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以前、このブログの記事で取り上げたことがありますが、戦前の中学校修身の教科書に書かれた「教育に関する勅語御下賜の由来」を、教育勅語渙発120年を記念して、もう一度ご紹介しようと思います。当時の人心の状況が、現代の状況にも非常に重なるところがあるような気がします。
教育に関する勅語御下賜の由来 一、慶応3年10月徳川慶喜が大政を奉還したので、明治天皇は同12月王政復古の大号令を発せられ、次いで翌明治元年3月五箇条の御誓文において宏遠なる国策を立てさせられ、同2年諸侯をして久しく私有していた版籍を奉還せしめ、同4年には藩を廃して県を置かれたから、従来の封建制度はまったくやみ、中央集権の郡県制度が確立した。同5年徴兵令を発布し、全国民皆兵たるべく定められたので、武士という特別階級はまったく亡び、また同年学制を頒布して不学の人なからんことを期せられたので、四民皆教育を受けることとなった。
維新の成功した思想的原因は第一に勤皇論であり、第二に西洋文化の刺激であった。殊に明治新政府は諸外国と親しく交を結び、泰西文化を盛んに採用して、制度、文物、風俗の上に大いに改良を行った。もちろん政府の主義とするところは、どこまでもわが長所を十分に保存発展せしめ、ただ短所だけを西洋文化によって補おうとするのであったが、何事もこれを盛んにすれば、極端に流れやすいものであるから、明治初年の西洋文化の輸入もすこぶる中庸を逸し、西洋から舶来したものと言えば何らの批判を加えないで、直ちにすべて良いものであるかのごとく誤解して、善悪の差別なく大いに歓迎した。したがって従来のものは一も二もなく旧弊であるとして排斥することが多かった。中にも物質文明においては、その頃我が国は西洋諸国に比べて非常に遅れていたので、これに追い付こうとして、その伝承・摂取には上下一般に大いに努力したので、欧米の物質文明は滔々として潮流のごとく採用され、実利・実益の思潮が広く漲った。
二、欧化主義によって新しい交通機関が発達し、新しい制度文物が起こり、また従来の制度文物などの改良せられたるものが無数にある。しかしその半面に弊害もすこぶる大であった。人心は唯物的に傾き、実利に偏し、しかも深く西洋文化を消化しないで、ただ表面・皮相の見をもって西洋をまねることが流行した。かくて国漢学はすたれ、仏教は衰えて洋学・キリスト教が勢力を得、古来の良風美俗は旧弊の名のも下に捨てて省みられず、古美術は高閣に束ねられ、名所旧跡は荒廃に委ねられることが多かった。これは一時的の現象ではあったが、そのために国民道徳の標準が動揺するようにもなった。
ことに明治前半期は外国との修好通商上、我が国は治外法権と関税との点において非常な不利と不名誉とを受けていたが、諸外国は我が国を蔑視してなかなか改正を承諾しなかった。それで時の政府は外人の歓心を得るために、盛んに欧米の風俗・礼法を取り入れた。特に明治19年頃には政府の大官が外人の外交官としばしばダンス会を催したりして、世のそしりを招いたようなこともあった。されば民間にも西洋心酔の風が盛んとなり、一世をおおい、ために風俗も乱れ、世道人心も頽廃するような観があった。極端な論者になると、早く我が国を西洋諸国と同じ高さに引き上げようとし、日本語のように英語を国民間に普及すべしと主張したり、人種改良のために西洋人との雑婚を奨めたりした。
三、このような場合に国粋復活の精神が起るのは自然である。これは早く国漢学者や神道家・佛教家の側から起された。中にも明治15年畏くも明治天皇が軍人に勅諭を賜い、軍人は武技のみならず、武徳をも併せ重んずべきことをのたまわせられ、同年勅して「幼学綱要」を分たしめられてから国粋主義が著しく盛んになった。明治12・3年頃アメリカ人のフェノロサが日本の美術を研究して独特の価値を賞揚したのが動機となって、国風の美術が復興した。国漢文の研究も同15、6年頃より次第に盛んとなった。かくて国粋復活の気勢が著しくなったが、西洋崇拝の風も容易に止まらず、国民はその帰郷するところに迷うという風であった。識者はこれを痛嘆して救解の方法を種々考えたけれども、大勢の赴くところいかんともする事ができなかった。
明治天皇は深くこれを軫念(しんねん、天子が心を痛めること)あらせられ、国民の適従すべき道を教え示さんがために、畏くも明治23年10月30日に教育に関する勅語を渙発して国民道徳の大本をお諭しくださったのであった。ここにおいて紛紛たる群議はおのずから止み、徳教の方針が確立し、我が国の教育は爾来勅語の御趣旨に基いて行われているのである。
四、しかるに近時わが国民中に国体に反し、国情に合わないような奇矯な思想を懐き言説を敢えてするものなお絶無なりというあたわざるは聖代の不祥事として識者の深く憂うる点である。これは欧州の大戦以来政治・経済その他の社会事情に変化を来したため、いたずらに新説を唱えて自ら快しとする者が起り、それが我が国にも伝わったためであろうと思われる。
