歴史資料ネットワーク(史料ネット)

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■おうちの思い出・まちの記憶を残すために
〜アルバムや写真の保全〜
 
濡れたり、泥で汚れていても修復可能な場合があります。
あきらめずに捨てなければ、心の復興にもなるのではないでしょうか。
下記に、水損や汚損した写真やアルバムについての応急処置方法を記します。
 
ただし、下記の処置は、いずれも平均的な対応であり、
必ずしもこの処置によって修復が可能になるということを保証するものではありません。
物資とライフラインと写真の被害状況状況に応じて処置方法も変わってきます。
これらの点をご了解の上、参考になさってください。本格的な修復は、専門家にご相談ください。
 
◎「写真を救い出すために」(九州保健福祉大学准教授・山内利秋さんからの情報提供)
写真を救い出すことの意味。
・災害から助かった方々は、亡くなった方々の分まで強く生きていかないとなりません。これから悲しみや不安を乗り越えていかなねればならない場面が出てくるかと思います。今後心やすらいで生活をおくる上で、写真のような思い出、自分や家族の人生の軌跡をたどれる品々がのこされていると、以後の心の持ち様にも影響を与え、これから強く生きていく事にもつながります。
・難しい中で災害現場からなんとか写真を持ち帰る事ができたとしても、水に濡れてしまっていたり、泥で汚れてしまったりしていると結局写真がだめになる事もあります。これをなんとか綺麗にしていきたいと思います。
早い時間ならば、とにかく乾燥。
・写真を水害から比較的早い時間に救出出来た場合、写真をとにかく乾燥させる事が先決です。写真を1枚1枚広げて触らないように自然乾燥させれば、ある程度もとの状態に回復します。
・写真をアルバムに貼り付けていない場合、あるいは三角コーナーなどで固定されているアルバムに貼られている写真の場合、写真同士が貼り付いてしまっている事があります。人肌よりややぬるい程度の水に程度につけてゆっくり剥がしていくと、少し画像は壊れますが上手くいく事があります。
カビが生えます。
・写真は濡れてしまうとカビが生えやすいです。冷蔵庫・冷凍庫などに入れて低い温度にしておくと繁殖が遅くなりますが、それでもカビは生きています。特に写真は画像にカビが生えてしまうと、取り除くのが難しいです。可能ならば水分を除去できる状況にする事が必要です。
・余裕があるならばキッチンペーパーや、なければとりあえず新聞紙などを押し付けて水分を吸収する。
・表面にシートを貼るタイプのアルバムは、中に水がたまっています。この場合、アルバムを剥がさないと水分を吸収する事が難しいです。枚数が多い場合にはとにかくどうしても必要な写真を剥がしてしまう事をお勧めします。
・さらにエタノールがあればこれで可能な限りふき取って下さい。ただし、紙の繊維の中に入り込んだカビはなかなか完全にはとれません。
画像が壊れます。
・カラー写真の場合、写真に使われている色素が水を含むと溶けてしまい、画像が流れてしまいます。また、アルバムの表面シートに画像が貼り付いてしまう場合があります。古いモノクロ写真では、画像がひび割れてしまいます。この場合、画像があまり壊れてなければ写真を剥がす事が先ですが、難しい場合は、台紙ごと切り抜いてしまった方が手っ取り早く、カビから救う事が出来ます。シートに貼りついていたら、シートごと切り取って下さい。
ニオイがします。
・水害などであふれてきた水は色々な菌を含んでおり、ニオイの発生源となります。アルバムのように紙が重なったようなものは特にストレスの原因になります。ニオイを取り除くには相当の時間がかかります。これが処理のストレスにつながるので、必要な写真を台紙から剥がしてアルコールで拭く等の処置を行った方が早いです。
複写する事。
・写真の枚数が多い場合、一枚一枚保存のための処置を行っていたら間に合わなかったりします。こういう時はデジタルカメラで複写したり、スキャナーで取り込んだりして写っている画像をのこす方が早いです。
・余裕があれば現状記録。
写真が現状でどういう状況にあるかを記録しておく事は、後々同じような状況があった場合に非常に参考になります。ただしこれは余裕がある場合です。写真の劣化はとても早く進行しますから。
 
◎コダック
「写真プリントやフィルムが水濡れした時の救済について」(2011年3月30日)
水や泥にかぶって張り付いてしまった写真やフィルムの応急的な救済方法について紹介されています。

◎富士フイルム
「写真プリントや記録メディアが水などをかぶったときの対処法について」(2011年3月24日)
http://fujifilm.jp/information/articlead_0094.html
写真プリントやデジタルカメラなどの記録メディアが水や泥をかぶってしまった場合の
平均的な対処法について紹介されています。
 
◎史料ネットが2009年台風9号の際におこなった対処法
10/4 H家文書、Y家アルバム返却 佐用町
http://blogs.yahoo.co.jp/siryo_net/33329450.html
11/21第11回佐用町レスキュー
http://blogs.yahoo.co.jp/siryo_net/30380859.html
11/2-3第10回佐用町レスキュー
http://blogs.yahoo.co.jp/siryo_net/30195159.html
10/12第9回佐用町レスキュー
http://blogs.yahoo.co.jp/siryo_net/29978738.html
・糊付き台紙のアルバムに貼られた写真の処置方法・方針
・未整理で重なった状態で固着した写真の処置方法
10/4-5第8回佐用町レスキュー
http://blogs.yahoo.co.jp/siryo_net/29861783.html
9/9-10第5回佐用町、第2回宍粟市水損史料保全活動
http://blogs.yahoo.co.jp/siryo_net/29533410.html

