久保木牧師のきらきら探訪〜ゆるりと生きる〜

オカリナ奏者で鹿児島在住の牧師が描くきらきらした日常。ぼちぼち更新していきます。

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「信仰継承とは何だろう?」、
十数名の信徒による献金で、牧師一家の経済を保証しようとし、
会堂を建てて維持管理しようとする“教会の在り方”まで
継承させようとすると、どうも無理があるように思うのだ。

古本屋も限られた中、本を定価で買うのが当たり前だった時代から
アマゾンで古本があれば、もっと安いものを買おうすることが
ある種、当たり前になった時代に
若者に定額の献金をし続けることを望むのはどこか無理があるように思うのだ。
定額でお金を出し続けることに対し、年配の方よりも
若者たちのほうがシビアだし、
実際そうやってより安いものを選択しやすいのが現代と言える。

最近、アマゾンプライムでわたしは映画を観ることがある。
年会費3900円を払えば、あとは無料で多くの映画を観ることができる。
リアルでもTSUTAYAのレンタルなら旧作を110円でレンタルできる。

映画を観ながらふと思う。
この映画、製作費はいくらだろう?何千万円?何億円?
多くの大人が汗水流して作った2時間の作品を
アマゾンプライムなら無料で、
TSUTATAの旧作で110円(百均の商品を1つ買うのとほぼ変わらない値段!)で
観ることができる。
礼拝で30分の説教をする。4週合わせて2時間分。
じゃあ、それはこれらの映画に比べて、
若者たちが時間を割くに充分なものとして発信できているだろうか。
仮に映画並みだとしても、月定献金は110円?
(もちろん、説教鑑賞代じゃないけど…)。
年間の献金総額を3900円以上にできるだけの
鑑賞に耐えるだけのものであるだろうか。

若者がちゃんと月定献金をしない、という話をそれなりに聴く。
しかし、月定献金をはじめたときの経済観念が
世代ごとでずいぶん違うように思うのだ。

もちろん、キリストがささげた犠牲の大きさ、
そこから与えられる永遠の命、罪の赦し、驚くべき希望、
正義や公正、神の家族のつながり、
そうしたものの尊さをアマゾンプライムの3900円や
TSUTAYA旧作110円と比べるな!と言われればそのとおりだ。

しかし、それより価値あるものとして若者に伝わるように
どれだけプレゼンテーションされているだろうか。
youtubeで大量に流される無料の面白い動画よりも
魅力的なものとして届けられているだろうか。
結局、無料もしくは格安コンテンツの嵐の中、
教会の発信は若者が時間を割いてでも受け取りたいと思えるものを
発信しきれていない現実があるように思う。

本が売れた時代、
本がもたらす情報、知識に人々は代金という対価を払うのが当たり前だった。
しかし、本が売れないネットの時代、
情報は原則、無料で手に入るもの、
youtuberをはじめ情報発信者は情報そのもので収入を得るのでなく、
情報発信時の広告収入で生活している。
手に入る情報、知恵、知識にお金を出すことは
かつてほど当たり前なものではない。

その意味でも、牧師が説教を発信することに対して対価を払う意味を
若者たちは見いだしにくい時代を迎えていると思う。
仮に若者たちが福音を理解し、全身全霊をささげて神に従うとしても、
牧師が地域に在住することをこれまで同様に求めるかというと、
ちょっと違ってくるんじゃないかと思うのだ。

そんなわけで牧師は大切な働きなのだから経済的に支える姿勢が大切だと
若者に伝えたところで
これまでと同様に受け止めることができるかというと
どうも若者たちはそれに対し困惑しやすい社会的背景を
生きているのではないかと思えてならない。

日本経済の縮小とネット時代の情報の共有の時代ゆえ、
若者の消費傾向は、所有からシェアに移行していると言われている。
庶民が持っているお金が少ないのだし、ずっと持ち続ける必要もない。
情報の共有ができるなら、必要な時だけ借りればいいわけだ。

そういう時代に、
一教会として(週に数時間しか使わない)会堂を所有し、
(週に数時間しか会わない)一牧師を教会に居住させ(所有?す)ることが
継承すべきことかというと、若者たちは疑問を呈するようにも思う。

いくつもの教会が同じ会堂をシェアし合い、牧師をシェアしあい、
結果として(数十名の信徒ではなく)複数の教会で
合わせて数百人の信徒で一牧師の生活が成り立つような時代になる、
ということもあり得るかもしれない。

わたしは将来、そうであるべきと言うつもりはない。
しかし、ある意味、
それが抗うことのできない現実になり得るのかなと思うのである。

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