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阪急・東宝グループが、総力を結集した(笑)ほのぼの小品佳作。
片道15分の阪急今津線を舞台にした、群像ドラマ。 キーマンとなる、老婦人・宮本信子が素晴らしい。宮本信子といえば、ぼくのファースト・インプレッションは、TVドラマ「おひかえあそばせ」の、地味だけど、強気長女、その愛らしさ。 宮本信子の代表作は、一般的には、もちろん夫君・伊丹十三の一連の映画「お葬式」「マルサの女」など。しかし、伊丹十三と宮本信子の資質は、明らかに違う。伊丹映画の宮本信子は、最低だ。まるきり、面白くない。 宮本信子自身には、主演女優のオーラは、まったくない。むしろ脇役で光るタイプなのだが、夫婦愛ゆえか、伊丹の、監督オット、主演ツマという、うるわしい図式を求めての、戦略ゆえか、そういう組み合わせがしつこく、しつこく、続いた。本当に、うんざり映画ばかりの伊丹映画。 世間もそれをわかっていたので、伊丹の死後、急速に伊丹映画は、忘れ去られていった。 通俗をもっとも嫌ったはず?の、伊丹十三の<にせものの通俗映画>が、時代から外れたとたん、急速に色あせた皮肉。 伊丹十三と宮本信子たちが、気付いていたのかどうかは、知らないが、彼らのコラボ映画をうんざりするほど見続けていたら(つまり、ふつうに見ていたら)、はっきり、わかること。監督・伊丹と、主演女優・宮本信子は、まったく、資質が、合わない。 大事なことだから、二度言いました。 伊丹映画は、宮本信子以外の(より華やかな)女優を主演にしていたら、もっと、ひかりかがやいただろう。 宮本信子も、伊丹映画とは真逆の、よりつつましい映画に(つまり、この「阪急電車」みたいな映画に)、助演していたら、もっと輝いていただろう。 おそらく伊丹は、たとえば、敬愛する小津のような<監督と主演女優=原節子の、絶対的コラボ>の幻影を求めていたのだろうが、それを自前の妻・宮本信子で、やろう、としたことに無理があった。 そういう伊丹の<呪縛>から、離れたかのような、のびのびとした、本作の宮本信子、すばらしい。 その孫娘・芦田愛菜のおしゃまぶり。ドンくさい田舎出娘・谷村美月、その彼氏・勝地涼、南果歩、中谷美紀、などなど、みんなとてもよい。 中でも、注目すべきは、玉山鉄二、ホントに天然な癒し系好青年。男でも、惚れてまうで。 相武紗希、TVCMのにこにこ笑顔とはまったく違う、リアルな顔の女を、垣間見せた。彼女も、おそらく主役タイプではないが、ホントにちょっと出てくるだけで(「ゴールデン・スランバー」のように)場を支配する。 彼女の兄貴役も、好アシスト。 全てが、いいほうに転がった小品佳作。 ただ、まあ、あんまりにほのぼのしていて、という、ないものねだりの不満は、あるのね。 https://movie.blogmura.com/movie_theater/
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