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キネ旬星取表やネットでは、それなりに評判はいいのだが、ぼくはノレなかった。ノレ弁。
まず、主演の小西真奈美が、ちょっと。デヴュー作の「阿弥陀堂だより」では、たいへん可愛らしくて、演技もナチュラルで、その年の個人的新人賞だった。ところが、その後伸び悩んだ(演劇の彼女は知らないが、ぼくが見た限りの映画では)。本作でも、普段の彼女はたいへん可愛らしいのだが、何かに欠けている。俗に言うオーラがない。それは、主演女優としては、まずい。そして、啖呵を切ったり、喧嘩で旦那を罵倒したりするときの彼女の、発声法はもろに演劇の発声で。普段はナチュラルな演技なのに、豹変するとおどろおどろしく芝居じみてくる、まさにヨロキンだ。小西真奈美見は、女萬屋錦之介でいいのか。何か、優等生がお勉強してお芝居しています感が抜けていないように思えてならない。同じことはこの映画全体にも感じる。
そして、最近ブームな?料理映画としては、どうだろう。「かもめ食堂」「南極料理人」の料理は、ヴィジュアル的によかった。のど、ごっくん。「めがね」「ラーメンガール」は駄目だった。おいしそうに見えない。で、本作は後者かな。
まず、のり弁、というのが、ヴィジュアル的に、うまく見せるのは至難の技。いや、のり弁自体は大変、うまいよ。うまいけれど、これをヴィジュアルで見せても、うまいかは、また別で。
しかも本作ののり弁は海苔で何層にも分けて、間にさまざまな具入りご飯を重ねるというもの。いや、これ、邪道だって。のり弁というものの本質(笑)は、真っ白なご飯と、真っ黒い海苔とのきわめてシンプルな結合なのだ。究極の白黒食かつ白黒ショー。
それなのに、何層にもいろいろな混ぜご飯を散らして、階層を作るなんて邪道だよ。うまいのかもしれないが、それはのり弁とはまったく別のコンセプトだろう。
その何層にも分けた混ぜご飯プラス海苔の説明を、これまた汚いCGで何回も再現するんだけど、これがさらにのり弁のまずさを倍増させるような安いCGで。大体ご飯粒と海苔なんてものは、CGでいくら金かけたって、そのテクスチャーは絶対再現不可能。それを安いCGで繰り返す、余計まずさ感が倍増するのだ。最後に、ヒロインが開店する弁当屋の弁当、これがまた、ヴィジュアル的に、まったく美味く見えない。なんか、ヘルシーな弁当を目指しているらしく、ヴィジュアル的に、地味。目で見て、おいしそうに見えない、というのは、映画としては、まずいのだ。
ドラマも、部分部分はいいし、役者たちも味があるのだが、これでは、コンビに弁当にも、負けてるよ。
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