今、そこにある映画

傑作も駄作も、ともに見る。ともに、愛する。 変態です。出来れば映画はフィルムで見たい。別ブログ「昔の映画を見ています」もあるでよ

アメリカ・ヨーロッパ映画

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 ちきしょう・…傑作じゃないか。
 いや、ぼくにはクリント・イーストウッド監督作品に偏見がありまして。
 「グラン・トリノ」(当ブログ一発目の感想)や、「愛のそよ風」(「昔の映画を見ています」にて感想)のように、<何の野心もない小品>の場合、傑作率が極めて高い。逆に「硫黄島」シリーズとか「ファイアーフォックス」とか「マディソン郡の橋」などの、堂々の大作、問題作、何らかの「野心」を秘めた注目作では、やや、ずっこける。平常心の映画というか、根っからのプログラム・ピクチャア魂というか、何気なく撮った映画のほうが面白い、と信じ込んでいたわけで・・・・「グラン・トリノ」のほうは喜んで劇場に駆けつけたのに、本作の方はDVDでお茶を濁そうとしたわけですね。
 ところが。
 ぼくはDVDを見るときは部屋を暗くして(せめてもの映画館気分)、アルコールを飲みながら見るのですが。つまらない映画なら、酔いも手伝って、気を失います。あの、何かで読んだのですが、酒に酔って心ならずも寝てしまうのは、あれは厳密には、睡眠している、と言わないらしいですね。気を失った、というらしい。うーむ。気を失っただけ、だから、睡眠によるメリットとかも、得られないらしい。うーむ。
 ま、それはさておき。「チェンジリング」。面白いっ!
 これこそ映画の快楽がいっぱい詰まっている快作で。
 イーストウッドは何の野心もなく、淡々と映画をつむいでいく。映画的快楽そのもの。
 酒好き、映画好き、としては、くいくい飲んでしまう。で、DVDですから、時々一時停止にして、冷蔵庫へ。おお、面白い面白い、と興奮しつつ、冷蔵庫へ行くと、え、在庫がない。エー、これからクライマックスよ、シラフで見ろって言うの!?
 一瞬考えて、即服を着た。いまどきの寒い夜に、一心にコンビニに。
 まあ、買ってきた酒を飲みながら見ると、クライマックスを過ぎて、映画は淡々とまとめに収束/終息していく。終息、って言うか、まあ敗戦処理みたようなもので、興奮を和らげる役割。えっ、ちょっと、俺、興奮しすぎ?
 まあ、あだしごとはさておき、イーストウッド、大作風に見えて(1930年代を舞台にして、その風俗を再現する)、なんとまあ、いつもの、淡々とした、イーストウッド的傑作。
 <偽りの息子>をすら、邪険にせず、世話をしていくアンジョリーナ・ジョリー。人情として、邪険にしようと思えばしてるはずの場面でも、きわめて冷静に対処する。ここら辺に、マッチョな男を演じてきた俳優イーストウッドが、監督になるとなぜか女性的な親和性を帯びるのは、いつもの通り。猟奇的犯罪の描写も、きわめて節度を重んじる。真の意味で、クールでありつつ、エモーショナル。
 出来うるならば、本作で言及されていた、「ある夜の出来事」。フランク・キャプラによる、このゲーブル&コルベールの傑作が、ちょうど<第1回のアカデミー賞>にノミネートされていて、記念すべき<第1回のアカデミー賞>の最優秀作品賞になるかどうか、人々はラジオの中継に耳を傾ける。なんせロサンジェルスを舞台にしていますからね、アカデミー賞は、まさに地元のイヴェントなのだ。
 そう、イーストウッドはキャプラとの親和性も高そうだ。「ある夜の出来事」でもいい、「スミス氏都へ行く」でもいい。ぜひ、イーストウッドには、キャプラをリメイクしてもらいたい。心からの願いだ。

 たまには、べたべたのハリウッド映画王道ラヴ・ストーリーでも見ようと出かけたら、映し出された原題がTHE TIMETRAVEIIER'S WIFE。うーん、なんか、ちょと、違うか。しかし、みもふたもないタイトルや。邦題のべたべたなタイトルもあれだが。
 「ゴースト」(未見)の、タイムトラベル版というふれこみだが、このタイムトラベル、偶然時間をワープするのだが、行ったり来たりの繰り返しが激しすぎ。しかも本人もそれを知っている周りのものも、すっかり慣れきっていて、もはやルーティン・ワーク感すら漂う。そうなると、シリアス感も喪失。なかば笑えないコメディーと化す。
 行く先々も、せいぜいここ数十年程度。特別の装置もなく偶然行き来するだけだし、恐竜時代にも、超未来にも行かないから、タイムトラベル物としては、驚くべき低予算。感動も低予算。
 主演エリック・バナは、主演者としてはハナがない。相手役ヒロインも同様。かろうじてその娘(年長のほう)のみに、ハナがある。

