今、そこにある映画

傑作も駄作も、ともに見る。ともに、愛する。 変態です。出来れば映画はフィルムで見たい。別ブログ「昔の映画を見ています」もあるでよ

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チャヌク「渇き」

 パク・血抜く、もとい、パク・茶抜くから「渇き」、ふたたびもとい、パク・チャヌク監督作「渇き」、きわめてパワフルかつ華麗な怪作/快作で。
 信仰生活への不満から、ソン・ガンホ神父は、奇病ウィルスの研究所に入所する。自らを人体実験に捧げようというものだ。
 この死に至る奇病というのが、白人やアジア人が主にかかる病気で、なぜかアフリカ人はかからないらしい。だから研究所の医者や看護婦は、みな黒人。ここら辺、さりげなく韓国人の人種差別好みが出ているのが、軽く笑えるところで。
 ソン・ガンホは、その奇病ウィルスに犯されて、いったん死ぬのだが、まるでキリストのように、生き返る。
 それ以後、どんな傷を負ってもすぐ回復し、怪力にもなり、高層ビルから飛び降りても、死なないパワーを得る。 
 ただし、人間の血を摂取しなくてはならない、ヴァンパイア、となる。
 きわめてパワフルかつユーモラスに語られる現代奇譚。たが、同じ監督の「オールド・ボーイ」「親切なクムジャさん」「復讐者に憐れみを」ほどは、スーパーでは、ない。
 相変わらず、VFXというのかCGというのか、その華麗な使い方には、惚れ惚れとする。この分野でも、日本は韓国に何年間か分の遅れをとっているのではないか。その技術、センスの良さが、日本は到底太刀打ちできないレヴェル。
 韓国にとっては、毎度親和性の高いジャンル、はんぱない犯罪=暴力描写も、一日の長あり。華麗な映像美だけではなく、デブのおじさんの全裸体を延々と映す趣味の悪いセンスも、素晴らしい。ここら辺なんか淀長さんに見せたかった(笑)。
 特筆すべきは、ヒロイン、キム・オクビンのハンパない可愛さ。めちゃくちゃキュート。ソン・ガンホによりヴァンパイアにされるのだが(それには悲しい事情がある)、その前も、そのあとも、まったく素晴らしい。あんなことも、こんなこともするビッチ女を、こんな可愛い女優さんにさせるなんて。さすが、パク・チャヌク。
 セックス中のソン・ガンホと彼女の間に、彼女の夫がサンドイッチされて、いわば3P状態となるシーンに大爆笑。この3Pシーンこそ、この映画の白眉とも言うべきで。何年かたって、この映画の内容はほとんど忘れても、この強烈なイメージは覚えているに違いない。げんに、キム・オクビンの美貌の記憶は少し薄れているのに、夫を演じたシン・ハギュンのあのうすら笑い顔の印象は強まるばかり(笑)。
 主演ソン・ガンホ、今回はヴァンパイア役ということで、血に飢えたときの、蒼白な顔が、やや、似合わない。キム・オクビンの、犯罪=暴力を楽しむ性癖に、苦悩する表情なんてのも、らしくないやね。

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