今、そこにある映画

傑作も駄作も、ともに見る。ともに、愛する。 変態です。出来れば映画はフィルムで見たい。別ブログ「昔の映画を見ています」もあるでよ

日本映画

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 あまりにも、ミステリ・コメディーとしてくだらないので、完全ネタバレが、あります。
 

 オープニング・クレジットが終わったあと、最初の1〜2分間で呆然とした(笑)。
 山本耕史の浮気相手を、なじり、殺しあう妻と愛人。でも、このふたり、顔がそっくり。竹内結子、一人二役か。まさか、このふたり、いわゆる替え玉殺人か。
 裁判劇コメディとは知っていたが、どういう事件を扱うかは、ぼくは知らなかった。なのに、冒頭1〜2分で、結末が読めてしまうとは(笑)。もはや、ネタバレ云々じゃないだろ、曲がない、芸がない、なんなんだろ、このストレートな、工夫のなさは。この監督が好きな、フランク・キャプラやビリー・ワイルダーは、曲がありつつ芸のあるエンターティナーではなかったか。
 いや、シンプルな、ミステリであるのは、いい。いいのだが、冒頭で、その構造というか、仕組みがわかってしまい、しかもその仕組みは、最後まで、そのままの状態で、いく。
 あのー、一応、コメディーですよね。一応、コメディーなら、落ち、必要ですよね。下げ、といっても、いいか。なら、コメディーなら、最後に、ひっくり返す必要が、あるのでは。監督の好きな、キャプラ、ワイルダーなら、最後、無理やりにでも、<違う、地平>に、連れて行くのでは、ないか。ギャグと、ともに。冒頭に、替え玉殺人を示唆したなら、最後は、それをさらに、ひっくり返してこそ、コメディーでは、ないか。
 陰陽師・安倍晴明の「友人の子孫」安倍つくつく、市川正親ふんする、この三枚目?が、まったく面白くない。役者もマジメで、演出もマジメに過ぎる。そして、彼は、二回しか出てこない。三回、出てこそ、ギャグのお約束ではないか。ホップ・ステップ・ジャンプで、おかしいのが、喜劇の定番。この監督のコメディーは、しつこさが、足りない。オシャレだからといって、しつこさがないのは、コメディーとしては、犯罪的ですらあるね。こういう役こそ、<ヒキョーなコメディアン>の出番だろう。ハゲヅラだけで、笑わせるような<ヒキョーなコメディアン>が。
 そして、この映画には、西田敏行、生瀬勝久ら<ヒキョーなコメディアン>が、出ているのだが、イマイチ、天然じゃない。このふたりの<ヒキョーなコメディアン>ぶりが、イマイチ、生かされていない。この監督の、コメディー的限界か。コメディー系<暴れん坊将軍>との、相性の悪さ。
 お品が、いいのかな。中井貴一、阿部寛の、お品のいいコメディー演技は、最高なのだ。中井貴一、阿部寛は、ホントに、最高で。この監督、アメリカン・コメディーへの偏愛を表明しているが、実は、ブリティッシュ・コメディーのほうが資質が、あうのではないのかな。
 ついでにいえば、竹内結子は、脚本がひどいので損をしているが、コメディエンヌの天然さでは、余裕で違う天然ぶりで、主演・深津絵里とは、はるかに差がある。女性でありながら<ヒキョーなコメディアン>が、似合う可能性がある。この映画の主役、竹内結子でも、よかったのでは。もと奥さんが、小林聡美だけあって、竹内結子では、<主役には、美人過ぎる>のか、三谷幸喜。
 だれか、竹内結子の完全コメディー、作ってくれないか。
 コメディアンヌ・深津絵里は、きゅうくつだ。<くそマジメな学級委員長>の、きゅうくつさ。
 ついでに、言おうか、深津絵里。
 ラスト・クレジットに、スティール写真で、<登場人物のその後>が、映し出される。その何枚かの、深津絵里が、超きれい、美人。映画本編では、可愛いが、美人では、なかった。
 深津絵里、スティール美人。いやあ、なんだか、深津絵里も、可能性、引き出されてないなあ。
 
