、好きな人ができちゃったんだよ～、とでも言うかね？」&lt;br /&gt;
僕は茶化すように、妻に告げた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
☆&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「家族会議をやりたい」と子どもらに伝えた。&lt;br /&gt;
もう成人している子どもら含め、4人が揃うのはめったになかった。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「なに？なに？何か重大なこと？」&lt;br /&gt;
「なに？家でも買って、引っ越すの？」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
長男は、明るく、テンション高く、尋ねた。&lt;br /&gt;
この家庭を、いつも明るくリードしてくれたのは、この長男だ。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「そう、この家のこと。大事なこと…」&lt;br /&gt;
「俺は、いつでも、いいよ～♪」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
でも、結局、4人が揃って、ゆっくり話す時間を組むことはできなかった。&lt;br /&gt;
次男は家にいたが、長男は会社員2年目、帰宅はいつも０時過ぎだった。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
それぞれ別に話すことにした。&lt;br /&gt;
父親である僕が主に話し、妻は黙っていた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
☆&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「お父さんとお母さん、離婚することになった」&lt;br /&gt;
「…えぇっ？？？」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「今まで夫婦で、さんざん話してきた結果なので、了解して欲しい」&lt;br /&gt;
「……！？」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「子どもの目にはそうは思えないだろうけど、ずっと、うまくいってなかったんだ」&lt;br /&gt;
「………！」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「親として、君たちには申し訳ないと思っている」&lt;br /&gt;
「………」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「それを一緒に話したかったんだけど、なかなか家族揃えないし」&lt;br /&gt;
「……いつ？」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「…え？」&lt;br /&gt;
「いつ、離婚すんの？」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「離婚届は、もうふたりが署名している。&lt;br /&gt;
お互いのおばあちゃんにも、話して、署名してもらっている」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「…そうなんだ？」&lt;br /&gt;
「あとは、役所に出したら、離婚は成立する」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「……そう…なんだ…」&lt;br /&gt;
長男は、静かに涙を流している。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
理由は聞かない。&lt;br /&gt;
必ず、聞かれると思っていたのに、理由を尋ねない…。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
ただ、黙って、泣いている…。&lt;br /&gt;
２３歳になった長男が、泣いている…。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
肩を震わせて…、泣いている…。&lt;br /&gt;
いつも、明るい長男が。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「この…家は、…どうなんの？」&lt;br /&gt;
涙をぬぐいながら、長男が尋ねる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「この家はそのままにする。&lt;br /&gt;
君たちの生活は、何も変わらない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
お父さんが、家を出ることにした。&lt;br /&gt;
お母さんは、そのままここに住む」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「そうなんだ……」&lt;br /&gt;
長男はティッシュで鼻をかむ。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「夫婦が離婚しても、親子の関係が切れるわけじゃない。&lt;br /&gt;
君らにとっては、家を出ても、お父さんはお父さんだから」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「………」&lt;br /&gt;
長男は、黙って、涙を流している。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
リビングを、沈黙が包む。&lt;br /&gt;
目頭が熱くなるのを、止められない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「…いつ…？」&lt;br /&gt;
「え？」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「いつ、家を出るの？&lt;br /&gt;
いつ、お父さん、引っ越すの？」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「離婚届を出したら、すぐ…。&lt;br /&gt;
実は、もう住む家も決めてきた」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「そう……」&lt;br /&gt;
長男は、うつむいたまま。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「ごめんね、お兄ちゃん」&lt;br /&gt;
妻が、横から声をかける。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「こんなことになっちゃって…。&lt;br /&gt;
