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【お金は知っている】「国際通貨人民元」になぜか賛同する“無国益思考”の朝日と日経

12.4
 国際通貨基金(IMF)は11月30日、円を押しのけてドル、ユーロに次ぐ特別引き出し権(SDR)構成通貨シェア第3位のお墨付きを中国の人民元に与えた。SDR通貨の条件は貿易量の大きさと並んで自由利用であることだが、党が管理する元金融市場は取引不自由で、IMFの判定はいかにも不自然である。
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 英フィナンシャル・タイムズ紙や米ウォールストリート・ジャーナル紙は「政治的な決定」と称した。政治的とは、筋が通らないケースによく使われる欧米流マスコミ用語だ。

 日本メディアの反応はどうか。朝日新聞は11月16日付社説で「世界最大の貿易大国となった中国の人民元が主要通貨の仲間に入るのは、当然だろう」と持ち上げた。よく読むと、中国の金融市場規制を問題視しているのだが、ならば、主要通貨になる資格はない。

 日経新聞は1日付のWEB版で「中国、金融改革を加速へ 『元の国際化』推進」と報じた。「中国は今後も揺るがずに全面的に改革を深化させ、金融改革と対外開放を加速する」とする中国人民銀行の大本営発表をうのみにしたのだ。

 米欧にとってみれば、元をSDR通貨に加えることは、国益になる。英国の政府と金融界はロンドン金融市場を香港と並ぶ規模の元決済センターにしようとして、10月に訪英した習近平国家主席を大歓待した。

 ニューヨーク・ウォール街も負けてはいない。シティグループ、JPモルガン・チェース、ゴールドマン・サックスらが中国の大手国有商業銀行と組んでウォール街を元決済センターにする準備を早々と進めている。その旗振り役がポールソン、ガイトナーの元・前財務長官であり、両氏ともウォール街出身だ。

 2008年9月のリーマン・ショックのために、収益モデルが破綻した国際金融資本が目をつけたのはグローバル金融市場の巨大フロンティア中国である。中国の現預金総額をドル換算すると9月末で21兆ドル(約2580兆円)超、日米合計の約20兆ドルを上回るのだから、その取引で莫大(ばくだい)な手数料が稼げる。

 北京は特定の金融大手にニンジンをぶら下げる選択的手法をとっている。こうして中国は「金融自由化」を口先に済ませるだけで、国際金融の元締め、IMFから「国際通貨元」の称号を取り付けた。

 日本にとって、「SDR元」は重大な脅威となる。習指導部は国際通貨としてパワーアップした元を大いに刷って、アジア各国を元経済圏に組み込む。すでにインドネシアでは日本が受注しかけていた鉄道プロジェクトを中国が奪い取ったし、マレーシアでは発電の独占資本を買い取った。日本が環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)で対中国包囲をもくろんでも、中国はマネーパワーで日本排除に向かうだろう。

 国際金融といえば、とにかく米欧に追随していればよい、という無国益思考はもともと財務官僚に蔓延(まんえん)していると以前にも書いてきた。それを正すのはメディアのはずだが、このざまである。 (産経新聞特別記者・田村秀男)
田村秀男の国際政治経済学
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