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是枝裕和「空気人形」

 う〜ん、微妙だ。
 「誰も知らない」「歩いても歩いても」は、その年のぼくのベストワンだった。こういうリアルな?話ではうまいこの監督も、「花よりもなを」なんかは、脳内お花畑が痛々しくて、丸きりの問題外。
 本作も、ファンタジーの部分でまったく説得力がない。なぜ、空気人形が、心を持って、人間化するか、そこのところが説得力を持たないし、いや、そんなことは一切説明しなくても物語は成り立つのだが、そこら辺の<飛翔力>が、弱い。逆に説得力が強い場合、極端な話、何の説得もなくて、なおかつ説得しうるのだが、それには天性のものがいる。是枝には、ファンタジーにおける、天性の説得力、というか、飛翔力に欠ける恨みが、あるのだ。空気人形が人間化したあとのドラマもまったくユルユルで。空気抜け抜けの「空気人形」というところ。ただしもちろん、「花よりもなほ」よりは、いい。当然のことだ。
 性欲処理の<格安型落ち代用品>たる空気人形ペ・ドゥナを取り巻く、大勢の人々(メインではない脇の人物たち、岩松了、冨司純子、オダギリジョー、余貴美子、寺島進、星野真理など)が、なぜ<出てくる>のか、がこれまた説得力を持たない。単に主役の「空気人形」だけでは、ドラマが、持たない、と判断されて、有象無象の狂雑物を、入れた、ようにしか、見えない。厚みのない集団劇。
 唯一、白髪で禿の、高橋昌也が弟子筋の西川美和「ディア・ドクター」に続いて出てくるのだけが、必然性がある。もっとも高橋の風貌は鈴木清順にクリソツで、清順が元気なら当然清順がやっただろう役か。高橋昌也、これまた代用品か。ちなみに、壮年期には、冷酷な能吏などを得意とした彼も、高齢化して容貌が清順化すると、とたんに弱々しげな老人役専門となってしまった。変われば代わるもの。
 映画館で見る映画の<格安型落ち代用品>である、レンタルショップのヴィデオ/DVD屋で、ヒロインがアルバイトするのも必然か。
 ダッチワイフならぬコリアンワイフのペ・ドゥナは、例によってブサかわいい好演。うまいんだけど、リアルな日常演技を得意とする彼女の起用は、1+1が3にならなかったような。演技的必然性があれば、当然脱ぎますわよ、なスタンスの(と、推測できて、しまう)ペ・ドゥナでは、いささか有り難味がないような(笑)。いや、ゲージツ派の是枝なら、もっと有り難味のある女優さんのヌードも撮れたはずなのにね、って(笑)。ここは、やはり、演技派、ではなくて、天然派、の起用でしょう。それが本筋でしょう。
 もっとも日本人の板尾創路や岩松了やARATAと、あんなことやこんなことする映画、彼女の母国で公開できるんかいな。友愛政権の下での日本アカデミー賞、当然彼女を主演女優賞にノミネートすべき。そして、最優秀女優賞にしてこそ、友愛時代だ。そのくらいのうまさではある。