ゴメン…。本当にごめんなさい…」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
夫の僕に対しては、決して涙を見せようとしない妻が、&lt;br /&gt;
息子の泣く姿を前に、涙を流している…。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「お母さんは、ここに残るけど…。&lt;br /&gt;
頼りないお母さんだけど…、一緒に暮らしてね…」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「わかった…」&lt;br /&gt;
息子は、顔をぬぐいながら、席を立つ。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「大丈夫だから……おやすみ…」&lt;br /&gt;
そう言って、長男は静かに階段を下りて行った。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
きっと混乱したまま、自室で泣いているだろう。&lt;br /&gt;
誰も傷つかずに、離婚なんてありえないのだ。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
リビングに残った妻は、額を両手で抱え、うつ伏していた。&lt;br /&gt;
僕は、キッチンの換気扇の下で、ずっと黙って煙草を吸っていた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
☆&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
翌日、次男にも、同じことを話した。&lt;br /&gt;
次男は「え？…」と言ったまま、ずっと黙っていた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
目を大きく見開き、怪訝な顔をしたまま、親の話を聞いていた。&lt;br /&gt;
涙を流すことはなかったが、茫然としていた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「俺、どうなるの？」&lt;br /&gt;
成人したとはいえ、まだ経済的にも自立できていない次男の、率直な質問だった。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
専門学校を出た後、ずっとフリーター状態だった。&lt;br /&gt;
最近はバイトもせず、深夜未明までネットゲームに興じていた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「この家は、そのままだから、今まで通り。&lt;br /&gt;
経済的支援が必要なら、それはお父さんが出す。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
でも、今のままという訳には、いかないね。&lt;br /&gt;
どう生きていくかは、そろそろ自分で決めないと」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「わかった…」&lt;br /&gt;
次男は、長男と同じ言葉を残して、自室に戻り扉を閉めた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
わかってなんか、いない。&lt;br /&gt;
短い時間で、納得できるはずがない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
でも、そう言うしかないのだろう。&lt;br /&gt;
それが、せめてもの、親への愛情…。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
☆&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
結局、息子たち二人とも、離婚の理由は問わなかった。&lt;br /&gt;
聞いてはいけないことという配慮があったのだろう。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
ほっとしたと同時に、申し訳ない気持ちが残った。&lt;br /&gt;
離婚の真実は、告げられないままで良かったのだろうか？&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
妻に話した。&lt;br /&gt;
「いつか、君の口から、ちゃんと話してね、離婚の理由を」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「はい…。そうしなきゃいけないと思っています」&lt;br /&gt;
妻は、静かに答えた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「でも、話したら、息子たち、君を軽蔑するよ？」&lt;br /&gt;
僕は、少し意地悪く、付け加えた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「軽蔑されても、怒り狂って、殴られても、話します。&lt;br /&gt;
家を出ていかなきゃいけないのは、本来、私だから…」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
そう、真実を知ったら、息子たちは君を軽蔑するだろう。&lt;br /&gt;
君を、汚らわしい存在と、ののしるかも知れない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
でも、けっして母親を殴るようなことはしないよ、彼らは。&lt;br /&gt;
僕の息子だから、絶対に暴力は振るわないよ。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
僕だって、一応、父親だから。&lt;br /&gt;
それぐらいのことは、わかる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
いい息子たちに恵まれたね、君は。&lt;br /&gt;
いい息子たちを生んでくれて、ありがとう。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
いよいよ、離婚へのカウントダウンだ。&lt;br /&gt;
僕たち夫婦の、終わりの時…。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
【つづく】</description>
			<link>https://blogs.yahoo.co.jp/sirahamaryu/52005505.html</link>
			<pubDate>Tue, 09 Aug 2011 23:51:35 +0900</pubDate>
			<category>家族</category>
		</item>
		<item>
			<title>家を出る（３）～家を探す</title>
			<description>僕は、家を探し始めた。&lt;br /&gt;
