94歳ブログ「紫蘭の部屋」

1月3日、また一つ馬齢を重ねて94歳になり、来訪者も49万名を越えました。老いの一徹であと少し頑張るつもりです。よろしく。。

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(53)二、二六事件

      (53) 二、二六事件勃発
 
 今から77年前、昭和11年の今日・「2月26日」に2,26事件が起きた。
 この年、自分は小学校6年生で、間もなく旧制中学に入学する直前だったので、常に記憶は新しい。
 5,15事件に続くこの反乱は、陸軍内部の「皇道派」と「統制派」との抗争によるものであった。
 当時、軍律厳しいはずの帝国陸軍が上官を殺害し、下克上ともいえる反乱を起こすとは到底考えられない事だった。
 
                                「当時の新聞記事
 
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  この日早朝、超国家主義者「北一輝」の「尊皇討奸」思想の影響を受けた青年将校たちの率いる反乱軍が、「昭和維新」を掲げて、首相官邸はじめ高橋蔵相邸、斉藤内大臣邸、渡辺教育総監邸などを襲撃するという、いわばクーデターともいうべき事件であった。
 
 
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  反乱軍は、圧倒的な兵力と重火器によって、警視庁や霞ヶ関、三宅坂一帯の官庁街を制圧、岡田首相の甥の松尾大佐(首相の身代わりになったといわれる)、高橋是清蔵相、斉藤実内大臣、渡辺錠太郎教育総監、などの政府要人を殺害した。 
 
イメージ 3 
  しかし、ラジオ放送やビラによる「兵に告ぐ」という香椎戒厳司令官の命令によって、反乱軍は投降,帰隊して事件は鎮圧されたが、事件後、野中、河野両大尉は自決、軍法会議の結果、7月5日反乱罪として青年将校、民間人ら17名に死刑判決が下った。 
 
 
 一方、首謀者たちの命令のままに何も知らずに参加した反乱軍の兵士たちの多くは、その後、満州の最前線に送られて、その多くが戦死し、特に安藤大尉の兵士たちは突撃を強要されてほとんど戦死したという。
 
(*兵に告ぐの命令の「今からでも遅くない」という言葉は、当時の流行語として有名になった)
  
 
 
 
 
 
 
          ↑ 戒厳司令部
 2、26事件の昭和11年は、私の小学校卒業の年、まだこの事件が意味することを深くは知る由もなかったが、これから先、陸軍内部では、真崎甚三郎に代表される「皇道派」を蹴落として、東条英機などの「統制派」が主導権を得て、蘆溝橋事件から日中戦争に至る、泥沼戦争へと足を踏み入れて行くのである。
 
 2,26事件の意味もよく知らないまま、中学の先輩である真崎甚三郎大将や三上卓海軍中尉(5,15事件首謀者の一人、懲役15年の実刑判決) が関与していることを聞いて、まだ意気盛んな葉隠少年だった自分は、なぜか胸が高鳴る思いがしたのを覚えている。

 その頃、若者の間に「昭和維新の歌」という歌が歌われていた。その作詞者が「三上卓」だった。
 
  「昭和維新の歌」・・ (青年日本の歌とも言う)

     ♪ 汨羅(べきら)の淵に 波騒ぎ
       巫山(ふざん)の雲は 乱れ飛ぶ
       混濁の世に 我立てば
       義憤に燃えて 血潮湧く
 
       権門上に 傲(おご)れども
       国を憂うる 試(ため)しなし
       財閥富を 誇れども
       社稷(しゃしょく)を思う 心なし
 
       ああ人栄え 国亡ぶ
       盲(めしい)たる民 世に踊る
       治乱興亡 夢に似て
       世は一局の 碁なりけり
 
 
 正義感溢れる若者たちには、当時の政界、財界の腐敗は許せないものに思えたのだろう。私たちも当時、この歌を声張り上げて歌っていたのだ、事件の深い意味も知らずに。。
 
 *余談だが、友人のK君は学徒出陣で騎兵隊に入隊、その後スパイ学校として有名な「陸軍中野学校」に進み、敗戦間近かに佐賀の部隊に配属された。彼の任務のひとつは、この「三上卓の動静を調べることにあったという。
 (その理由は彼自身にも分からなかったそうだが、戦後、三上卓は「三無事件」という自衛隊のクーデター事件(未遂)に関連したことがあるらしいから、戦時中も要注意人物だったのには疑いがない。)

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閉じる コメント(16)

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2.26事件・・言われるまで 思い出しもありませんでした。あれから 早くも77年が流れ 昭和も遠くなったものです。若い兵士の想いは 今に若い青年にはない 純粋さも強かったのでしょうね。

