|
京橋にて。「EUフィルムデーズ2011」特集。10年、ラトビア=中国。
香港を舞台にして、桃井かおりが、広東語、日本語、英語を駆使して主演した映画、なのだが。 マリス・マルティンソンス監督。原題は「AMAYA」のみ、副題の、有名映画のパクリみたいなのは、邦題として追加したものか。「雨夜」は、ヒロイン桃井の名前、って言うか、日本人の感覚では雨も夜も女の子の名前としてはなじまないが、そこはラトビア人監督の<外国人らしい日本趣味>か。その由来は映画のなかでふれられている。 香港の中国人クリーニング屋主人(演じている役者は、香港映画で見た覚えがある)と結婚して、25年、すっかり地元になじんでいるが、人生とも夫とも倦怠期の日本人女性・雨夜。そこへ、この地に放浪してきた、ラトビア人の男。ラトビアでは有名なミュージシャンが演じているらしい。たしかに、その面構えは、人気スタアのオーラあり。その放浪者と、桃井かおり、その夫、その雇い主(にして、桃井に思いを寄せる)中国人マッサージ師、そのマッサージ教室に通う女の子(超かわいいアイドル女優顔、いや、こういう子が好みなんだよなあ>笑)、ラトビア人男の元カノが、からむ群像劇、なのだが。 終映後、常連さんらしいふたりが、感想を言っていた。 「何でつまらないのかな。ストーリーが面白くないのかな」 「フンイキ映画だからでしょ」 いや、フンイキ映画にだって、いいのがあるよ。 つまり、この映画は、下手なの。 多岐にわたる登場人物が変わるたび、シーンが変わるたび、映画の流れ、感情の流れが、いちいちリセットされて、ゼロになってしまう。 脚本が下手なのだと思う。演出が下手なのだと思う。90分なり120分なりの間、一定の感情、一定の流れ、一定の風合いを、持続させることが出来ないシロウト監督が、作った映画。それだけ。 香港の都会で出会った、桃井、ラトビア人、ぼくの超好みの女の子が、田舎の漁村で顔を合わせる。その漁村は、桃井の息子が住む村(しかし、その息子は映画に出てこない)、女の子の両親が住む村(しかしその両親は出てこない)、ラトビア人男は「この村が君たちゆかりの村だとは、知らなかった。偶然来たんだ」という。なんじゃそりゃ。 メロドラマの原則に従い、みんながみんなと絡み合っている。三年前、ロンドンで別れた元カノと、香港で偶然再会する。その元カノの現在の夫は、超かわいい女の子の元上司。 なのに、シーンの流れ、感情の流れは、ことごとく、分断、分節、リセットされる。 心がない、菅直人とか岡田が作った映画かと。 ラストは、まあ、こういう<フンイキ映画>を作る人らしく、時制が冒頭に戻りつつ、現在であるという、<いかにもおしゃれな展開>なのだが、もう誰が見ても、お前、バカだろう、という意味のなさ。最初と最後のシーンが同じ、なんて、おしゃれだなあ、というその一点で、同じにして、でも、それ、何の意味もないという。 桃井かおりの美点のひとつに、ぼやきみたいなつぶやきがあり、まさにつぶやき女優だと思うが、ベッドで眠れぬままの独り言長台詞(いや、いくら眠れないからといって、ベッドで、こんなに長いひとりごというやつ、いねーよ、という)はじめ、そのわずかな美質も活かしてもらえなかった。 超かわいい女の子と、香港の、床がすけすけスケルトンのロープウェイのみ、見もの。ただし、このロープウェイ、演出がひどいと、それほどよく見えないというのも、残念。 6/8もう一回上映があるが、見なくていいと思う駄作。ただし、あまりにつまらなすぎて、人気もなくて、今後見られる可能性は少ないという意味で、貴重かも。 https://movie.blogmura.com/movie_theater/
★ にほんブログ村★ |

- >
- エンターテインメント
- >
- 映画
- >
- 映画レビュー