自分自身が、住む家を。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
妻が、家を出るというのは、どだい無理なのだ。&lt;br /&gt;
家計の収支からも、相当な無理を生じる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
男に、妻と暮らす気が無いのは、わかっていた。&lt;br /&gt;
ふたりの生活を夢見ていたのは、たぶん妻だけだ。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
妻は、一人では暮らせない。&lt;br /&gt;
一人で、暮らしたこともない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
妻には、一緒に暮らす人がいるという幸せが、当たり前だった。&lt;br /&gt;
子どもとの離別は、大きな痛手になるだろう。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
妻が孤独に耐えられないのは、目に見えている。&lt;br /&gt;
僕が家を出る方が、よほど現実的だ。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
☆&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
僕は、家を探し始めた。&lt;br /&gt;
住み慣れた土地を離れ、暮らすことを決意した。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
ここには、僕の仲間もたくさんいるし。&lt;br /&gt;
僕なりに、長年蓄積してきたネットワークもある。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
歳を重ねて、自治体の役割も一部担っている。&lt;br /&gt;
僕の転居は、いろいろな憶測を生むだろう。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
でも、家を探し始めた。&lt;br /&gt;
僕が、僕自身であるために。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
妻と暮らし続けることは、できなかった。&lt;br /&gt;
僕にも、まだこれからの人生がある。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
☆&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
自宅のマンションは、そのままになる。&lt;br /&gt;
僕だけが、家を出ることになる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
浮気をして慰謝料を払った妻が、家に残る。&lt;br /&gt;
夫の側が家を出るというのは、やや不思議かも知れないが。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
妻には、この家と子どもたちとの生活が必要だ。&lt;br /&gt;
僕は、何もなくても、生きていける。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
夫婦共有名義のローンは、払い続けることになる。&lt;br /&gt;
妻にも、それは払い続けてもらう。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
妻から支払われた慰謝料を、僕は自分のローン返済に充てた。&lt;br /&gt;
おかげで、僕の残債は、月々1万5千円まで圧縮された。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
妻が預金を貯め込まないで、繰上げ返済すれば良かったのだ。&lt;br /&gt;
そうすれば、妻の望む、より豊かな生活が送れたのに。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
僕は身軽になった。&lt;br /&gt;
もとより、僕に金への執着はないし。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
☆&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
ネットで、あちこちの賃貸物件を見た。&lt;br /&gt;
そのうえで、あちこちの不動産屋を訪ねた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
バツイチ男の一人暮らしだし。&lt;br /&gt;
最初は、安いアパートでも良いと思った。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
でも、安いアパートは、それなりのものだった。&lt;br /&gt;
自分の気持ちが萎えて、惨めになりそうだった。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
僕なりの、新しい生活を創る。&lt;br /&gt;
そのために、気持ちの良いスタートを切りたかった。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
いくつか条件を設定した。&lt;br /&gt;
自分がこれからの生活を築く条件。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
これまでの住み慣れた土地は、離れること。&lt;br /&gt;
できるだけ、今の職場に通いやすいこと。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
間取りは、１ＬＤＫ。&lt;br /&gt;
いつエレベータが止まるかわからないので、高層階は避ける。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
できるだけ、駅に近いところ。&lt;br /&gt;
都心のターミナルにも、できるだけ近いところ。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
もう、家族の食事を気にして、帰りの時間を早める必要はないし。&lt;br /&gt;
深夜まで仕事をしていても、帰り道が苦にならないように。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
当然、値段が吊り上る。&lt;br /&gt;
家賃10万円以内では、どこもない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
でも、4日目で、素敵な物件に出会った。&lt;br /&gt;
「ここなら…」と思った。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
新築なので、少々値は張ったが。&lt;br /&gt;