2013/2/26(火) 午後 5:59 タケサン 返信する

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紫蘭先輩のことを考えておりました。
確か、柳家小さん師匠がこの事件のときに
「何もしらない兵士」のひとりとして
参加していたのではなかったかしら。 削除

2013/2/26(火) 午後 7:39 [ k ] 返信する

言われなければいつもの普通の平日として過ぎて行ってました
今日は「2・26」ですよね
授業で習ったり、映画で見ただけですけど音の響きがすっかり耳に着いてます

2013/2/26(火) 午後 7:46 ねこやん 返信する

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社会科の授業で習ったというだけの認識ですが、紫蘭さんは実際に
ご存知なんですよね〜。
2.26事件をきっかけに軍国を突っ走っていったのですよね。
平和って有難いなぁとつくづく。。。

ナイス★

2013/2/26(火) 午後 8:17 ねえね 返信する

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水沢の斎藤實記念館で斎藤皐水の寝室にあった弾痕生々しい鏡台と血糊のついた寝巻きを見てきました。如何なる大義名分があろうと丸腰の老人に浴びせかけるような弾の数では無いと、狂気を感じました。婦人の角膜を移植手術受けた方がご存命だそうで、事件を眼前に見た当事者の目が主を変えて生きていると思うと何か昔のことに思えません。

2013/2/26(火) 午後 9:51 [ cihuacihua ] 返信する

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反乱軍扱いは残酷で悲しいものですが仕方がなかったのでしょう。
今の嘘つき国家日本、(金太郎飴)マスコミから思うとやはりいつまでたっても子羊は本当のことは調べなければ知らされないんですね。 削除

2013/2/26(火) 午後 10:37 [ トマックス ] 返信する

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亡父も存命中は良くこの事件の事を話しておりました。
紫蘭さんはじめ御存じの方々が少なくなって行かれる事が寂しく思われてなりません。 東京はさむ〜い日だったと・・・父27才。

2013/2/26(火) 午後 11:09 [ リラ ] 返信する

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タケさん、当然ですね、77年も前のことですから。。
シランの場合はちょうどその時が小学校卒業、中学入学のすぐ前の事だったのでよく覚えています。
人間の記憶は、何かきっかけがないとすぐ消えてしまうものですね。
その前年に父が亡くなったので、不思議と当時の記憶は鮮明です。

2013/2/26(火) 午後 11:21 紫蘭 返信する

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Kさん、反乱軍として動員された兵士たちはその後前線に送られたそうです。何も知らず、知らされずにただ上官の命令に従っただけなのに。。
軍隊とは、ほんとに不条理がまかり通る組織でした。

2013/2/26(火) 午後 11:25 紫蘭 返信する

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ねこやんさん、77年の前の話ですから、みんなの意識から遠ざかるのは当然です。まして今は平和な時代、反乱なんて考えられませんからね。

2013/2/26(火) 午後 11:27 紫蘭 返信する

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ねえねさん、2,26事件から太平洋戦争、みんな現実に体験してみるとほんとにいろんな事があったなぁ・・と感慨深いです。
身についた体験はなかなか忘れることが出来ないです。

2013/2/26(火) 午後 11:29 紫蘭 返信する

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cihuacihua さん、斉藤実の記念館があるんですか。。
当時の青年将校たちの問答無用のやり方は正気の沙汰ではないですね。でも、当時の国民感情としは案外彼らの味方でした。それだけ、みんな政党政財界の腐敗を感じていたのではないでしょうか。。

2013/2/26(火) 午後 11:35 紫蘭 返信する

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トマックスさん、現実に反乱を起こしたのですから、処罰は当然でしょうね。本人たちは初めから覚悟していたと思います。
一部の国民は、決起した事を歓迎していたのですから、或いは青年将校たちも満足して逝ったのではないでしょうか。。

2013/2/26(火) 午後 11:38 紫蘭 返信する

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リラさん、事件お日は東京は大雪だったそうで、寒かったでしょうね。77年も経ってしまった今、事件のことを書くのはあまり意味がありませんが、むかし、こんな一途な若者たちが居た、という事を知るのも無意味ではないかと思います。

2013/2/26(火) 午後 11:42 紫蘭 返信する

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昨日は2月26日、77年前に2.26事件が起きた日ですね。私は生まれていなかった。今の時代と違って生き生きとして日本の将来を考えて青年将校は行動したのでしょうね。

2013/2/27(水) 午前 7:27 piljugina 返信する

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ノンちゃん、確かに当時の若者には目的意識があって生き生きしていましたね。善悪は別としてやる気満々でした。短いですが、彼らは彼らなりに充実した人生だったのでしょう。。

2013/2/27(水) 午後 3:33 紫蘭 返信する

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