いうまでもなく勅語は徳教の訓諭として最良最美なものである。国民が皆良くこの御訓諭を奉戴・服膺すれば、我が国は天皇を家長と仰ぎ奉る一大家族の形をなす国であるから、全国民が至誠・真実の心を以て互いに敬愛し、信頼し、一家一族として融和親密に生活しうるはずであるから、右のごとく不祥な思想・言説によって国家の平和を害し朝憲を乱すようなことはないことと思われる。要するに国民一同が勅語の御精神を徹底的に奉戴することこそ極端危激な思想を根絶し、淳風美俗を興し、進んで文化を中外に輝かし、国威を世界に宣揚し、もって日本精神の発展充実を期し得る唯一の道である。
明治天皇御製
天てらす神のみいつをあおぐかな
ひらけゆく世にあふにつけても
引用おわり
旧漢字、歴史的仮名遣い、読みにくい漢字など、一部現代的になおしました。
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転載させてください。
明日になると思います。
2010/10/31(日) 午後 3:14
御意にございます。
やまとごころの國に感謝です。
傑作
2010/10/31(日) 午後 3:19
オノコロ様、
ありがとうございます。
転載よろしくお願いいたします。
2010/10/31(日) 午後 3:21 [ さざんか ]
カマちゃん様、傑作ありがとうございます。
やまとごころ、いまも国民の心深くに眠っているのでしょう。もっと盛り上げたいものです。
2010/10/31(日) 午後 3:23 [ さざんか ]
今の日本の乱れは道徳観の欠如、個人主義の教育、
利己主義の極みです。
明治の荒廃していた頃と同じく、今の日本にこそ教育勅語の復活が必要です。
傑作
2010/10/31(日) 午後 9:33
さくらの花びら様、傑作ありがとうございます。
全くですね。ほんとに復活してほしいです。明治の頃のように、きっと教育の荒廃、人心の荒廃が一気に収まるに違いないですね。
こんないいものを、間違った押し付けのように教育で教えてきたことこそ押し付けですね。物事を素直に考えない人間は、ほんとに困ったものです。
2010/10/31(日) 午後 9:46 [ さざんか ]
転載させて頂きます。
傑作 ポチ凸
2010/10/31(日) 午後 10:31
hito様、傑作ありがとうございます。
転載、ありがとうございます。
2010/11/1(月) 午前 8:39 [ さざんか ]
>徳教の訓諭として最良最美なもの・・・
確かにそうですね。
現代は「徳」と言うものを無駄なモノと見る風潮が強く「得」に繋がらないと考えるようですね。
やはり、時代を戻すでは無く、より良き選択としても「教育勅語の復活」は絶対に必要な事だと感じます。
傑作!
2010/11/1(月) 午前 9:55
荒廃した教育現場には、今こそ明治の教えを取り戻すべきです。
教育勅語により、日本人は徳の高い人間となりました。
傑作○です。
2010/11/1(月) 午後 2:10
ジョウジ様、傑作ありがとうございます。
徳育というと、いかにも押し付けのように日教組は曲解しますが、基本的な道徳というものは、人類普遍であり、押し付けても全く構わないものです。そのような基本を、教えられてない人間が現代社会に迷惑を及ぼす時代になって、そうした人間を呆れ顔で非難するより先に、ちゃんと小学校からあるいは幼稚園からでも、教育勅語とそれに即した修身の授業をすれば、一気に解決することだと思います。
ほんとに左翼日教組は日本の癌ですね。
2010/11/1(月) 午後 2:44 [ さざんか ]
こんの様、傑作ありがとうございました。
明治は開国による混乱や国難を乗り越えた、素晴らしい智慧に満ちていますね。現代は混乱と国難だけは似たところがありますから、(人間は明治の人には到底及ばない不甲斐ないものですが)明治の教えに学ぶことで、本来の日本人を取り戻すことができるに違いないですね。
いつもご配慮ありがとうございます。
2010/11/1(月) 午後 2:52 [ さざんか ]
うまやどさんのところで拝見してこちらにもやってきました。
「教育勅語」などという素晴らしいものが存在することをすっかり忘れてしまっている日本人・・・。
思い出さなくてはいけませんね。
ということで、私も早速ブログに記事を書きました。
2010/11/1(月) 午後 10:14 [ ひろみ ]
ひろみ様、訪問コメントありがとうございます。
ほんとにそうですね。このようなあたり前のことを教えられる機会が、意外と少ないですから、小学校から、道徳の基本的なものを教えることは、大切な事だと思います。復活させなくてはいけないですね。教育勅語は、たしか明治政府によって世界に紹介されて、絶賛され、各国で採り入れられたと聞きました。その成果も出ていて、いまでもつづいている国も多いと聞きます。そういうことも日本人は全く今は知らされていませんよね。
トラックバックありがとうございました。ほのぼののした日記風のブログで、その中に時事問題や歴史的な記事を挟まれているので、一般の固い政治記事を敬遠する人にも、わかりやすく浸透していく気がします。とても良いブログですね。
2010/11/2(火) 午前 9:41 [ さざんか ]