健康で文化的なインドア生活♪

テレビが友達。たまに外出して観劇。韓国時代劇、中国時代劇、ミュージカル、宝塚歌劇の感想。

全体表示

[ リスト ]

蘭陵王

ロマンス 『蘭陵王』 −美しすぎる武将ー
木村信司 作・演出 
2018年 梅田シアター・ドラマシティ 専科・花組公演
主演:凪七瑠海 

6世紀の中国、魏晋南北朝時代、北には異民族系の王朝である北斉と北周が、南には漢民族系の王朝である陳が存在し対立していた。蘭陵王は北斉の皇族、高長恭の王号。父は東魏の重臣、高澄。その弟、高洋が東魏を倒し、北斉を建国した。その生涯はあまりわかっておらず、美貌の武将で仮面をつけて戦ったことから雅楽の演目『蘭陵王』ができたこと、最後は皇帝に疎まれて賜死されたことぐらいである。
美貌をもつ悲劇の武将といえばドラマになりそうなもので、少し前にはイケメン俳優ウィリアム=フォン主演の中国ドラマ『蘭陵王』が日本でも放映され、楽しく視た。生涯自体がほぼ不明なので、ドラマもほぼフィクション、最後は賜死を乗り越えてハッピーエンドに終わっていた(ヒロインが天女という設定で周辺の王族が彼女を奪い合い、汚水を清水に変えたりして人心を掌握していくエピソードは漫画『王家の紋章』そっくりで、パクリではないかと思ったけど…)。最近はまた『蘭陵王妃』というドラマも制作されているようなので、こちらもみてみたい。

と、話はそれたが、今回宝塚歌劇でも『蘭陵王』を上演するということで、どのようにフィクションを史実と結びつけるか楽しみに観に行った。
蘭陵王(凪七瑠海)の母(京三紗、語り部として舞台のナレーターを務める)が身分が低かったことから、妃に疎まれ、蘭陵王は生まれてすぐに捨てられたという設定。その美貌で村の長者や盗賊に稚児として拾われて育つ。盗賊退治に来た北斉軍の将軍段韶舞月 なぎさ)によって、生まれたときから首にかけていた首飾り、背中の入れ墨(皇族にしかない「尽忠報国」の文字、宋の武将 岳飛?)によって皇族と判明し皇宮に戻る。その後武術の鍛錬に励み、初陣で勝利を飾る。褒美に皇帝(武成帝でしょう。蘭陵王の叔父にあたる。中国ドラマ『後宮の涙』ではヒロイン陸貞の相手役、高湛で有名。)から蘭陵の領地と20人の美女を賜るが、洛妃音くり寿)のみを選ぶ。洛妃が周のスパイだと気づいたからだが、生きるために稚児として間者として過ごすしかなかった2人の境遇には共通点があり、やがて2人はひかれあっていく。
洛陽が北周軍に包囲されると、軍を3つに分け、蘭陵王は精鋭500騎を従えて包囲を突破し、城門を開く。この際、その美貌で敵兵をたじろがせないため洛妃に渡された面をつけた。(このシーンはなかなか圧巻で、蘭陵王の兄、広寧王妃役の花野じゅりあさんが手に汗握る迫力で戦況を語り、中央には雅楽で使われる装置?が。装置の額縁だけを残して真ん中が開くとそこに騎馬の蘭陵王という演出。ただ騎馬姿はちゃちかったので、そこだけが残念でしたが。)
しかし、宮廷では皇太子以上に人気を集める蘭陵王を面白く思わない皇太子一派が、蘭陵王を陥れる権謀術数をはりめぐらすようになった。男色の皇太子、高緯瀬戸 かずや)の寵臣、逍遥君帆純 まひろ)は毒殺を計画するが、洛妃によって計画は暴かれ、逆に命を落とす。逍遥君の暗殺犯として蘭陵王は捕えられ、皇帝となった高緯は自分の愛を受け入れれば罪を許そうと迫るが、洛妃の真実の愛を知った蘭陵王は生きるために体を与えた過去と決別、拒否、毒によって賜死されることになる。処刑を拒否し、洛妃と二人で逃げて生きる道を選ぶ。

