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たとえば、負けず嫌いな性格は、勝負師に必須な天分とも言うべき気質だと思う。
特にアスリートと呼ばれる者達はもれなく、この気質を多分にその身に宿している。 また、彼等の内何割かは、強烈な自意識の持ち主だ。 選別思考と、それに対する嗜好を、自己肯定感を維持するために、存分に働かせ、強烈な自意識を堅持する為に打算を働かせる。 更にその、気高きプライドと、何より在りたい自分に向かって貪欲に自己昇華を実現する為の行動力を併せ持つと、上位数%の部類だろう。 あとは競技に対する適性を備えていれば、完璧だ。 ところで最近、気質だけのアスリートが増えてきた気がする。 本物のアスリートと何が違うか。 行動力が、圧倒的に足りないのだ。 行動による在りたい自己と現実の自己との擦り合わせのプロセスが決定的に不足してしまっている。 必然的に理想と現実との乖離が生じ、その原因を、あろうことか外に捜す。 なぜなら彼に見える彼の姿は、理想というフィールドにいる理想的な自分で、外から見える現実の彼の姿は、彼にだけは見えないからだ。 気付いた時はもう遅い。 決定的な事が起きて痛い思いをして初めて、ようやく気付く、それも一瞬。 どうすれば良いか、まさか、乳幼児期の刷り込みまで戻り、自分にとっての良き操り人形をつくろうと奮闘する、彼の親と引き離す事も出来ない。 故に、そこにこそ、先生と呼ばれる者の出番がある。 だから困難で、極めて選択肢の少ない作業になるが、先生は、やるべきことをやるしかない。 良質な鏡になること。 同時にその鏡は、希望も映し出す鏡で無ければならない。 在りたい自分に現実の自分を重ねるための、具体的な作業の積み重ねの過程を表す唯一無二の、道標なのだから。 時には生活習慣から変えるトレーニングが必要となるだろう。 そして、ルーティーンが終わる都度、その道程がどうであったか、景色はどう変わったかを内省し、彼と検証する。 その繰り返しを、いや、繰り返し試みるという完結する小さな一連の作業を。動いて変わった景色の意味を。学び、積み重ねていく。 劇的に変わり始める彼。 彼がそれを成果として振り返り実感するにはまだ、相当な試行錯誤とタイムラグが必要だが。 今年は、そんな年にしたい。 自分の中の彼でも良いし、自分以外の先生を目指しても良いだろう。 変わらずメタファーにもお付き合いいただくが。 新年明けましておめでとうございます。 〜コトバ使い〜 渡邊 聡 |
色即是空
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