ここでなら、ひとり家にいても、落ち着いた気持ちになれそうだった。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
☆&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「僕が、家を出るから」&lt;br /&gt;
「えっ！？」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
妻に告げると、ビックリしていた。&lt;br /&gt;
落ち込んでいた妻の顔は、困惑顔に変わった。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「Ｈが家を出て暮らすのは、やっぱり無理があるでしょう？&lt;br /&gt;
僕が家を出た方が現実的だし、子どもたちにもいいでしょう？」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「…それは、そうかもしれないけど…。&lt;br /&gt;
それでは、あなたに…、あまりにも申し訳ない…」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
いろんな現実が見えてきて、妻は後悔し始めている。&lt;br /&gt;
かつてのアグレッシブな勢いは、まるで無い。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「僕は、君と違って、ここには住み続けたくないし。&lt;br /&gt;
収入は君よりあるから、ひとりでなんとでも生きていける」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「……」&lt;br /&gt;
妻は、肩を落として黙っている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「これが、君にしてあげられる、最後のことだ。&lt;br /&gt;
家を出たら、もう、僕たちは他人だからね」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「そんな…。&lt;br /&gt;
最後まで、やさしいのね…」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「我ながら、どうかとも思うけどね？&lt;br /&gt;
ちなみに、慰謝料の示談書、書き換えたの、わかってた？」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「え…？」&lt;br /&gt;
妻は怪訝な顔で、僕を見る。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「一か所だけ、書き換えたんだよ。&lt;br /&gt;
最初、君に見せた時と、一か所だけ違うんだ」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「え…、わからない…。&lt;br /&gt;
気が付かなかった…」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
唯一、僕が勝手に書き換えた場所。&lt;br /&gt;
今後の別居について、記した部分だ。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「（３）甲と乙との協議離婚成立に伴い、両者の現住所自宅マンションにおける同居関係は可能な限り早期に解消し、乙は別に居を定めて退去する」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
僕は、君と相談することなく、その一部を書き換えた。&lt;br /&gt;
君にとって、とても大事な部分だったんだよ？&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「（３）甲と乙との協議離婚成立に伴い、両者の現住所自宅マンションにおける同居関係は可能な限り早期に解消し、別に居を定めて生活することとする」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「最初はね、君がさっさと家を出るという内容だったんだよ」&lt;br /&gt;
「そうね…、だから、住む家を探さなきゃと思ってた…」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「でも、たぶん、それは無理だろうなと思ってね。&lt;br /&gt;
どちらが家を出るというのは定めず、とにかく別居するってことにしたんだ」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「…情けないわね…。&lt;br /&gt;
私の収入が低いばっかりに…」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「収入のことだけじゃない。&lt;br /&gt;
子どもたちとの別居は、君にとって、身を裂かれるように辛いことでしょう？」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「それは、そうだけど…。&lt;br /&gt;
でも、本来、私が出ていかなきゃいけないのに…」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「いいよ、別に。&lt;br /&gt;
僕は気楽な、バツイチ・シングル生活を楽しませてもらうから」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「ごめんなさい…。&lt;br /&gt;
ありがとう、あなた…」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
妻は、うつむいて涙を流す。&lt;br /&gt;
僕は、煙草に火をつける。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
☆&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
僕は、家を決めた。&lt;br /&gt;
不動産屋で契約を交わし、初期費用を振り込んだ。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
僕は、家を出る。&lt;br /&gt;
妻は、家に残る。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
その判断は、正しかったのか？&lt;br /&gt;
その選択は、誤っていたのか？&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
僕には、わからない。&lt;br /&gt;
妻にも、わからない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
夫と妻の収入の差があった、という経済的理由はある。&lt;br /&gt;
妻の匂いの染みついた自宅に住み続けたくない、という感情的理由もある。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
