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【国際政治経済学入門】対米協調で沈む日本経済 30年間変わらず
2015.10.7 09:30

 1985年9月22日の「プラザ合意」から30年経った。若者にはいまひとつピンと来ないかもしれないが、45年8月30日に続く「第2の敗戦」とも称されるほど、日本経済の運命を暗転させたのがこの国際合意である。

 プラザ合意後の真実

 その日、ニューヨークのプラザホテルに日米独(当時は西独)英仏の5カ国(G5)の蔵相・中央銀行総裁が集まって、ドル高是正のための国際協調で合意した。ワシントン特派員だった筆者はその日、たまたまニューヨークに出張していて、記者会見場に駆けつけた。壇上では、身長2メートル超のボルカー米連邦準備制度理事会(FRB)議長の脇で、議長の肩にも届かない小柄な竹下登蔵相(当時、後に首相)が頭の上に手をかざして背比べのまねをしておどけていた。対米協調は表看板で、内実は対米追従の日本という構図を取り繕うとする、竹下氏特有の照れ隠しだったのだろう。実際に、合意後日本の大蔵省(現・財務省)と日銀は米国の求めに応じて、通貨・金融政策を展開することになる。

 合意前、1ドル=240円前後だった円の対ドル相場は急上昇を続けるのだが、ベーカー米財務長官(当時)はドル安・円高水準はまだ不十分、とたびたび口にする。1年後には150円前後になると、米側も止まらないドル安にあせり始めた。87年2月にパリ・ルーブル宮殿で開かれたG7(G5とイタリア、カナダ)蔵相・中央銀行総裁会議で為替相場安定のためのルーブル合意が成立した。ドイツがその後、対米協調を拒否したために、合意は空中分解し、ドル安、株安、国債相場下落の「トリプル安」への不安が高まり、87年10月19日にはニューヨーク・ダウ工業平均株価が一挙に前週末終値比22.6%の史上最大の暴落に見舞われた。

 G7の中で米国に忠実なのは日本だけである。米国の意を受けて、大蔵省は日銀に圧力をかけて利下げさせ、超金融緩和を続けさせた。あふれる円資金は株と不動産市場に流れ込んで、バブルを膨張させた。一部は米国向けの不動産や証券投資や直接投資に振り向けられ、米市場に寄与する。

 80年代末から90年代初めにかけ、政府・日銀は金融引き締めに転じるとともに、不動産部門への融資を制限、株と不動産のバブルは崩壊、日本経済は90年代後半から慢性デフレに陥り、現在に至る。

 金融危機を乗り切った米国のほうはどうか。プラザ合意の85年に対外債務が対外債権を上回る純債務国に転落した米国の債務は以降、膨らみ続けていく。90年代末には株式の「ドット・コム・バブル」崩壊、08年9月の「リーマン・ショック」を経たのだが、FRBによる量的緩和政策によって株価を引き上げ、株価主導で景気回復を軌道に乗せた。

 株価は超低空飛行

 グラフは85年当時を100とする日米の名目国内総生産(GDP)と株価の指数である。一目瞭然、米国はブラックマンデーの衝撃を乗り越えたあと、株価が先導する形でGDPは順調に増大してきた。2014年のGDP規模は1985年の4倍である。
イメージ 1

 対照的に、日本は80年代末のバブル崩壊の後、株価は超低空飛行を繰り返している。14年の名目GDPの水準はバブル崩壊期の30年前と変わらない。2012年12月にスタートした第2次安倍晋三政権は「アベノミクス」を打ち出し、株価を引き上げ、脱デフレをめざしているのだが、14年4月からの消費税増税後は景気の停滞が続く。アベノミクス効果も30年間のスパンでみると、しょせんは長期停滞の域を出ていない。

 日本は世界最大の債権大国なのだが、国内でカネを使わないために経済は成長できず、財政赤字圧力が増す。それを理由に財務官僚は増税、歳出削減という緊縮財政を政権に飲ませて、デフレに誘導する。カネはますます余って、世界最大の債務大国の米国に回る。「対米協調」の名のもとに、日本が沈むパターンは30年経っても変わらない。

 日本のメディア多数は「プラザ合意30周年」企画を特集して、あたかもお祭り騒ぎのような報道ぶりだったが、そんな脳天気ぶりにはあきれる。(産経新聞特別記者・編集委員 田村秀男/SANKEI EXPRESS)