2時間半、退屈せずに観ました。木村先生の作品にしては、面白かったです(←失礼、しかし『王家に捧ぐ歌』以外、木村先生の作品を面白いと思ったことがない。『鳳凰伝』や『炎に口づけを』『ゼンダ城の虜』はちょっとお直ししてほしいけど、まあ観れるかなというレベル。いやまあ、全作品を観てるわけではないのですが。ときに自分の思想を押し付けてくる作風がとても苦手で。そういうのは両面描いて観客に判断を委ねるものですヨ)。今回も、「生きる」というもののけ姫のようなメッセージはよくわかるんですが、高緯の最後の台詞「助けてあげたかったのに。悪気はなかったのよ。」あれは不要です。観ていればわかります。口に出して言うと、一気にベタな台詞になってしまってます。最悪なのが、その後のナレーターの台詞「人のいやがることはしない。」小学生のしつけじゃないんですから。今回の作品のテーマは、「生きる」これだけでいいじゃないですか!
場面運びがトロいんですよね。ネタがないのかもしれませんが、妃選びの場面で一人一人自己紹介を始めたときは、全部で何人聴かされるのかとウンザリしました。高緯の歌も長い。「海ってどんなのかしら」って知らんがな、一番(?)で十分です。それよりは、蘭陵王と洛妃の心が近づいていく様をもう少し描いてほしい。木村先生は過去の作品を観ても、恋愛を描くのは苦手な気がします。高校生男子じゃないんですから、もう少しグッと心に迫るものを表現していただきたい。そして、歌詞(台詞も?)のセンスがなさすぎます。チョイスしている単語のひとつひとつがシンプルで、聞き取りやすいのはいいんですが陳腐です。宝塚歌劇はお子様ミュージカルじゃないんですから、もっと大人の鑑賞に堪えうる表現でお願いします(正塚先生はそのあたりお上手です)。

キャストについて思ったこと。
凪七瑠海(蘭陵王)、きちんと観劇したのは初めてかもしれません。十分真ん中に立つ実力の持ち主だと思いま             す。ベビーフェイスが損な顔立ちだと思っていましたが、声も低いし、専科に行って鍛えられた大器晩成型だったのでしょうか?音くり寿との並びも似合ってましたし、花組あたりで2、3作主演してもいいのでは?2人で明日海りおの後任とかアリではないでしょうか。
音くり寿(洛妃)、歌はうまいし、演技も上手。可憐で中国的ヒロインがよく似合っていました。花組は、娘役の激戦地となっているようですが、『ポーの一族』でも舞台に立つ姿がひときわ目立っていました。幼い顔立ちですが、演技では十分大人の女性に見えましたし、見た目も宙組の星風まどかよりは大人っぽく見えたような。相手役とタイミングが合えば、十分トップ娘役をはれる人だと思います。
帆純 まひろ(逍遥君)、逍遥君はフィクション?遠目に舞台姿が、星条海斗さんと重なりました。歌をはじめ全体的にまだまだと いう感じではありましたが、これからの伸びしろを感じたりもしました。
斛律光役の悠真 倫さんの朴訥な武将ぶりがたのしく、久々に京三紗さんの舞台姿が拝見できたのも嬉しかったです。       

この記事に

閉じる コメント(0)

コメント投稿

顔アイコン

顔アイコン・表示画像の選択

名前パスワードブログ
絵文字
×
  • オリジナル
  • SoftBank1
  • SoftBank2
  • SoftBank3
  • SoftBank4
  • docomo1
  • docomo2
  • au1
  • au2
  • au3
  • au4
投稿

開く トラックバック(0)


.


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事