 キネ旬星取表やネットでは、それなりに評判はいいのだが、ぼくはノレなかった。ノレ弁。
 まず、主演の小西真奈美が、ちょっと。デヴュー作の「阿弥陀堂だより」では、たいへん可愛らしくて、演技もナチュラルで、その年の個人的新人賞だった。ところが、その後伸び悩んだ(演劇の彼女は知らないが、ぼくが見た限りの映画では)。本作でも、普段の彼女はたいへん可愛らしいのだが、何かに欠けている。俗に言うオーラがない。それは、主演女優としては、まずい。そして、啖呵を切ったり、喧嘩で旦那を罵倒したりするときの彼女の、発声法はもろに演劇の発声で。普段はナチュラルな演技なのに、豹変するとおどろおどろしく芝居じみてくる、まさにヨロキンだ。小西真奈美見は、女萬屋錦之介でいいのか。何か、優等生がお勉強してお芝居しています感が抜けていないように思えてならない。同じことはこの映画全体にも感じる。
 そして、最近ブームな?料理映画としては、どうだろう。「かもめ食堂」「南極料理人」の料理は、ヴィジュアル的によかった。のど、ごっくん。「めがね」「ラーメンガール」は駄目だった。おいしそうに見えない。で、本作は後者かな。
 まず、のり弁、というのが、ヴィジュアル的に、うまく見せるのは至難の技。いや、のり弁自体は大変、うまいよ。うまいけれど、これをヴィジュアルで見せても、うまいかは、また別で。
 しかも本作ののり弁は海苔で何層にも分けて、間にさまざまな具入りご飯を重ねるというもの。いや、これ、邪道だって。のり弁というものの本質(笑)は、真っ白なご飯と、真っ黒い海苔とのきわめてシンプルな結合なのだ。究極の白黒食かつ白黒ショー。
 それなのに、何層にもいろいろな混ぜご飯を散らして、階層を作るなんて邪道だよ。うまいのかもしれないが、それはのり弁とはまったく別のコンセプトだろう。
 その何層にも分けた混ぜご飯プラス海苔の説明を、これまた汚いCGで何回も再現するんだけど、これがさらにのり弁のまずさを倍増させるような安いCGで。大体ご飯粒と海苔なんてものは、CGでいくら金かけたって、そのテクスチャーは絶対再現不可能。それを安いCGで繰り返す、余計まずさ感が倍増するのだ。最後に、ヒロインが開店する弁当屋の弁当、これがまた、ヴィジュアル的に、まったく美味く見えない。なんか、ヘルシーな弁当を目指しているらしく、ヴィジュアル的に、地味。目で見て、おいしそうに見えない、というのは、映画としては、まずいのだ。
 ドラマも、部分部分はいいし、役者たちも味があるのだが、これでは、コンビに弁当にも、負けてるよ。

 思っていたより、面白かった。
 ただ、主人公カイジが泣き喚くのは仕方がないが(そういうキャラなので)、映画全体も感動を誘うような暑苦しさがあって、しかもうまくいっていない。もっとクールに作るべき映画だろう。こういう製作委員会方式の映画だと、感動が似合わない映画にも、
「やっぱり、映画には感動が必要ですよね」
と、ろくに映画のことがわかっていない奴らが言い出しているに決まっているのだ。
そうなると、「ですよねえ」と雷同者多数。
 日本映画の悪弊のひとつ、無理やり感動させようとして、失敗してきた死屍累々を、彼らは、知らないのだ。もっとも日本の観客も求めるからねえ、感動って奴を。
 最初のほうのじゃんけんカードゲームで、関西弁小悪党の山本太郎が、自分の持ち札がばればれなので「シャッフルしよう」と、言い出す。彼はシャッフルする必要があるのだが、他のみんなは持ち札がばれてはいない。なのに「そうだそうだ」と熱狂的に賛同する理由がわからない。
 そう、もっとクールに作れば、もっと面白くなったのに。残念だ。
 悪の会長役に、声がかれた佐藤慶。もともと小悪党専門役者の彼も、巨悪に成り上がったねえ。似合ってないけど。そう、巨悪を演じるには彼には貫禄がない。自意識が過剰すぎるのだ。
 中悪党には香川照之。うまいねえ。うまい佐藤慶。小悪党に天海祐希。こういう悪の組織に女性がいると、結局主人公の側に就くよね、というのが最初から丸わかりなんだけど、まあ最後は小気味よい。