「アドレナリン」

 少し前にここでも感想を書いた、ジェイソン・スティサム主演の新作「アドレナリン:ハイ・ボルテージ」が、あまりに大ケッサクだったので、その第一作目をDVDにて。
 うーん、これはこれなりに面白くて、これがヒットしたために第二作目「ハイ・ボルテージ」が作られたわけだが。「ハイ」のほうがあまりにケッサクなので、見劣りしてしまう。「ハイ」を見ないで見たら、それなりに面白いのかも。
 逆に言えば、一作目のヒットを奇貨として、しゃかりきにブローアップした「ハイ」を作ったスタッフ・キャストをたたえるべきだろう。それくらい「ハイ」がアイディアとギャグを詰め込んで面白いわけで、そのために、原典のほうが地味に見えてしまうくらい。かといって、第一作を見てから、第二作を見るというのもどうか。基本的に同じ話、ほとんどストーリーといえないような、バカ・アクションだからねー。

 いやあ、眠った眠った。目が覚めても、さめても、さめても、気を失ってしまう。それでも映画の大部分を見た、という自信はある(笑)。あまりに波長が合う映画だと、爆睡して、ほとんどを見逃してしまう。あまりに興醒めなつまらない映画だと、怒りのあまり一睡も出来ない。程よく気を失える、つまらなさ。
 お品のよい文芸アクション映画。肉体技のアクションではなく、コーヒーテーブル・トークが武器の、文科系アクションの退屈作だ。文科系アクションが全てつまらないわけではない。紋切り型の、熱のない、事務的なジム・ジャームッシュ映画。
 たとえば今年のアクション快作「96時間」では、次々と小悪党から大悪党へとたどりたどって、肉体的な尋問を加え、証拠を引き出していく。当たるを幸いなぎ倒す。その連鎖の果てに娘を救い出す。
 本作「リミコン」では、主人公のコーヒーテーブルに次々と人物が勝手に押し寄せ、主人公がなんら手を加えずとも、細々とした手がかりを与えていく。それに沿って主人公は<ミッション>を果たす。「96時間」が、当たるを幸いなぎ倒す、なら「リミコン」は、当たらずさわらず、といったところか。これらの人物にかなりのスタア俳優がゲスト出演する。俳優の無駄遣い。ちっとも面白くないし、個性もない、棒読み演技。いや、それを目指したといわれても、面白くないのだからしょうがない。誰が誰やら、何の関心も呼び起こさない。
 かつての才人もダウン・サイジング。
 こういう映画にはこう言おう。豆腐の角に頭ぶつけて死んじまえ。

 ハリソン・フォード新作主演作が、いきなりシャンテ公開なんて、ハリホーも落ちたもんよなあ、と見てみたら、 ハリホーお得意の、娯楽アクションではなくて、リアルな現実を描いた、いわゆる社会派、低予算独立系なのであった。しかも、さまざまな人々が出入りする群像劇。
 ハリホーは、当然ヒーローではなく、疲れた表情で、現状をうろうろする、ワン・オブ・ゼム。移民・関税執行局(I.C.E.)の一捜査官。しけた洋服工場に急襲しては、弱い不法移民・密入国者たちを取り締まる。これでは、いかにハリホーとはいえど、日劇には行けないよなあ。おまけに、ビリングの次は、レイ・リオッタ、アシュレイ・ジャッドとB級感丸出し。リオッタは「ターミネーター」のころのシャープな姿態から、「タルミヌイター」なメタボ体系に。だめ親父の哀愁が様になりました。
 不法移民たちが、法的に、アメリカ社会に受け入れられるか、はじき出されるか、がこの物語。
 純粋に映画世界を楽しむには、かなりの雑味あり。映画を見ている間、さまざまな<邪念>が、入る。むしろ<社会派映画>という奴は、観客の側にさまざまな雑念を呼び起こして、考えてもらおう、というのがあるのかもしれないが。しかしそういう<目的を持った映画>は、しばしば映画の出来とは相反するものがある。本作も、純粋に映画の出来を考えた場合、凡作である。したがって、この映画の感想文は、映画についてのものではなく、映画が喚起している諸問題について、書かざるをえない。

 母国の<悪習>(イスラム教徒の髪を隠す女性の習慣、およびテロ容認の発想であったり、イラン人の強固な家父長制、女性差別であったり、韓国人の盗癖であったり)を、そのままアメリカに持ち込むと、とたんにアメリカ社会はそれを排除しようとする。当たり前といえば当たり前だし、議論の余地があるといえばある部分もある。まあイラン人と韓国人の殺人行為は論外であるが。
 考えてみれば、不法行為をするものが、不法移民であろうとなかろうと非難されるのは当然のことで、イラン人や韓国人の例は、この映画の<社会派>としての部分には、不適切かもしれない。そこら辺がこの映画の雑味なんだよなあ。現に不法に手を出そうとしたアメリカ人もまた逮捕されている。