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    日本がプラザ合意以降、不況政策を飲まされているは、日本の真の支配者が首都に駐留するアメリカ軍である事です。
    軍は、横田空域で首都の上空を支配し、治外法権を有しているので官邸、霞ヶ関、検察、マスコミ、テレビキー局をニラミ権力をいつでも行使できる状態です。

    ソ連崩壊まで日本は反共の砦(ショーウインドウ)として、軍からの搾取は無かった。ソ連崩壊後、軍は標的を冷戦の真のシ勝者日本に向けて来た。
    失われた25年はその結果です。アメリカは世界中で搾取しまくりで、メキシコが治安が悪くマフィアが跋扈するのもそれが原因。中南米の不安定さもそれが原因。同じく中東、アフリカの悲惨な混乱もアメリカ帝国の搾取と武器販売が原因です。
    我々が目指す物は首都の米軍を撤退させ、日米地位協定を改正した真の独立であると思います。

    日米安保は、佐世保、嘉手納を租借地にし、そこだけに治外法権を限定した安保にすべきです。今の状態は全国が租借地です。

    [ sag*hon**ou ]

    2015/10/7(水) 午後 8:50

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    プラザ合意の以前 ニクソンショックにより1ドル360円から一気にに200円台に さらにオイルショックと かつての日本経済は大変な危機的状態に陥りましたが それを見事に切り抜け工業国として日本は世界の頂点にたちました。当時 日本の全工場がフル稼働すると全世界の工業製品の70%を生産してしまうと話されていたのを私は記憶しています。そのときにプラザ合意が起きたのです。 これは明白な欧米による日本潰し以外の何者でもありません。それに加え官僚(大蔵省と日銀)と政治家の無能さにより日本はデフレからの脱却どころか デフレの泥沼に30年近く嵌まり込み すっかり国力は衰退し そして現在に至るわけですが 360円から80円までの超円高にもめげず資源国ではない工業国として日本という国家が存在していること自体が私には奇跡のように思えます。停滞しているだけでも十分に立派な状態です。世界史上じつに稀有な存在です。

    [ nar*h*ra572 ]

    2015/10/9(金) 午前 0:04

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    2009年に出版された、元外務省国際情報局長孫崎享署「日米同盟の正体」読みました。

    この本によると80年代、日米経済摩擦交渉で日本の官僚機構は、日本の最大の防波堤になっていたとの事。
    政治家・自民党内には、米国と良好な人間関係が作れないなら政治家として大成できないという意識が存在していたので、
    米国による政治家の攻略は容易かったと書かれていた。
    冷戦終結以降、米国にとって日本の経済力が最大の驚異となっていた。
    米国は90年以降、日本と戦争をする気構えで謀略戦を行ったと書かれています。

    米国は、諜報戦で日本の最大の抵抗勢力官僚機構を潰滅させたと書かれています。

    諜報機関が行った象徴的事件は、97,98年代末、東京地検特捜部とマスコミが組み、ノーパンしゃぶしゃぶ事件で官僚機構の雄・大蔵省を追いつめ、ついには大蔵省解体に追い込んだ事だったと書かれています。

    [ sag*hon**ou ]

    2015/10/9(金) 午後 7:49

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    スパイ戦の末、日本に残ったのは、トロイの木馬的官僚達統治での日本国の瓦解状態だったと思います。
    官僚達は、意向を受け、規制緩和・監督強化の双方の不況政策を行った。
    米国の標的は、バブル崩壊で巨額の致命的不良債権負った金融業界だった。
    日本の土地を担保とする土地本位制の金融業界は、BIS規制や1998年の金融ビッグバン(金融の規制緩和)、時価評価会計制度の導入での融資規制、大店舗法などの流通の規制緩和などで、地価は止まる所を知らず下落して不良債権が増えて行ったと思います。
    米国が主導する金融自由化のグローバリゼーション、95年頃の中国通貨元の大幅切り下げによる東アジア金融危機誘発による日本経済の打撃。
    安い中国製品流入によるデフレ圧力。東アジア金融危機で米系金融資本にほとんどの銀行を買収された韓国は、米金融資本の資金、情報を受け、サムスンなどがエレクトロニクス産業で巨大な設備投資を行い、
    ウォン安と過当競争によるデフレで日本のエレクトロニクス産業を潰滅させました。

    [ sag*hon**ou ]

    2015/10/9(金) 午後 8:14

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