 ううむ。なんという・・・・繊細にして大胆な・・・・傑作ではありませんか。
 今年度日本映画、および世界映画の、ぼくが見た、暫定ベストワンね。ぼくが見た、てところが何の権威もないけれど。
 なんというか、次々の展開が、まったく予想を裏切る。小ネタの連続がまったくもって、素晴らしいとしか言いようがなく、その連鎖が大ネタに化してしまう、幸福な瞬間がある。これ、ジェットコースター・ムーヴィーなのよ。なのに、実に淡々とさりげなく、映画を流していく。こういう映画作家をぼくは知っている。成瀬巳喜男だ。
 成瀬といえば、もちろん駄目な男と、その腐れ縁の女たちを描いた映画作家だが、本作でも、堺雅人が絶妙演技。詐欺師としても、どう見ても脇が甘いが、絶対的に女にもててしまう結婚詐欺師が、ひたすら素晴らしい。堺雅人、平成の森雅之か。雅の字も共通してるぞ。女に、もててしまう駄目男。「ヴィヨンの妻」は未見だが、太宰治の堺雅人も見たいものだ。
 そういえば、太宰原作「グッドバイ」のモテモテ男がモリマだった。去年は助演男優賞連発だった堺だが、今年は「ジェネラル・ルージュの凱旋」「南極料理人」、それに本作の駄目押しで、主演男優賞は、もう確定でしょう。とにかく、うまい。しかも、いやみがなく、ひたすらキュート。「ココニイルコト」以来の出演映画の傑作率が異常に高いのが、要注目だ。堺雅人の演技が、傑作映画を呼び起こすのだ。
 ただ、成瀬映画の比較で言えば、女優陣が、いささか、弱い。なかでは、「プライド」で、かなり気色の悪いヒロインを演じた、満島ひかりが、ここでも印象的。彼女は、平成の(美人過ぎる)中北千枝子か。いや、これは、まずい比喩だな。松雪泰子の弟・新井康文もいい。
 ある一定の年齢以上の人なら、誰でも知っている、キング・オブ・三面記事、両親がエリザベス女王とカメハメハ大王の縁につながる、自称アメリカ空軍パイロット、片言の日本語で女性をだます結婚詐欺師、クヒオ大佐、この実在するちんけな詐欺師に、日本中が突っ込みを入れた。そんなんでだまされて、女はお財布を開き、おまたを開くのかよ、と。
 繰り返すが、堺雅人、超絶美技、そして展開は予断を許さない。脚本も監督もベスト。なのに淡々と。笑えないコメディーというのは普通はケナシ言葉だが、本作においては、絶対のほめ言葉だ。憎いくらいに抑制された、完璧なコメディー、凡人が作ったら、付け鼻のニセ外人のコントにしかならない素材で、かくも繊細にして大胆な映画を作りうるとは。
 なお、湾岸戦争当時の日米関係を、アメリカがせこい結婚詐欺師、日本がそれにだまされるドジで間抜けな女、という比喩は、きわめて正しい。この映画、次のアメリカ・アカデミー賞外国語作品賞の日本代表に強く押す。アメリカ人にも興味深いと思うよ。ニセのアメリカ軍人になる話だし。

●追記● <映画流れ者>にて、heroさんから、ご指摘がありました。上記感想文で、新井康文は、新井浩文の間違いでした。すいません。酒をかっくらいながら、怪しげな記憶で書いているので。って、言い訳になりませんが。
なお、ネットを徘徊していたら「クヒオ大佐」つまらんの声多数あり。一方でぼくみたいに傑作だという声もあり。極端な賛否両論、キヨホーヘンの映画なのですね。
なんとなく「二十世紀ノスタルジア」(笑)を思い出しました。あれもキヨホーヘン激しくて。ぼくは絶対的肯定派でしたが、あれも「繊細にして大胆な傑作」でした。そういうのは、世間では受け入れられないものなのか。ううむ。

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