 問題になるのは、頭部や顔の一部を布で隠すイスラム女性。イスラム社会では当たり前の<義務>ではあろう。しかしイスラム以外の文明社会では、<顔を隠す覆面>には、おおむね悪いイメージがあることも認識すべきだろう。何かよからぬことをたくらんでいる者のイメージ。現にこの映画でも、韓国移民の少年たちは武装して、目出し帽をかぶって、商店に強盗に入る。自分たちの行為の意味が<国境を越えれば変わることがある>ということを、<国境を越える>者は認識しなければならない。<郷に入れば郷に従>う必要はないかもしれないが、<郷に入れば郷に従>わないならば、やはりそれなりのリスクなり不都合は甘受すべきだろう。<国境を越える>者には、その覚悟があって、<国境を越える>べきだろう。
 しかしイスラム少女が、学校でのレポートで、911テロを容認するかのような発言をしたことを、校長がFBIに報告、FBIは、少女家族が不法移民であることもあって、家庭をがさ入れする。テロ容認で、なおかつ不法移民の少女は拘留される。FBIは、法の番人として当たり前のことをしているだけなのだが、ちょっと引っかかるのが学校長が、生徒のリポートを当局に<報告>すること。教育者としてどうなのか、というのは甘いのかなあ。<テロ容認>生徒を、性善説で指導は出来ない、という厳しい現実なのか。
 もちろんテロリストとは、民間人のことなのだから、おとなしい少女が、いつの間にかテロリストに変貌している、と言うのは事実としてありうる。未然に予防する以外対策はないのだから<芽むしり仔撃ち>しか、具体的な予防法がないといえばないのだ。ただし、この少女が、母国に強制送還されることにより、より反米的な闘士に追いやってしまう可能性もなくはない。テロ予防措置がテロを生む負のスパイラルも、また覚悟せざるを得ない。

 A国の国境をB国の軍隊、武装集団が侵犯すれば、これは戦争、あるいはテロと呼ばれる。
 A国の国境をB国の、たった一人の民間人が侵犯すれば、これは冒険と呼ばれる。
 では、自分では一人一人だと思っているだろうが、結果として大量のB国の民間人たちが、A国の国境を侵犯すれば、なんと呼ばれるだろうか。少なくとも、法的には、戦争やテロに準ずる行為だと、せざるを、えない。
 たとえばこの映画にコメントを寄せたカルデノン則子嬢を、擁護する人々は、カルノリ嬢一家の法侵犯行為を、ある種の<冒険>だと、捉えていて、それは支援しなくちゃ、と思っているのであろう。しかしカルノリ嬢の法侵犯は、カルノリ嬢一人の問題ではない。大勢のカルノリ嬢予備軍が控えているのであり、<カルノリ嬢は自分では一人だと思っているだろうが、結果として大量のカルノリ嬢たちが、国境を侵犯すれば>、なんと呼ばれるだろうか。一見無害に見えるキリスト教伝教者たちが、帝国主義国の尖兵として植民地作りに貢献したように、まったく無害な子供たちを、民間的国境侵犯の尖兵として(笑)利用しようとする民主党・社民党的な人たちも、また存在するのだ(笑)。大陸や半島出身の者たちは、いとも軽々と国境を侵犯する。彼らにとって国境など、単なる法概念に過ぎない、実体のないものだからだ。
 と、見る者に妄想を抱かせる、雑味映画でしたね。映画では、愛すべき軽佻浮薄ないんちきユダヤ人青年や、弱さゆえに強盗に加わる韓国人少年が、<同国人>の嘘によって救われ、合法的なアメリカ人になり仰せる。嘘を、脱法行為と見るか、情状酌量と見るか。その辺のあわいが、映画なんだよね。それは認めよう。一人一人の小さな愛ある行為、しかしそれを集団で、組織だって行おうとするから、齟齬が生じるのだ。小さな親切大きなお世話。真実だなあ。

 本作の原題は、CROSSING OVERという、ベタな、何の情緒もないアメリカ映画らしいタイトル。これが邦題は「正義のゆくえ I.C.E.特別捜査官」、逆の意味でベタな情緒たっぷりさ。どっちも逆のベクトルで、頭が悪いと思いますね。「正義のゆくえ」とはなんなのか。各種の法侵犯も、<移民の冒険>なんだから許してやれよ、法で国境作るのはよくないよ、冷たい法を優先して<正義>はどこへ行ったんだ、という配給会社の思いを表わしたんだと思うけれど、ご存知の通り<正義>は、ひとつではない。民族の数ほどある。宗教の数ほどある。一人一人の人間の数ほどある。この映画もそれを示している。だから<正義>は、常に行方不明なのだ。「正義のゆくえ」などないことを知るべきだ。むしろ国境侵犯行為を扱うこの映画には「ゆくえの正義」としたほうがより<正確>なのではないかな。
 さらにサブタイトル「I.C.E.特別捜査官」てのも意味不明。ハリホー所属の移民・関税執行局(I.C.E.)という日本になじみのない組織の略称をつけて、タイトルとして何の有効性があるのか。むしろ利用したかったのはI.C.E.という、語感かもしれない。カルノリ嬢たちを追放しようとする法はちょっとI C Eだよね、という言葉によるサブリミナル効果。左翼の常套手段だったのね(笑)。


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