 
◎「文化財防災ウィール」(監修:文化財保存修復学会)
写真の応急処置について
・プラスチックや紙のケース、フレームから取り出す。写真についての情報はすべて保存しておくこと
・冷たくきれいな水で慎重に洗い流す
・表面に触ったり汚したりしないこと
・ 自然乾燥:写真の写っていない部分をクリップでとめて吊すか、吸水性のある紙の上で平らにして置く。写真の表面がお互いに接触するのを避けること
・他にたくさんすることがあれば、次のうちどちらかの処置をする。
 ①48時間以内までなら、きれいな水を入れた容器に浸し、保管する(歴史写真は除く)
 ②凍らせる
 可能であれば、写真の間に「フリーザー紙」や「ワックス紙」を挟んでおく
・ガラス板の原板は凍らせないこと
 
 
◎マスコミ報道
・日本テレビ系(NNN) 3月25日(金)15時37分配信
「損壊家屋などの撤去指針 7知事に通知」
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/nnn?a=20110325-00000041-nnn-soci
 政府は、東日本大震災で壊れた住宅などを自治体が撤去する際のガイドラインをまとめ、宮城や岩手など7県の知事に通知。
 政府が定めたガイドラインでは、本来の敷地から流出したり壊れてがれきになったりした建物は、自治体が所有者の承諾を得ずに撤去しても差し支えないとしている。一方、貴金属や金庫は保管して所有者に連絡し、個人的な価値があると思われる位牌(いはい)やアルバムも捨てずに保管し、所有者などに引き渡す機会を設けることが望ましいとしている。
 政府は今後、撤去についての具体的なマニュアルを作るとのこと。
 
・日本経済新聞 2011/3/25 12:51 配信
「倒壊家屋や壊れた車は撤去可能 がれき処理で政府指針」
http://www.nikkei.com/news/latest/article/g=96958A9C93819481E0E7E2E3E78DE0E7E2E1E0E2E3E39790E3E2E2E2
・朝日新聞 2011年3月25日 9時3分
がれき処理、私有地立ち入りや家屋撤去容認 政府指針
http://www.asahi.com/special/10005/TKY201103240467.html
 
・がれきの中のアルバムや記念品…保管か廃棄か
読売新聞 3月23日(水)3時6分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110323-00000022-yom-soci
水にぬれた写真類や記念品、仏具などは、経済的価値がなくても人によって大切な場合がある。そうした「精神的価値」のある物を一律に自治体が処分できるのかどうか。政府は、最終的な判断を自治体に委ねる方針

・アルバム、写真…思い出探しに学生ら奮闘
毎日新聞 3月21日(月)11時19分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110321-00000004-maip-soci
「思い出が詰まった大切な写真を持ち主に返したい」。300世帯以上が津波被害を受け、30人が犠牲になった岩手県野田村で、地震後に帰省した大学院生らが20日、がれきの中にあったアルバムや写真を持ち主に引き渡すボランティアを始めた
 
・妻の形見を求めて 岩手・山田町
産経新聞 3月21日(月)7時57分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110321-00000101-san-soci
 
・アルバムを抱える被災者=東日本大震災
時事通信 3月20日(日)20時46分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110320-00000054-jijp-soci.view-000
倒壊した自宅からアルバムを見つけ出し、大事そうに抱えて帰る被災者。
 
・死者の9割は水死 岩手・陸前高田
毎日新聞 3月20日(日)20時16分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110320-00000024-maip-soci
 
・「思い出」探す被災者 がれきの自宅跡訪れ−−宮古 /岩手
毎日新聞 3月20日(日)10時52分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110320-00000029-mailo-l03
宮古市では19日、がれきの中から少しでも使える家財道具や思い出の品などを捜したり、辛うじて残った家の後片付けをしたりする多くの姿が見られた。

・肉親捜し被災地に 壊れた故郷に涙 岩手
毎日新聞 3月19日(土)20時3分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110319-00000024-maip-soci
 
・再送:燃料不足は遺体処理にも影響、被災者の不安もピークに
ロイター 3月18日(金)18時21分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110318-00000289-reu-bus_all
津波で壊滅状態になった同県陸前高田市では、消防隊員や自衛隊員らが懸命の捜索活動を続ける中、被害を受けた自宅に戻り、アルバムなど思い出の品を探す被災者の姿も見られた。
 
 
 
 
 
 
 
 

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閉じる コメント(3)

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九州保健福祉大学の山内利秋さんから、写真・アルバムの応急処置方法についてご教示いただきましたので、アップいたします。
山内さん、ありがとうございました。(ま)

2011/3/29(火) 午後 5:53 [ 歴史資料ネットワーク ] 返信する

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2011年3月30日朝日新聞30面に「思い出の品 捨てないで」と題してアルバムなどの処置方法が記されています。史料ネットも取材協力しましたので、ごらんください(ま)

2011/3/31(木) 午前 9:38 [ 歴史資料ネットワーク ] 返信する

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コダックによる写真やフィルムの応急的な救済方法についての情報を追加しました(か)

2011/4/5(火) 午後 1:00 [ 歴史資料ネットワーク ] 返信する

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