でも、ひとつ、ハッキリ言える理由がある。&lt;br /&gt;
少なくとも、子どもたちにとっては、一番変化が少ないということだ。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
その一点の理由で、僕は自分を納得させている。&lt;br /&gt;
子どもたちへの影響は、最小限にしなければならない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
最後に、ちょっと父親らしいこと、してやりたかった。&lt;br /&gt;
最後に、ちょっと夫らしいこと、妻に見せられたかも知れない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
哀しい自己満足だ。&lt;br /&gt;
それでいい…。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
☆&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
僕は、家を出る。&lt;br /&gt;
ひとり、家を出る。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
僕は、家庭を失う。&lt;br /&gt;
守り続けたかった家庭は、もう無い…。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
【つづく】</description>
			<link>https://blogs.yahoo.co.jp/sirahamaryu/51997355.html</link>
			<pubDate>Sun, 07 Aug 2011 12:40:08 +0900</pubDate>
			<category>引越し</category>
		</item>
		<item>
			<title>家を出る（２）～家を売る</title>
			<description>妻は、住む場所を探していた。&lt;br /&gt;
僕は、知らんぷりをしていた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
でも、僕なりに結論は見えていた。&lt;br /&gt;
だから、示談書の文章も、ちょっとだけ変更した。&lt;br /&gt;
妻は、僕が言うまで、全然気づいていなかったけど…。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
☆&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「順番が、逆じゃないの？」&lt;br /&gt;
ある夜、僕は、妻に告げた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「君が家を探すのは勝手だけど。&lt;br /&gt;
示談書に記載した、慰謝料をまず払ってください」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
現実に打ちひしがれている妻は、弱い声で答える。&lt;br /&gt;
「ごめんなさい…。明日にでも送金する」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「彼の方は、ちゃんと払ってもらえるのかな？」&lt;br /&gt;
僕は、わかりきったことを尋ねる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「今、ちょっと、すぐには無理みたいだから…。&lt;br /&gt;
私が、とりあえず、立て替えて、一緒に払います」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
やっぱり、そうか…。&lt;br /&gt;
恋する女は、健気だね。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「彼氏、払う気、ないんじゃないの？」&lt;br /&gt;
僕は、重ねて妻に尋ねる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「今、すぐに１５０万円は、いっぺんに払えないと言うので。&lt;br /&gt;
私が払って、あとで返してもらいます」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
そのお金、戻ってくるかな？&lt;br /&gt;
危ないな…。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
君が信じきっている彼氏には、申し訳ないけど。&lt;br /&gt;
もう、君たちふたりの関係は、状況が変わっちゃってるんだよ？&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「僕は、構わないけどさ。&lt;br /&gt;
じゃあ、合わせて６００万円、君が払うんだね？」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「ハイ…。ショックだけど…」&lt;br /&gt;
君は、仕方なさそうに、自虐的に笑みを浮かべる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「悪いね。せっかく１０００万円まで、頑張って預金したのに。&lt;br /&gt;
僕と離婚した後の生活費として、貯めていたのにね？&lt;br /&gt;
半分以上、持ってかれちゃうと、困るでしょう？」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「ひとり食べていくのは、なんとかなるけど…。&lt;br /&gt;
この家のローンがね…。&lt;br /&gt;
毎月５万円払うと、もう預金は、一切できないわね」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
夫婦ふたりで、払い続けてきた３５年返済ローン。&lt;br /&gt;
若い僕たち夫婦に、５５００万円の買い物は、やっぱり無理があったのかもね。&lt;br /&gt;
このマンションで、一番広い、一番高い部屋だもの。&lt;br /&gt;
共有名義が、離婚の大きな障壁になるとはね…。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
☆&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「いっそ、売っちゃおうか？この家？」&lt;br /&gt;
僕は、明るく妻に話しかける。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「築１０年超えてるけど、３０００万円くらいにはなるよ。&lt;br /&gt;
大規模修繕終えたところだし、角部屋メゾネットの人気物件だし。&lt;br /&gt;
売れたら、山分けということで。&lt;br /&gt;
