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幾たびかの、
死線を越えた故に到達した、
死をいつでも享受できる覚悟。
それは、
今日の生を感謝し、
今日を精一杯生きることにより始めて、
自然に身に付けられる、覚悟です。
そして君なら、
死線を越えずとも、
きっと自然に、身に付けられるよ。
遺体安置所で、
叔母の亡骸を前に、
号泣した君を見て、
ぼくは安心しました。
「父ちゃんは強いね」
君は言ったけど、
そうじゃないんだ。
何があっても、
泣けないぼくが弱く、
泣ける君が、強い。
16年の闘病の末の、
君をかわいがり続けた、
祖父の死。
産湯に入れてくれ、
「将来面倒見てもらうんだ」
が口癖だった、
相思相愛の叔母の、
突然の自死。
あとを追うように、逝った、
君が師匠とあがめた、
もう一人の、祖父。
本当に、
一年間、
正直言って、受験どころでは、
なかったね。
でも、
生きていく上で、
勉強なんかより、
遥かに大切なことが、
沢山ある。
だからぼくは、
葬儀の全てを君にサポートさせた。
付き合いには全て、
君を出席させた。
でも、君は、
嫌な顔一つせず、
自ら進んで、
心をこめて、
彼らを弔いました。
その君の想い、
見事でした。
二校しか受験しない
と君が決めた時、
さすがにぼくも、
ドキリとしたよ。
正直、二校とも受かった事を
一番驚いているのは、
ぼくかもしれないね。
ろくに言った記憶がないので、
今君に言っておきます。
合格おめでとう。
15才の君の覚悟、
見事でした!
No pain,No gain.(〜痛みなきところに、前進はない〜)
このように、
繰り返して、
苦楽の果てに、
新たなる、
豊潤な、
自分に出会えることを、
祈念して。
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