「クズ」になる薬 by 細谷 知司

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立場

昨夜は同世代の友人2人と食事をした。
年齢と共に「立場」と呼ばれるものが生まれ、それまで自然であったものたちが遠ざかる。
人だけではなく、感情や出来事といったものたちが遠ざかる。
わずかな乖離が溝となり、やがて「立場」が人を孤独にする。
そんな経験をされている方は、決して少なくはないように思う。

私たちが拠って立つ場所。
それぞれの、今ここという場所。
風景が遠ざかる乖離の感覚の中で、今立っている場所の位置や境界が曖昧になっていく。
now here と no where。
ちょっとした心の揺らぎで自分が立つべき場所など何処にもないような錯覚に襲われる。

迷いや惑いに襲われたとき、私たちは慣れ親しんだ風景へと回帰しようとする。
まだ風景や境界が明確だった場所に戻りたいと願う。
だが、そこには明らかに罠が潜んでいる。
あのとき親しかった場所が、今もまだここにあると考えるのは美しくも哀しい幻想だ。
ヘラクレイトスに言われるまでもなく、万物は流転し止まることを知らない。
あるいは、それはすでに「もとの水にあらず」なのだ。

かつて輝いていたはずの自分。
現在の「立場」が色褪せて見えるとき、私たちはすぐにそんな自分のことを想い出す。
想い出しても還ってはこないもののことに思いを馳せる。
厳しい言い方をすれば、それはただの人生の浪費にすぎない。
浪費が言いすぎであれば、己に対する憐みのようなものでしかない。

だから今の自分を冒涜するのはやめようと思う。
どんなに孤独でも、どんなに深い霧に包まれていても、辿ってきた道は間違いなく存在する。
時に転び、心の中で泣き叫びながら、それでも刻んできた道程が確かに残っている。
私たちがなすべきは、後戻りではなく更にその先を切り開くこと、それ以外にはない。
件の友人に、改めてそのことを伝えたい。


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