そうしたら、Ｈも新しい生活築けるでしょう？」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「そんな金額で売れるかしら？」&lt;br /&gt;
意外な夫の提案に、君は驚きながらも、反応する。&lt;br /&gt;
君は、本当にお金のことには、敏感だね。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「でも、子どもたちは、どうするの？&lt;br /&gt;
もう、それぞれ独立してもいい、歳ではあるけど…」&lt;br /&gt;
君は、母親としては、申し分のない人だね。&lt;br /&gt;
妻としては、ともかく。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「それぞれ、生活準備資金渡して『解散っ！』って宣言するか？」&lt;br /&gt;
茶化して言う僕の話を、君は力なく小さく笑う。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
☆&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
さっそく、ネットで調べてみた。&lt;br /&gt;
条件を入力して、弾き出された買い取り見積額は、３４００万円弱だった。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
正式な見積り依頼を出した。&lt;br /&gt;
翌日メールで届いた見積額は、３１５０万円だった。&lt;br /&gt;
「震災以降、中古物件の値崩れが生じていまして…」&lt;br /&gt;
担当者のコメントがついていた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「どうする？１５００万円ずつにはなるよ。&lt;br /&gt;
Ｈも、ローンからも自由になれるよ？」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
妻は、暗い顔で答えた。&lt;br /&gt;
「この家がなくなっちゃうのは…、悲しい…」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「なに？未練がある？」&lt;br /&gt;
「そりゃ…。慣れ親しんだ家だもの…。&lt;br /&gt;
想い出も、たくさんあるし…」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「でも、ここ、出るんでしょう？」&lt;br /&gt;
「……」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「まぁ、子どもたちは、帰る家がなくなる訳だけどね」&lt;br /&gt;
「……」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「僕は、どっちでも、いいよ」&lt;br /&gt;
「……」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「僕は、こんな家、未練はない。&lt;br /&gt;
妻が出て行った後も、暮らしている方が、息が詰まるし」&lt;br /&gt;
「……」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「妻は、他の男と、別のところで暮らして、&lt;br /&gt;
自分は、妻の匂いの染みついた家で暮らしていくなんて…」&lt;br /&gt;
「それは、ないと思う…」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「そう？それにしてもね。&lt;br /&gt;
僕は、どっちでも、いいんだよ。&lt;br /&gt;
子どもたちには説明して、了解を得なきゃいけないけど」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「……」&lt;br /&gt;
妻は、黙っている。&lt;br /&gt;
テーブルの上で、手を握り締めている。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「どうする？」&lt;br /&gt;
「…ちょっと考えさせて…」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
☆&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
彼氏には、媚態を込めて「うふふ…、家を出る」と電話で言っていた君。&lt;br /&gt;
その「家を出る」現実が、君を打ちのめす。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
離婚をするとは、そういうことだ。&lt;br /&gt;
どちらに、瑕疵があったにせよ。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
離婚をするということは、すべてを失うということだ。&lt;br /&gt;
今まで、築いてきたすべてを…。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
家を、失う。&lt;br /&gt;
家族を、失う。&lt;br /&gt;
家庭を、失う。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
君も。&lt;br /&gt;
僕も。&lt;br /&gt;
子どもたちも。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
君の「不倫の恋」の代償は、大きかったね。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
君の夢のような日々の代償が、この現実だ。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
【つづく】</description>
			<link>https://blogs.yahoo.co.jp/sirahamaryu/51975680.html</link>
			<pubDate>Sat, 30 Jul 2011 19:44:50 +0900</pubDate>
			<category>家族</category>
		</item>
		<item>
			<title>家を出る（１）～妻の家探し</title>
			<description>妻は、住む家を探し始めた。&lt;br /&gt;
僕の知らないところで。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
夕方、仕事帰りに不動産屋を見たり。&lt;br /&gt;
休日、僕が仕事に出ている時に、物件を見に行ったり。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
最初は、多少なりとも前向きだった。&lt;br /&gt;
男との同居は、まるで考えていないようだったが。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
そして、だんだん落ち込んでいった。&lt;br /&gt;
いろいろな現実と、直面することになって。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「家、探してるの？」&lt;br /&gt;
僕は夜中、あっけらかんと尋ねた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「うん…、探してるけど…」&lt;br /&gt;
妻は、ちょっと考えて、バッグから物件のシートを出した。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
安い、古い、小さな木造アパートだった。&lt;br /&gt;
「私の給料だと、それでも精一杯かなと…」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
離婚するとはいえ、長年連れ添った妻だ。&lt;br /&gt;
みじめな、みすぼらしい生活はしてほしくなかった。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「せめて、鉄筋のワンルームマンションのようなところにしたら？&lt;br /&gt;
仮にも働いているんだし、その方が安心でしょう？」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「ありがとう…。&lt;br /&gt;
やさしいのね…」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
この辺の家賃相場は、ワンルームもしくは木造１Ｋで５万円台から。&lt;br /&gt;
鉄筋コンクリートや新築になると、７～８万円台あたり。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
妻の給料で、食べていけない額ではない。&lt;br /&gt;
ただし、今のマンションのローン返済が残る。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「出た後の、この家のローンがね…。&lt;br /&gt;
月５万円払い続けるって考えると…、家賃を切り詰めないと…」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「でも、最初から家を出るつもりだったんでしょう？&lt;br /&gt;
彼とは、電話でそう話していたよね？」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
僕は、いじわるな質問を妻に投げかける。&lt;br /&gt;
妻が「うふっ、家を出る…」と男に告げていたのは、確かに聞いた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「現実には…、なかなか…。&lt;br /&gt;
自分の稼ぎでやっていけないなんて、情けない…」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
妻は、ずっと自分の給料だけで生活してきたと、主張していた。&lt;br /&gt;
僕は、家計に金を入れない、とんでもない夫だと非難していた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
でも、実際には、僕自身は預金できないほど、口座引き落としで支払っている。&lt;br /&gt;
ローン、管理費、修繕積立金、駐車代、保険金、電話代、ネット代、新聞代、日々の買い物代…。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
僕が払ってきたから、妻は預金１０００万円も貯めることができたのだ。&lt;br /&gt;
自分ですべて賄えていたという認識自体が、本当に甘い。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「結局、私はお父さんに依存していたのね。&lt;br /&gt;
これから、どうしたらいいか…、考えると眠れない…」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
妻は、弱気だ。&lt;br /&gt;
どんどん、弱気になっていく。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
妻は、リビングで頭を抱えている。&lt;br /&gt;
僕は、黙って妻の姿を見ていた…。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
【つづく】</description>
			<link>https://blogs.yahoo.co.jp/sirahamaryu/51947595.html</link>
			<pubDate>Thu, 21 Jul 2011 00:57:28 +0900</pubDate>
			<category>家族</category>
		</item>
		<item>
			<title>いくつか妻とのやりとり</title>
			<description>相手の男と会って、示談交渉をした。&lt;br /&gt;
示談書案を作成し、三者でサインして押印した。&lt;br /&gt;
夫婦双方の母親に、離婚を伝え、離婚届にサインしてもらった。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
そんな最中にも、いろいろ、妻とのやりとりがあった。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
☆&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
妻の携帯が、リビングにわざとらしく置いてあった。&lt;br /&gt;
もう、夫に隠す必要がなくなったということか。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「どうしたの？もう持ち歩かないの？」&lt;br /&gt;
「え…、別に…」&lt;br /&gt;
「僕は、君の携帯を盗み見ないよ？どうせロックかかってるし」&lt;br /&gt;
「……」&lt;br /&gt;
「もしかして、消しちゃったの？メールみんな？」&lt;br /&gt;
「……」&lt;br /&gt;
「見られたらヤバイと？消しちゃったの？」&lt;br /&gt;
「……」&lt;br /&gt;
「もう見られてもいいから、こうして置いているんだろうけど」&lt;br /&gt;
「……」&lt;br /&gt;
「見たりしないのに、今更。」&lt;br /&gt;
「……」&lt;br /&gt;
「もったいなかったね。彼との愛のささやき、とっておきたかっただろうに」&lt;br /&gt;
「別に、そんな…」&lt;br /&gt;
「でも、後ろめたい内容は、たくさんあったんでしょう？」&lt;br /&gt;
「そんな…」&lt;br /&gt;
「愛してるとか、大好きとか、おやすみなさいとか、満載だったんじゃない？」&lt;br /&gt;
「……」&lt;br /&gt;
「消しちゃうんだったら、一度見せてほしかったなぁ～」&lt;br /&gt;
「……」&lt;br /&gt;
「僕の携帯は見られたのに、君のは、とうとう見られなかったね」&lt;br /&gt;
「あなたがオートロックなんてかけてるから…」&lt;br /&gt;
「別に、後ろめたくはなかったよ」&lt;br /&gt;
「じゃぁ、なんで…」&lt;br /&gt;
「君が僕の携帯を隠したとき、いっそロックを解除してくれればと思ったよ」&lt;br /&gt;
「……」&lt;br /&gt;
「そしたら、あらゆる濡れ衣が晴れただろうに」&lt;br /&gt;
「解除して、見せてくれればよかったのに…」&lt;br /&gt;
「それは嫌だって言ったでしょう。君に監視されて管理されて、自由が全くないなんて」&lt;br /&gt;
「あの件がなければ、仲よくやれていたかも知れないのに」&lt;br /&gt;
「仲良いふりをしていただけだよね。お互いに辻褄合わせてさ」&lt;br /&gt;
「そうかしら？」&lt;br /&gt;
「だって、あのころから、いかがわしいメモ、たくさん残ってるよ」&lt;br /&gt;
「あれは…、恋の妄想…」&lt;br /&gt;
「でも、心惹かれてる男はいて、逢ってたりした訳でしょう？Ｍのことはまだだけどね。」&lt;br /&gt;
「……」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
☆&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「僕の手帳も、盗み見てたよね？」&lt;br /&gt;
「ごめんなさい」&lt;br /&gt;
「僕の入浴中に見て、書き写していたよね？デートの日程決めるために」&lt;br /&gt;
「……」&lt;br /&gt;
「どうして盗み見てるか、わかったと思う？」&lt;br /&gt;
「わからない…」&lt;br /&gt;
「手帳のしおりの位置を細工しておいたんだよ。すぐわかった」&lt;br /&gt;
「そんなことしてたの……」&lt;br /&gt;
「僕の予定を把握して、それに合わせて出かけていたんでしょう？」&lt;br /&gt;
「……でも、誰にも迷惑はかけてない」&lt;br /&gt;
「へ？？！」僕はわが耳を疑う。&lt;br /&gt;
「夜出かける時も、遅いときは、家族の夕食は作っていったし」&lt;br /&gt;
「気づかれないように、でしょう？夕食作っていたから、いいの？」&lt;br /&gt;
「夕飯づくりの時間があったから、けっして自由ではなかった」&lt;br /&gt;
「夕飯づくりがあるから、彼と心行くまで一緒にいられなかったと？」&lt;br /&gt;
「……最低限のことは、ちゃんとしていた…」&lt;br /&gt;
「その言い訳、だれか友達に言ってごらん？みんな、あきれるよ」&lt;br /&gt;
「……家族は大事にしていたつもり」&lt;br /&gt;
「よく言うよね？家庭を崩壊させたの、君だぜ？」&lt;br /&gt;
「…でも、家族は本当に大事…」&lt;br /&gt;
「その家族に、僕は入っていましたか？」&lt;br /&gt;
「……」&lt;br /&gt;
「入っていたの？僕は？」&lt;br /&gt;
「お父さんは、家族として大事…」&lt;br /&gt;
「父親としてでなく、あなたの夫である僕は、家族に入っていたんですか？」&lt;br /&gt;
「……」&lt;br /&gt;
「入ってないよね？」&lt;br /&gt;
「……」&lt;br /&gt;
「家族は大事。でも恋は、もっと大事だったんでしょう？」&lt;br /&gt;
「そんな…、比較できない…」&lt;br /&gt;
「じゃぁ、両立すると思ってた？」&lt;br /&gt;
「両立できる…、両立してると思ってた…」&lt;br /&gt;
「はぁ～、まぁ、君の意識としては、そうだったんだろうね？」&lt;br /&gt;
「……」&lt;br /&gt;
「恋は別物って？」&lt;br /&gt;
「……」&lt;br /&gt;
「ラブホテルから帰ってきて、息子たちとテレビ見て、笑ってたしね」&lt;br /&gt;
「……」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
☆&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「でも、夜や休日に、あれだけ出かけたら、どんな鈍感な夫でも気づくよ」&lt;br /&gt;
「わかるはずないと思ってた…」&lt;br /&gt;
「へぇ～？どうせ鈍感な夫だしって？」&lt;br /&gt;
「私になんか、あなたは関心ないと思ってたし」&lt;br /&gt;
「そう？」&lt;br /&gt;
「仮にわかっても、あなたは関心ないと思ってた」&lt;br /&gt;
「逆に、夫に関心がなかったのは、君でしょう？」&lt;br /&gt;
「……」&lt;br /&gt;
「夫が、急激に５キロ痩せても気づいてなかったよね？」&lt;br /&gt;
「…知らなかった」&lt;br /&gt;
「僕の職場や、周囲の人はみんな、やつれた僕を心配してくれていたよ」&lt;br /&gt;
「…気がつかなかった…」&lt;br /&gt;
「僕の顔を、まともに見ることなんて、なかったものね？」&lt;br /&gt;
「……」&lt;br /&gt;
「もう、そのイヤな顔も見なくて済むようになるから、よかったね？」&lt;br /&gt;
「……」&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
☆&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
そして、君はいつも、最後に言っていた。&lt;br /&gt;
泣きそうな顔で、憐れみを乞うように…。&lt;br /&gt;
「私はどうなるの？」と…。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
それは、僕が決めることじゃない。&lt;br /&gt;
君が、君自身で、決めることだ。&lt;br /&gt;
僕が、僕自身で、決めたように。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
彼に、相談して、いいんだよ。&lt;br /&gt;
君の、携帯を、自由に使って。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
たぶん、無駄だろうけど…。&lt;br /&gt;
彼は、君を引き受けるつもりは全くない…。</description>
			<link>https://blogs.yahoo.co.jp/sirahamaryu/51919662.html</link>
			<pubDate>Mon, 11 Jul 2011 22:34:18 +0900</pubDate>
			<category>離婚</category>
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